エコビレッジで目覚めるエコで持続可能な暮らし!エコビレッジに2ヶ月住んで感じたこと
こんにちは、タスタスです!
2024年6月からオーストラリアでワーキングホリデーをしています。私はいま、NSWにあるNarara Ecovillage に住んでいます。
2ヵ月滞在して、エコビレッジが「エコ」を実践する仕組みをたくさん学んだので、シェアします!
Narara Ecovillageとは
Narara Ecovillageは、シドニーから電車で約2時間、Central Coastにあります。人口は約150人で、大人120人、子ども30人といった割合です。
10年ほど前に形成された自然豊かな村で、近くにはStrickland State Forestという美しい森や湖があります。
子どもたちは広々とした自然の中で遊び、湖で泳ぐなど、のびのび生活しています。
Narara Ecovillageは、「エコ」をテーマにした生活を大切にしています。住民一人ひとりが異なるエコの視点を持っており、エコな建築、エコな食生活、エコな作物栽培など、それぞれが自分に合った形でサステナブルな生活を実践しています。
また、太陽光発電の設置など、環境への負荷を減らすための取り組みが義務化されており、村全体で持続可能な暮らしを支えています。
Narara Ecovillageの特徴
①カーボンフットプリントを減らす取り組み
環境負荷が低い家
Narara Ecovillageでは、各家庭が「ネットゼロ」(二酸化炭素排出量を実質ゼロにすること)を目指して設計されています。すべての家には太陽光発電が設置され、日中に発電されたエネルギーをできる限り利用しています。余った電力は夜に使う電力としてエネルギータンクに集められ、必要な場所へ供給される仕組みです。
さらに、いくつかの家では建築材料に麻(hemp)やストローベール(straw bale)など、断熱性に優れた自然素材を積極的に使用しています。これにより、エアコンに依存せずに快適に過ごせる家が作られています。
実際、村内にはearthshipと名付けられた家があり、エアコンを使わずとも夏の暑さや冬の寒さに対応できます。
地下を通した換気口を利用し、夏には外気を冷やしてから室内に取り入れることで、40℃を超える気温でもエアコンなしで涼しく過ごせる仕組みが整っています。冬はその換気口は閉じ、温かい部屋の空気を室内に取り込むという仕組みになっていました。
自然の力を最大限に活用し、機械に頼らない生活を実現している点に感動します。村内には建築に精通した人が多く、その知識が住民全体に広まっていることで、持続可能な家づくりが実現されています。
それに、重い材料を運ぶなど自分だけではできない作業は、村人が援助してつくるそうです。
再利用する文化
Narara Ecovillageでは、再利用の意識がとても高いです。
例えば…
生ごみはコンポストとして、土壌作りに活用
使える使用済みの木材は研磨して再利用
木材の破片や木の枝はウッドチップに加工され、庭や道に敷く
卵の殻はカルシウムとして鶏の餌にしたり、または土壌改良に活用
ゴミを分別し、瓶などのリサイクル可能なものは回収し、リサイクルで得た資金を村のプロジェクトに利用する
不要品は「リサイクルテーブル」に置かれ、欲しい人が自由に持っていける
雨水も有効活用されており、タンクに貯めた雨水はフィルターを通して浄化し、畑や一部家庭内で利用されています。
例をあげたらキリがないほど、村全体で物の循環が促進されています。
地産地消
村では、多くの住民が自分の庭で作物を栽培しています。特に「パーマカルチャー」と呼ばれる持続可能な農業手法を実践する人が多く、オーガニックな野菜が主流です。
村には「コミュニティガーデン」と呼ばれる小さな農場もあり、そこで収穫された野菜は村内の小さなオーガニックショップで販売されています。さらに、村内では鶏も育てているため、新鮮な卵も手に入ります。
さらに、村の小さなカフェでも、オーガニック食材にこだわったメニューが提供されており、住民たちは健康的な生活とエコな暮らしを両立させています。ちなみにこのカフェは、私の一番のお気に入りのカフェです(何を食べても飲んでもすごく美味しくて、値段も良心的だからです)。
日本ではマイナーなオーガニック生活ですが、Narara Ecovillageではむしろそれが当たり前です。
②勉強会・イベントが多い
Narara Ecovillageでは、建築、エンジニア、農業、エネルギーなどの専門家もいて、ワークショップが盛んにおこなわれています。村人同士で知識を共有する機会が多く、環境に対する意識が自然と高まります。
また、外部からのスペシャルゲストを招いてのワークショップやイベントも頻繁に行われます。
持続可能な生活に向けて、村全体でレベルアップをしようとしている姿に感動しました。
また、外部からの訪問者が村での生活を体験できるイベントが定期的に開催されています。
農場でオーガニックガーデンの作り方を学ぶ、収穫した作物を使って酢を作ってみる、村の全体を案内するツアーなど、さまざまな学びの場が提供されています。
③コミュニティの絆が強い
Narara Ecovillageでは、環境に関するイベントだけではなく、村人主催のイベントが毎日のように開催されています。
ヨガクラス、ダンス、マーシャルアーツ、瞑想、手芸、ゲームナイトなどなど…
住民同士が頻繁に交流するので、誰も彼もが友達になってしまいます。
村内での交流を活発化させる仕組みが、暖かい雰囲気のコミュニティ作りに活かされています。
④各自が村に貢献している
Narara Ecovillageでは、住民一人ひとりが村の発展に貢献することが期待されており、1年間に50時間、村のプロジェクトに参加することが求められています。プロジェクトの内容を多岐にわたり、エコ建築や教育、金融、ブッシュファイヤー対策など、80以上の活動があります。
住民は自分の興味やスキルに合わせてプロジェクトに参加し、村全体の持続可能な発展に寄与しています。
私も農場と森林再生のプロジェクトに参加しました。活動の中で専門家の方々の知識を学ぶ機会が多く、仕事をしながら知識を吸収している気持ちでした。
住民一人ひとりが自分の強みを活かしながら、協力し合ってプロジェクトを進めている姿勢が素晴らしいです。
まとめ
村人それぞれに個性があって、人と話すのがすごく楽しかったです。
飛行機に10年以上乗っていない人、ベジタリアンの人…
日本での生活ではあまり出会わないタイプの人々との交流が、私にとって価値観を見直すきっかけになりました。
彼らにそのライフスタイルの理由を聞くと、説得力のある意見が返ってきて、私もカーボンフットプリントを減らす生活や、ベジタリアンに近い食生活を取り入れようと感じました。
さまざまな要因があると思いますが、Narara Ecovillageには健康的な人が多いです。私のホストファザーは78歳でありながら仕事をバリバリしています。
私にとってNarara Ecovillageでの生活は、エコで持続可能的な視点から新しい生活様式を模索する場としてすごく有意義でした。
個人主義的な生活ではなく、シェアする文化を基盤とした生活は、環境負荷を軽減し、持続可能な未来を見据えた暮らし方です。