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クリニックへ 3カウンセリング

すべてのチェックリストに記入が終わり
カウンセラーの方にリストを提出する。

事前の問診はこれで一旦終了らしく
再び受付のロビーで待機する事に。

ロビーにはさっきまで人はいなかったのに
今は10人くらいが座っていた。

ここのクリニックに来るという事はやはり
みんな何かしら、心に傷を負っている人たちなんだろうなあ。。。

10分程座っていたら
名前を呼ばれて院長先生の診察室へ案内される。
さて、どんな出会いが待っているのか。

診察室の扉を開け、椅子に座っていたのは
丸顔で体つきの大きな先生だった
アンパンマン・・・第一印象はアンパンマンだった。
具体的に言うと、アンパンマンの親戚にいそうなアンパンマン一族の
優しそうな叔父さん。

アンパンマン、いや院長先生は僕のチェックリストを見ながら
「ふむふむふむ、あるね。あるね。
 タスクさん!今からまた違う質問をするから答えてくれるかな?」
「はい。大丈夫です。」
「人と会話してる時に何か余計な事を思わず言ってしまう事があるかな?」
「はい。時々あります。」
「大勢の人の中にいると逃げ出したくなる事があるかな?」
「はい。あります。」
「それは何でかな?」
「そうですね。。。 最初は良いんですけど、時間が経ってくると、
 みんなが何の会話をしているのか分からなくなってくるんですよ。
 それで、退屈というか居心地が悪いというか」
「うーん、なるほどねえ」
「会社でのルーティンって何かある?」
「はい。あります。」
「それって、ちょっと具体的に教えてくれる?」
「はい。だいたい朝7時30分くらいに会社に着いて、
 まず玄関をほうきで掃いて、その後、道路に水を撒いて
 机を拭いて、棚をふいて、郵便を確認して… 」
「あああOK。それくらいで良いよ。そのルーティンは毎日決まってる?」
「はい、ほぼ毎日決まってます。」
「それって会社で決まってるの?」
「いえ、私が自分で決めてやってます。」
「なるほどねえ。」
「チェックリストの内容も見たんだけど、ちょっと発達障害の傾向は
 あるよね。」
「発達障害といっても、いろいろな傾向があるから、チェックリストだけ
 では分からないんだよね。タスクさん独自の症状というのもあると思うん
 だ。タスクさんは自分自身の症状の中で今どんな症状に困ってる?」
「それは
 正直、わかりません。。。 人に指摘されて気付いたくらいなので。。」

そうだ。はたして僕はどんな症状に困っているんだろうか?
頭が痛い? 咳が止まらない? 耳が聞こえづらい?
そういう事じゃないはず。

「OK。それでは自分自身の症状を見極める事、またとりあえず現在
 症状が認められる発達障害を緩和する事。
 そして親族の方から怒られて落ち込んでしまった気分や
 憂鬱な状態からの回復という意味で今日から3カ月間、投薬治療と
 カウンセリングをして症状の緩和と回復を目指していくというのは
 どうかな?」
「問題ありません。むしろ治療を受けないと僕はきっと
 会社を辞めなければいかないかもしれないので
 治療していきたいです。」

正直、何の為に治療するのか今は良く分からない。
でも、少なくとも現在の状況というのは 良くない。非常に良くない気がする。
会社にとっても、自分にとっても、そして家族にとっても
今まで気づかなかったけど、友人や仕事先、僕の周りの人たちに
僕はもしかして気付かないうちに僕が発達障害という事で傷つけていたのだとしたら。

今しかない、このタイミングでしか僕が自分自身と時間をかけて
向き合う事が出来るのは きっと今しかない気がする。




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