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補遺20:WIRED連載『新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)』第20回「トップダウンとボトムアップが交錯するAIガヴァナンス」

雑誌『WIRED』Vol.55(2024年12月17日発売)掲載の『新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)』第20回「トップダウンとボトムアップが交錯するAIガヴァナンス」の補遺です。
紙面の都合上、掲載できなかった脚注、参照文献等をここで扱わせていただきます。

注1)

AlphaFoldのノーベル化学賞受賞について、ノーベル財団は、AlphaFold2の登場以来、190カ国から200万人以上の人々がAlphaFold2を利用していることや、無数の科学的応用がなされていることを受賞理由に挙げている。

https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/2024/press-release/

https://deepmind.google/technologies/alphafold/

「1年の努力、5分で再現」 ノーベル賞で注目のAI、科学界に衝撃:朝日新聞デジタル

注2)

本稿ではEU AI法をトップダウン・アプローチと整理しているが、EU AI法56条では、同法の適切な適用のために行動規範(CoP:Codes of practice)を策定し、その策定過程に多様なマルチステークホルダーを関与させようとしている等、トップダウン一辺倒にならないような工夫がなされていることに留意する必要がある。

注3)

EU AI法2条12項は、無料かつオープンソース・ライセンスのもとで公開されているAIシステムには、一部の例外を除いて同法(同規則)の適用が除外される旨、規定している(This Regulation does not apply to AI systems released under free and open-source licences, unless they are placed on the market or put into service as high-risk AI systems or as an AI system that falls under Article 5 or 50. (Article 2.12))。
前文102項には、無料かつオープンソース・ライセンスで公開されているAIモデルは、重み付けを含むパラメータ、モデル・アーキテクチャに関する情報、モデルの使用状況に関する情報が一般に公開されている場合、高いレベルの透明性と公開性が確保されているとみなされるべきであるとの規定がある(The licence should be considered to be free and open-source also when it allows users to run, copy, distribute, study, change and improve software and data, including models under the condition that the original provider of the model is credited, the identical or comparable terms of distribution are respected.(Recitals 102))。

注4)

オープンソースの生成AIの透明性については、下記記事も参照。

注5)

Open Source Initiative(OSI)の「オープンソースAI」の定義については下記を参照。

The Open Source AI Definition – 1.0
https://opensource.org/ai/open-source-ai-definition

オープンソースAIとは何か? --「オープンソースAIの定義 v1.0」詳細解説

AI企業がオープンソースという言葉を都合よく利用する「オープンウォッシング」の問題をNew York Timesも取り上げる - YAMDAS現更新履歴

注6)

Fairly Trainedについては、ユニヴァーサルミュージック、全米作家協会(The Authors Guild)、SAG-AFTRA(映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟)、米国出版協会(AAP)、Artists Rights Societyなど、クリエイターに関する主要な権利団体が協賛している。また、著名作曲家のMax Richterなどもアドバイザーに名を連ねている。

注7)

対価還元の動きについては、下記記事も参照。

注8)

AIによる環境負荷やグリーンAIの動きについては、下記記事や論文を参照。


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