加速するとよく別れがあります。手紙

　わたしたちは、沈没した船の外で、波の中でジタバタしている小魚🐟のようなので、出会った人たちの顔もわからないけど、人には親切にできるよ、と自信を持っているようでした。

　頭良い頭良いと言われるとチョコレートが甘くなかったみたいな変な気持ちがして、持っているものを、落とさないように気を付けていて、気を付け過ぎて落とします。

　夏服の上に上着を着ます。
　木のほうがよく衣替えをしています。
　昆虫や蛇みたいに、大きくなるとき心を脱皮しましたよ。
　本当に大きくなっているかわかりません。

　昔の人は爬虫類や両生類が虫を食べるから虫扁の付いた名前があるんでしょうか。調べていたら蛙鳴蝉噪あめいせんそうという言葉を見つけました。
　「うるさいばかりで内容のないつまらぬ文章や議論」と説明があります。（岩波新漢語辞典より）なにか、反省しました。

　小さな生きものは、飛行機に乗って平気なのでしょうか。
　飛行機の離陸時の、あのすごい勢いは、何ともないのかなと不思議です。
　人が人生の中でそれをするとき、別れがたくさんある気がします。
　加速は衝撃的です。　草々

　二〇二一年十一月六日　土曜日

　※手紙に題をつけるのが変で、つけないでまとめていたですが、題がないとわかりにくいか。題。