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#14|家|2024.10.31

ホーム・スイート・ホーム

家族で四国いった。その道中で、香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、企画展「ホーム・スイート・ホーム」みた。

会場には「ホーム」(家、家族、故郷、祖国 etc.)をテーマに、複数の作家の作品が並べられていた。個人の問題であると同時に、社会や政治の問題である「ホーム」というテーマの多面性をコンパクトに示す、よい展示だったと思う。

巡回展で、去年には大阪の国立国際美術館で開催されてたらしい。神戸在住なので、そっちで見たほうが近くて楽だったとはいえ、今回みたく旅の途中で、「ホーム」から遠く離れた場所で見れたのは、展示のテーマ的には、むしろちょうど良かったかも。結果論。

わたしは山口県出身なので、マリア・ファーラ《下関海峡でおぼれる両親を救う》というタイトルにはドキッとしたし、竹村京「修復シリーズ」の刺繍というアイデアは、鎌田友介《Japanese Houses》の「物理的に存在しない、見えないことをどのように考えてゆけば良いのか」という問いへの、ひとつの回答に思えた。アンドロ・ウェクアの作品は、総じてかっこよい。

というなかで、もっとも目を奪われたのは、石原海《重力の光》だった。

困窮者支援をする北九州の東八幡教会に集った人々が演じる宗教劇。たとえば、元極道がキリスト役、元野宿生活者がマリア役をやり、キリストの受難が語られるのだが、そのあいだに演者らへの、救いがあるようなないような、なかなかにヘビーなインタビューが挟み込まれていてスリリング。真摯でありながらコミカルで、現実離れしつつリアリスティックな、いい意味で、予告編のイメージとも違う作品だった。

作家のWebで過去の作品(《Pains of Forever》 etc.)も、気になって見た。

余談。「家族」がテーマの作品でいうと、榎本俊二『ザ・キンクス』第2巻もおもしろかった。

こちらについては、また。

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