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『令和の米騒動』、いつ終息するのか?


#令和の米騒動    #米不足
#米騒動の歴史

半年前に起きた「米不足」、すぐに終息するかと思っていたら、いまだに続いている。だが、歴史を学んでみると、この考えは間違っていたことがわかる。1900年代から発生した米騒動、投機目的での買い占め、売り惜しみが起きているのだ。今回の「令和の米騒動」も同じことで長引いていると思われる。まずはこの辺を見ていこう。

*米騒動の歴史(大正、昭和、平成)
⑴大正の米騒動(1918年大正7年)。これはシベリア出兵にともなう需要増と、第一大戦後の輸入量の減少によるものとされる。つまり、米価がじわじわ上がってきたため、米業者が売り惜しみと買い占めをはかったためだった。連日、新聞でも取り上げられ、社会不安は人が広がり、人々は米問屋を襲撃するまでになる。

⑵昭和の「米よこせ運動」(1932年昭和7年)。世界恐慌が1929年に発生。日本も経済不況に陥ったが、ここに東北地方での「米の凶作」(1930年と1931年)が重なる。すでに失業や賃金の下落で生活を苦しんでいた都市労働者はさらに厳しい状態となった。このとき労働組合が中心となり、署名やデモを行うことで、国は米の廉価払いさげをおこなう。

⑶平成の米騒動(1993年平成5年)。この年は記録的な冷夏となる。どうも2年前に発生したピナツボ火山の噴火が原因と言われ、夏の気温が2度から3度低くなった。この時のコメの需要量は、1千万トン、収穫量780万トン。国は備蓄米23万トンを放出した。だが、200万トンほど不足していたのだ。国は急ぎ外国からコメを輸入する。

*現在起きている事態!
そもそも日本人の米離れが進んでいる。直近(2024年)の需要は674万トンとされる。収穫量は680万トンあるため、問題は無いはずなのだ。ところが表向きの数字にはあらわれないものが発生していた。インバウンド需要である。コロナの収束と円安になることで、海外からの旅行客は一気に増えた。

投機によりカネを稼ぐ連中は、いつの時代にもいる。彼らはここぞ!のときを見計らって買い込むのだ。もともと流通量が減っていたため、大きく価格を上げることになる。ここに問題の根本があると言えるようだ。国も備蓄米の放出には慎重という立場であり、この事態を長引かせている。

*個人的に取り組んできたこと!
平成5年、当時我が家は6人家族だった。米不足になる事はわかっていたため、1年分の米を買い込んだのだ。友人・知人・親族には買っておくように伝えたのだが、誰1人買ったものはいなかった。結局、我が家では外国の米は食べずに済んでいる。

ここ10年は、友人の農家から米を買っている。また米不足になるかもしれないと思っていたからだ。いま家は2人暮らし。食も以前よりだいぶ細くなっている。だが、年末には、白菜大玉10個を買った。毎日食べているのだが、まだ2玉ほど残っている。

現在、天候不順により野菜が著しく高くなっている。この白菜大玉のおかげで、家計としてはウマくいっているようだ。車で片道20分ほどのところにある農家、少々手間はかかるが、生活防衛を考えておこなっているのだ。

*今後の米価格、見通しは?
ここに来て(2月半ば)政府は備蓄米21万トンを放出すると発表した。これは日本人の消費量の1ヵ月半分にあたるとする。ただこの数量では、それほど需給の逼迫は解消しないと思う。理由としては、買い占めている業者の思惑があるためである。

これから始まる「関西万博」。この需要を見込んでいるのだ。つまり、さらなるインバウンド需要があると思われるため、万博が終わるまでは売り惜しみすると思われる。これにより高値がつづいていく。

*まとめ
すでに米農家の担い手、平均年齢が70歳となっている。だが、日本ほど農業に適した国は無いのだ。しかし、高齢化によりその担い手が減ってしまう。さらに農作放棄地も増加の一途。この20年で倍増していると言うのだ。さらにTPP (環太平洋パートナーシップ)により関税が廃止されることで、農業は深刻な打撃をうける。
食料自給率はさらに下がっていくと思われる。食の安全保障を考えるなら、やはり国は農家に対しもっと援助すべきではないだろうか。

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