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ティンカーベルは誘惑の洞窟の話がしたい
その洞窟では、聞こえてくるのが、いつも自分の心の底で一番気にしていることばかり。洞窟から出ない限りは、何時間でも頭の中で、誰かの言った何気ない否定が、何かを出来なかった思い出が、好きでもないのに回る歌みたいに回り続ける。
そのうち仕事や用事の一つ一つ、洞窟の中を歩いている自分のことがとても馬鹿らしくて、一歩も進まないで怒っているほうがよっぽど気高く感じられてくる。
話では、その洞窟にいるとき、その何もかもやめてしまおうかというときには、外にも中にもその洞窟がどこなのかを説明してくれる人がおらないの。
それは誘惑の洞窟といって、諦めてしまいたいときに、諦めたくなるような言葉や思い出ばかり抜き出して見聞かせしてくれる洞窟だよ。見て。自分で自分を、くだらない人間だと思いたくてここに来た。
ここでは弱気になってもそれを口に出さないで決して。馬鹿らしいと思っていたことがただの馬鹿ということになってしまう。
洞窟の中で聞こえた言葉に返事をしないで。今くだらないのは洞窟に入ってしまったから。
と、飛べなくなっているピーターパンに、ティンカーベルが言ったかどうかわからないけど、わたしが何かの妖精だったら、誰かにこのことを話したい。
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