愛を知らなかったら

　海みたいにでっかい愛を損ないたくなくて、ひとりでそれを蓄えている。
　強い日の太陽の下で孤独じゃないふりをしてしまったよ。
　わたしはもしかして愛というものは、自分から出たものしか見たことがないかも知れない。
　いいえ、たしかに人から出ているのも見た。
　届いているのも見たことがある。
　この町では見たことがないけど、電話の中にもないけど（簡単な恋人たちの中にもないけど）たしかにあのね、何処かで見たんです。
　それを何故か、ずっと信じている。それで、どうしてかそれはとっても上手なお金儲けの方法とはどうしても違っている。
　おみくじで「迷うな」という字を二回見た。
　もしわたしが愛や情を教わったことがなくても、わたしと同じように感じる人が愛を諦めることがないように。考えている。

　令和4年1月9日付