映画「マルサの女2」の感想
オススメ度🌟🌟🌟🌟🌟
総合採点4.3
今度のマルサは宗教法人に切り込みます!「マルサの女」の続編。
1も十分に面白かったですが2も超絶面白い。現代社会にも通ずる宗教と政治の関わり、自分達に取って不都合な物はどんどん切り捨てていくトカゲの尻尾切り。バブル時代に横行した地上げ屋の闇を感じさせる序盤、中には流石に誇張し過ぎじゃないか?ってツッコミを入れたくなる部分はありつつもいつの時代でも自己の強い権利を盾に甘い汁を吸おうとする奴らがいるのも事実で。地上げ屋のターゲットになったスキャンダル記事をメインにしてる写真週刊誌のカメラマンが地上げ屋達を脅して優位に立とうとするも逆にやり込められる様が例え弱者から搾取している人間でも立場が弱くなったら今度は自分が切り捨てられ搾取される側になってしまうと言う人間の陰険さやバカ具合を良く描いてるよなあって思った。本作はそんな闇の世界の住人達にマルサ達が対決する訳ですが序盤は敵側の悪行を描く事に時間を割いてる分主役各である板倉達が動き出すのがやや遅いなと感じる所はある物の中盤以降のぶっ飛び具合は前作以上でエンタメ映画としても十分過ぎる仕上がりです。
相手が誰であろうとも悪い金は絶対に許さないマルサ達ですら裏の権力者達と政治の関係は切り崩せない事を示す着地。余りのリアリズムに寒気を覚えますが伊丹十三監督が1はマルサの入門編で本当に描きたかったのは2だったと言ってたのを聞いてたらこれをやりたいがために1と2を作った監督の発想を良い意味で恐ろしく感じると共にもし現在も監督が存命なら今の日本の社会を見てどんな映画を作っただろうか?と言う部分に思いを馳せた。伊丹監督作品の中ではかなり好きな方かも。
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