見出し画像

天皇杯決勝、悔しい敗戦

2023年3月12日、琉球ゴールデンキングスはbjリーグ時代に規定によって出場機会のなかった「天皇杯」、その決勝の舞台へと駒を進めました。

今シーズンはチームとしてもリーグ内では唯一(EASL、天皇杯、リーグ制覇)と三冠が狙える位置にチームがおりました。
昨シーズンの怪我から復帰した牧や田代、2月中旬以降に合流したばかりの渡邉飛勇やカールタマヨを迎えての三冠へ挑戦という状況でしたが、ご承知のとおり現実はそう甘くない、EASLと天皇杯にて辛酸をなめる結果となりました。

琉球ブースターとしても悔しい結果となりましたが、試合の展望を見ていくとかなりレベルの高い面白い展開が続いていたと個人的には感じております!

それでは個人の感想を中心とした振り返りをしていきます(笑)

◇試合結果

千葉87ー琉球76

出だし1Qより千葉との間に7~10点差のリードが続く展開となり、試合終盤の4Qでは、二桁点差ついていた状況から怒涛の追い上げを見せて4点差に詰め寄るも、琉球の流れをつぶす千葉の試合巧者ぶりが凄まじかったです(笑)

有明コロシアムというbj時代のキングスにとっては聖地であり、熱戦を繰り広げたある意味ホームという環境で勝てなかったのは悔しすぎる(´;ω;`)
しかも千葉の1億円プレイヤー富樫勇樹とは彼が秋田ノーザンハピネッツ所属の新人時代12-13シーズンにやりあった中でもあるため、結果やり返されたような状況になったのもこれまた二重で悔しい(笑)

◇ジョンパト体制によって生まれ変わったDF

今シーズン初対戦となった千葉ジェッツ。まさかの天皇杯決勝で顔合わせとなり、リーグ21連勝という新記録を打ち立てたチームと一発勝負を争うのはあまりやりたくない(笑)
でもリーグ戦では4月に対戦予定のため、その予行演習としては最高の状況である。

そんな千葉ジェッツではあるが、やはりリーグ戦を前に対戦しておいて良かったと思わざるをえない凄さを誇っていました。

それは”DF強度の高さ”に表れており、キングスが誇るゴール下のアベンジャーズ達に対して、日本人選手も外国籍選手も関係なくヨリが速い!
この試合では、帰化選手であるギャビンエドワーズが怪我の影響で出場できず、リバウンドの部分ではウィークポイントとなるが、そこを補う程の素早いインサイドへのケアとルーズボールへの執念を見せた。
こういった点は、キングスも見習うべき部分だと感じますし、なにより就任して1年のジョン・パトリックHCの名将ぶりが表れていると思います(笑)

正直この強度と速いローテーションで守ってくるチームはおそらく千葉ジェッツと名古屋DDしかいないのではないかと(笑)
でもこのDFを1シーズン通して続けることは相当な負担につながります。
おそらく名古屋DDが怪我人続出状態なのもここに繋がってくると考えられます。
なにかのインタビューにて、ジョンパトさん自身もこのDFについてはずっと行えるモノではないと語っておられたので、ギャビン復帰後は抑えめになっていき、ここぞという場面での持ち札として繰り出されるのではないでしょうか。

◇原修太はやはり謎の外国籍枠だった

ジョンパト体制になって一番の出世と呼べるのはやはりこの男でしょう。
筋肉モリモリマッチョマンの体に関しては、当初懐疑的だったのが正直な意見です(笑)
上背の筋肉がつけばシュートに安定性がでると一概には言えませんし、足回りの怪我につながると思っていました。

しかしここ数年ではその足腰回りにも太さが出てきて、体格のバランスが良くなったように素人ながら見受けられました。
その有り余るパワーを活かし、準決ではジョシュスコットを、決勝では元チームメイトのジョシュダンカンを簡単にインサイドへ入れないようにDFして見せました(;'∀')
原とストレッチビッグであるヴィック・ローの二人が千葉のローテーションDFを支えるキーマンになっていました。
中外両方を素早く守れるのはさすがにズルい(笑)
ここはジョンパト体制の功績の一つだと感じます。

そして一番この試合で思わず引いちゃったシーンがあり、それはダンカンのDFを受けながらも3Pを決めちゃったところです(笑)
おそらくですが、私は懐疑的に感じていた上背の筋肉を上手く使いこなせるようになったことで、リリース時の最後の押し込みで距離を出せているのかな~という見解です。
いやもうその打ち方だと最早外国籍選手なんだってば( ゚Д゚)
そんじょそこらの日本人がはとめらんねえ(笑)

こうして千葉は昨シーズンのチート級の活躍を見せた理不尽シューターのクリストファー・スミスに加えて、謎の外国籍”ハラ”という強烈なウィングポジションが揃ったわけです(笑)
はい、今年の最優秀HC賞はジョンパトさんに決定~👏👏

◇むしろギャビン出てない時がチームとして厄介じゃね?

正直なところ、ギャビンが怪我で出場できていない試合を何個か拝見しましたが、かえってDFローテーションとルーズボールへの意識と昨シーズン千葉を率いた大野HCが取り組みたかった5アウトという戦術を繰り出している気がします(笑)

どうやらこの5アウトに取り組みたかったという部分で大野さんと球団側で食い違いが起きたのも退団の発端になっていたとかないとか……(笑)

5アウトを駆使することで中のスペースを広げてスミス・ロー・ハラのドライブを存分に使う戦術をされると、Bリーグのインサイドを守るビッグマン達は横の動きに対してミスマッチを強いられるため、非常に守りにくくなります。
日本人をぶつけてもこの三人にはフィジカルで勝てないですしね(;'∀')

・クーリーの後輩ジョン・ムーニーさんも5アウトの申し子

ジャックのノートルダム大学後輩にあたるムーニーさんも実は5アウト戦術に的したビッグマンであることが今回見て取れました。
昨シーズンはほとんど、インサイドで体を張ったプレーやミドルを打たせる役割でしたが、今シーズンは3Pもしっかり放ってきます。

この試合においても1Qですぐ3Pを決めてきたので、以降はトップの位置でボールを受けたらDFは寄らざるを得ないため、自らドライブを仕掛けてクーリーを翻弄していました。
あの動きができるのはちょっと想定外だったように感じます(;^ω^)
つまりは彼もサークルの外からプレーができるので、5アウトでも順応できるわけです。

ここまで前述のとおり、ギャビンをファールトラブルに追い込んでビッグラインナップが組めない状態を作ったとしても、あのDF強度と5アウトに切り替わるので、ギャビンがいなくなってからが本領発揮といっても過言ではないのが千葉ジェッツの恐ろしさだと思います(笑)

◇やっぱ富樫勇樹はキモイ

あ、別に卑下するとか批判の意味ではなく、キモイくらい心を折ってくるな〜という賞賛です(笑)
出だしはハヤトファルコンDFがあてんぷり効いてて、得点は伸びないように出来ましたが、後半キングスが追い上げを見せた場面でのミドル成功と牧を振り切っての3Pはお見事👏
あの5点は追い上げムードを静まり返らせるヤラしいプレーでした(笑)
そして序盤はよく通っていたダーラムからのコーナーパスもチームとして誘った上で、しっかり富樫がスティールしたりと、ジョンパト体制になってディフェンスへの意識がめちゃくちゃ上がってます😂
ホーバスJAPANでの経験も当然ながら大きいと思いますが、こうなってくるとめちゃくちゃメンドイ('ε'*)
富樫はサボってていいんだよ〜♪(笑)

そういったゲームコントロールの部分と人気を評価されて大会MVPに輝きました👏
でも私は今回に関して原修太が受賞するべきだったとまだ思ってます(笑)
もしかすると人間として見られていない可能性が…w


◇キングスのDFは悪くなかった

今シーズンのキングスは、昨シーズンのDF戦略であるミドルを多投させる戦術から真逆の”3Pをタフな状態で打たせる”戦術に切り替えています。
当然ながらこのDFは千葉相手にも上手くやれていたと思うし、昨年の天皇杯で何度も心を折られたクリストファースミスに二桁得点を許していません。
スミスが3Pを打ってくる位置よりも後ろでボールを渡させるように守れていたと思います。

ヴィックローとスミスの二人を一桁台に抑えたDFは、元々プラン通りだったと言えるでしょう。
しかし、千葉はリーグトップクラスの確率で3Pを射抜いてくるチーム、キングスの取る戦術と相性がいいとは言えず、思わぬ伏兵として3本沈めた西村さんやハラに対してのプレッシャーはもっとかけれたのではないか❓
たらればですが一発勝負の展開の中では、ゾーンとマンツーを変則的に組み合わせた40分間圧を与え続けるDFをしてでも止める気概が欲しいと感じました。

◇ハヤトファルコンの成長ぶりに泣ける

千葉は確実に牧をノンシューター扱いで守り、岸本と今村のところでボールを渡さないようにフォーカスしてくるのは見えていました。

そんな状況でも牧は試合通して臆することなくアテンプト9本の3Pを放ち、2本を欲しい場面で決め切ってくれました。
天皇杯準決では4/4の爆発があったため、もう一本欲しかったところですが、これまでの牧のプロセスを見てきた限りでは、すごい成長だと感じます。

・富樫とのマッチアップで一筋の光明

キングスは1Qより、富樫に対してのDFは牧をつける方法を取っていました。
何気にこの戦略は正解で、初っ端から富樫に火をつけさせることはなく、なんなら嫌がってるようにも感じました。
これまで富樫対策には、並里や岸本をガッチリ付けることで対策してきましたが、そこに牧を持ってきたのは良いチョイスだったと思います。
188㎝のサイズに、強いフィジカルとフットワークが備わっている牧であれば、臭い物に蓋と言わんばかりの富樫キラーとして期待していきたい(笑)

もちろん富樫もやられっぱなしじゃ終わらず、3Qのキングスが追い上げている場面で、牧を振り切っての3Pはお見事でした👏
欲を言えば、最後までひたすら富樫につけさせてもいいかな~と思いましたが、スミスやロー、ハラのケアも必要なので致し方ない。
ここにコーが調子を上げてくれればなんですが…(;'∀')

・決勝の大舞台で14得点の活躍

千葉は牧の3Pに関して許容範囲だったと思いますが、積極的なペイントアタックと富樫へのポストアップからのフローターでやられたのは痛かったんじゃないでしょうか? いや、痛いと思っててくれ(笑)

このnoteをフォローいただいている「たつまる」さんとTwitterのリプ欄で話しましたが、牧のフローターショットがかなり良くなってきているという部分です。
手首の返しが元々固い印象を受けていましたが、2本沈めたフローターは、返しが柔らかくなっていました。
おそらくリハビリ期間中に体を戻す以上に、シュートの部分やドリブルでとてつもない努力を積んだのではないかとここ数試合を見ていて伝わります!
まるで背中から翼の生えたフワッと吸い込まれていくフローターでした(笑)

ジャンプショットもクイックリリースになっていたり、牧の成長ぶりには毎試合感動しっぱなしです(´;ω;`)

◇コーと田代のステップアップは大事

EASL以降、状態が戻ってきている田代は、この試合でも3Pを2本沈めていました。
特に一本欲しい3Qの場面で、沈めてきたのは良かったと思います(^^♪
また、2本目のクロックギリギリで放ったミラクルショットは、彼の復調ぶりが表れていたと感じており、その理由として怪我前の田代はミラクルスリーをよく決めてたな~って印象があるからです(適当)

シーズン後半でもまだまだ課題が残るのはコーの起用でしょう。
昨年の天皇杯千葉戦では、怒涛の連続得点により古巣キラーぶりを発揮しましたが、この試合ではわずか2分半の出場に止まりました。
昨シーズンの千葉とは違い、フィジカルとスピードで負けていないハラやローとコーの相性が悪いとの判断で出場時間が減ったと個人的に考えておりますが、それを乗り越えるだけの判断力やスキルアップはマストになります。

これはコーに限らず、チームとして彼のドライブスピードを活かせるようにスペースを満遍なく作り、気持ちよくリングアタックさせれば、自ずと3Pもノッテくるようなタイプだと感じてます。
本人自身もまっすぐドライブするだけでなく、ジェイルといった腰でディフェンダーを抑える技術も使用するようになっています。
ここに、牧のようなストップモーションがついてこれば、より止めにくい選手になっていけるはずですが、感覚をつかむまで時間がかかるでしょう(笑)

記事の画像で使用したコーが悔し涙を流している姿は、私にとっても歯痒く映り、なんとか報われて欲しいと思うのです(T_T)

個人的にコーを活かせるセットとして考えているフォーメーションとして
①コー
②田代OR牧
③タマヨ
④ダーラム
⑤クーリー(ダンカンORヒュー)
👆これを観たいかな~って感じです!

②に田代や牧を入れることで、コーが不用意に暴れることを防ぎます(笑)
ここでもし田代が落ち着けるようなゲームメイカーとしてのステップアップがあれば、2ndユニットとして安心感が出ます。
牧はスターターで岸本と今村のバックアップとして重宝したいのが個人的な思いです(*'▽')

そしてタマヨをここに③で入れることにより、ハイポストで預けやすい形を作るので、パスミスを防ぎやすくなると考えます。
クーリーら外国籍に、明らかに無理やりなパスを入れずに済みます(笑)
さらにタマヨへプレイメイク力がついてこれば、コーのドライブをお膳立てすることもできるようになるので、3Pもあってかつ堅いディフェンス強度をもったユニットへ変貌。

◇ヒュー・タマヨを入れたオフェンスの構築

天皇杯では、タマヨにビッグラインナップとしての起用タイムが与えられました。
しかし、修練度が足りないのもあってか、コーナー待機という役割で終わり、パスが回ってこない状態にありました。
さすがの桶さんもこの一連の流れについては反省をされているかと思われますが、やはり3番タマヨという手札は改めて必要だと感じました。

若干ですが、タマヨがコーナーに立っているだけでもペイント内のスペースが生まれている感じがあったので、オフボールでタマヨが渦巻きのように動き回るだけでもフロアバランスが一気に保ちやすくなりそうな気がしました!
しっかりドライブも仕掛けられるので、相手にとっては非常にヤラしいとこを突かれることになるでしょう(笑)
まずはキックアウトパスといった合わせの形を作ることが先かもしれません。

そしてここが難しいところで、ヒューを入れた場合のオフェンス構築です。
もし相手のビッグラインナップに合わせてヒューを加えた3BIGの場合、怖いのが彼にはアウトサイドがないため、ノンシューターとしての守り方をされれば、打つ手がなくなりリズムを崩されます。

当然ながらアウトサイドが打てるに越したことはないですが、今の状態で取れる対策があるとすれば、シンプルにポストアップを仕掛け、その間に3Pを打てるよう作るか、ヒューのフックシュートの確率を上げる必要が高くなります。

色々考えるとヒューを入れたBIGラインナップのが悩ましいですね🤣
桶さんがどのように起用していくかはこれから楽しみです☺️

◇あとがき

リーグ三冠を掲げてスタートした今シーズン、結果として二冠を落とすことになり、ブースターの皆様の中には「いつになればタイトルは…」という思いが強くなる一方だとお見受けします。
ですが、それ以上に選手達やコーチ陣も苦悩しブースターの思いを考えるとさらにプレッシャーはかかっているはずです。

キングスはこれから若い力がより一層合わさり、今シーズン掲げた「ポジションレスバスケ」という難題に、もう少しのところまできていると感じております。
永続的に強豪として居続けるには、世界基準を意識したスタイルは必要だと思いますので、挑戦し続けて欲しいですし、ひとりのブースターとして見守り続けたい。

最後はみんなで笑って終えるシーズンになることを祈っております(-人-)

-fin-


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?