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会社の施策が浸透しない

会社における施策の浸透について書きます。
以前、会社(経営者)の「思い」の込められたはずのミッション、ビジョン、バリュー(MVV)がなかなか浸透しないと書きました。

MVVと併せて考えなければいけないことの一つに、施策の浸透という問題があると思います。MVVの下に、会社としての様々な施策を打つわけですが、それが笛吹けど踊らず、になってしまいがちなんです。上意下達なんて、夢の話?

自分は、定年後の居場所を求めて副業やボランティアを探っていますが、その話とは別に、会社(電機メーカー)の仕事として、業務改革のようなことに(もちろんマジメに)かかわっています。

大体で言うと、施策を検討して周知して、従業員のみなさまに自発的自律的に実行してもらう、という仕事をしています。施策立案→周知→定着→自走、というイメージです。(自走:ここでは、他からの支援や働きかけなどが無くても、その部門だけで継続して実施し続けることを言います。)

施策立案は、必ずできます。MVVからブレークダウンしたもの、中計や年度の経営戦略あるいはロードマップから導いたもの、役員の思い付き、短期的あるいは緊急的なもの、などなど。コンサルタントが作ることもあるでしょう。いろいろありますが、むしろ乱立して現場が混乱するくらいです。

周知も、必ずできます。最近はタウンホールミーティング(経営層と従業員の直接対話の場)が話題になりますが、ある程度の会社だったら教育プログラムや周知手段をたくさん持っているはずです。新人研修、役職者教育、あるいは入社何年目かの節目の教育もあるかもしれません。それぞれの部門ごとの独自教育もあるでしょう。手段も、対面、オンライン、e-Learning、あるいは、講演会、社外講習などがありますし、朝礼や社内報などを通じて周知することもできます。

問題は、「定着→自走」のところなんです。施策がダメダメ、周知がわかりにくい、と言う場合は論外ですが(そういうことよくありますが)、そうでなくても本当に難しいです。

まず、周知しても記憶に残らないです。感覚的には、従業員の1割が、周知された内容の1割を覚えていれば御の字。わざわざ時間を取って教育を受けてもらっても、しばらくたったら受講したことすら覚えていない人が過半数、なんてことがザラじゃないでしょうか。わずかな自身の経験でも、社内報とかe-Learningとかは、特に記憶に残りにくいと感じます。

次に、記憶に残ったとしても、定着しないです。定着しないので、自走しないです。施策を立案した側は、周知が不十分だから定着しないと考えて周知に励んだり、「定着→自走」を促すような支援策をしつこく仕掛けたりします。

例えば、教育の機会を増やしたり、権限移譲したり、各部門に推進担当を置いたり、まずはトライアルで数部門に限って実践してみたり、並行してITシステムを導入したり承認ルートを見直したりして半ば強制的に定着せざるを得ないようにしたり、アンケートを取って効果測定/軌道修正をしたり、とかはよくやる手です。

それでも残念ながら、効果が上がらないばかりかかえって現場の負担を増やしてしまいがち。施策を立案した側が頑張るほど、現場が疲弊して後ろ向きになるというジレンマです。

社内事情が絡んでいたりもするので、コンサルタントの力を借りてというのもなかなか難しかったりします。お金もかかるし。結局、コンサルタントに入っていただいて施策を立案しても、立派なものはできたけど結局社内で定着せずにお蔵入り、と言うことがあります。お金だけ使って双方不幸、現場にはコンサルタントに対する拒否感が残る、という事例が自分の周りにもあります。

もちろん、上手く行った事例もたくさんありますし、現場に寄り添って一緒に知恵を絞ってくれるコンサルタントの方々もいらっしゃいます。誤解無きよう。

「定着→自走」するような施策を考えればいいじゃん、と言う話で、当然考えているんですが、そこがまた難しいところでもあるので、すみませんまたの機会と言うことで。

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