こたつ200W、人間?W
導入の文
今年はよく雪が降り、寒い日が続いています
エアコンをつける我が家では先月の電気料金が大変なことになっていました
電気料金を計算するのに使われる単位はkWh(キロワットアワー)
ざっくり言うとどれだけのエネルギーを使ったかを表します
ここで出てくるW(ワット)という単位、電力の単位として習ったという人がほとんどだと思いますが、定義としては「1秒あたりに生じるエネルギー」のことです
実は電気だろうが熱だろうがエネルギーが生じていればWで表せるのです
ということで、
人間を電力[W]で表す
さっそく計算していきましょう
とはいえさほど難しい計算は出てきません
まず、人間が一日当たり生じさせるエネルギー = 基礎代謝 とします
基礎代謝は人間が生命活動を行うのに必要なエネルギーのことで、呼吸したり心臓を動かしたりなどに使うエネルギーです
使ったエネルギーは熱として体外に放出され、暖房と同じく部屋を暖めます
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると基礎代謝は
18〜29歳 64.5kgの男性で1530kcal/日
18〜29歳 50.3kgの女性で1110kcal/日
年齢による差はありますが、ここでは上の数字を使うことにします
ここで出てくる皆さんおなじみのcal(カロリー)もエネルギーを表す単位のひとつで、1[cal] ≒ 4.2[J](ジュール)で計算できます
また、[W] = [J/s](ジュール毎秒)、つまり「エネルギー/時間」なので、[kcal/日]の単位を[W]に変換することができ、
1 [kcal/日] ≒ (4.2×1000) / (24 × 60 × 60) [J/s]
= 0.0486 [W]
となります
よって、
男性 1530 × 0.0486 = 74.3 [W]
女性 1110 × 0.0486 = 53.9 [W]
結論
男性 約74W
女性 約54W
となりました
こたつが保温するのに使う電力が100~200Wなので、数人でこたつに潜り込めば途中で電源を消しても保温できる計算になりますね
おまけ
私は義務教育や高校の範囲で習う物理化学は身の回りの物を測るものさしだと思っています
災害の怖さを知るためだったり、エセ科学を見抜くためだったり、あるいはおいしい料理を再現するためだったり
物理化学は身の回りの解像度を上げることができる面白い学問なのです
しかし私が勉強が好きと話すと「えっ!」と反応する人は多く、世間では勉強イコールつまらないもの、我慢してするものという印象がついてしまっているようです
でも、勉強が嫌いな人でも、豆知識やトリビア、謎解きというとちょっと面白そうだと思いませんか?
わかる、できるようになることが嬉しいと思う人は多いはずです
勉強とそれらは決して遠いものではないのです
ではなぜ勉強が嫌いな人が多いのかと考えてみると、おそらく教え方に問題があるのだと思います
どんなことが分かるようになるかを説明しないままひたすら式をこねくり回すだけの授業は、多くの人にとって苦行でしょう
実際、私もそういう授業は眠気と戦っていました
でも身の回りのものごとに結び付けた教え方をする教師に出会えれば、勉強に対するアレルギー反応は少しましになるはずです
今回のnoteはそんな『勉強と身の回りのこと』を橋渡しする試みでした
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