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#4|夕日みた|2024.08.22

『アンアン』『ポパイ』のデザイン 新谷雅弘の仕事

3泊4日の旅行の道中、島根県立美術館の新谷雅弘展に寄った。

新谷雅弘のことは、初めて知った。デザイナー・堀内誠一の弟子で、『anan』『POPEYE』『BRUTUS』『Olive』とか、超知ってるマガジンハウス系のおしゃれ雑誌(あと、文芸誌『鳩よ!』)をデザインしてて凄い。DTP以前の職人的な雑誌制作と、当時のカルチャーの雰囲気を味わえる展覧会だった。雑誌風の図録も展覧会以上の情報量で良い(個人的にはもっと雑誌っぽくてもよかった)。

図録見てたら、村上春樹『日出る国の工場』(村上春樹が工場見学行く本)の装丁もやってる。

で、夕日。島根県立美術館は宍道湖畔にあり、いい感じの夕日を見れるのが売りで、閉館時間も毎日の日没時間で決まるそう。

展示見たあと、湖側が一面ガラス張りの館内のベンチに座ってたら、ちょうど日没時間。近所のお年寄りや家族連れ、観光客、そのほかが集まってきて、みんなでじわじわ沈む太陽をただ見て、ぼーっとしてる時間は多幸感あった。

そこで思い出したのが、哲学者・國分功一郎とオードリー・若林正恭の対談の、この話。

若林 キューバやモンゴルでは皆めちゃくちゃ夕日を見ているんです。〔……〕もし東京の歩道橋の上で15分夕日を見ていたら、「なんか悩んでるの?」とか言われますよね。〔……〕お笑いでも「これ何の時間」とか「時間を返せ」っていうツッコミがある時から増えたんです。時間の浪費がボケになる時代になった。〔……〕夕日を見ていると、東京で競争していることが陳腐に思える。つまり資本主義の大ボスみたいなのがいるとしたら、夕日を見て満たされたら困るわけですよね。
國分 夕日なんて毎日見えますからね。あと4時間で最高の時間が来るぞって皆思っていたら、お金を使ってくれない。

「ビッグモーター化する世界の中で」

たしかに、夕日最高。毎日みれるし、超おすすめ。


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