「憲法改正」についての考察!歴史的経緯と現状!
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これは日本人の誇るべきことだ。世界で、戦後77年にわたり憲法を改正しないでいる。なんと素晴らしいことだろう。これほどの国は他にはない。近年、さまざまな凶悪事件が発生してはいるが、それでも日本は安全について世界トップ10にはいる。日本国憲法については、米国から押しつけられた!との意見もあるが、それでも長年にわたり機能し続けるところを見れば、逆に感謝すべきだろう。
*押しつけられた日本国憲法?
1945年8月半ば、日本はポツダム宣言を受け入れた。連合軍は、日本を非軍事化し、民主化国家として歩んでいくよう、GHQ (連合国軍、最高司令官総司令部)を中心に改革改善を断行していく。戦争犯罪人への刑罰、財閥解体、農地解放など。明治憲法の改正については、極めて重要視していたとされる。
日本政府に対し、早急に改正案を出すよう迫る。この日本人の手による改正試案は毎日新聞によってスクープされ、GHQの知るところとなった。草案のほとんどが明治憲法とさほど変わらなかったのだ。GHQ最高司令官マッカーサーとしても、もう新憲法を日本政府には任せられなくなった。
これはG HQ民政局長ホイットニーの進言により、マッカーサーはGHQのなかで憲法草案を起草するよう指示したと言う。当初、アメリカ側から提出された要綱は、日本側では拒否するつもりだったが、GHQに押し切られた形である。結局、日本側法政局部長と次長により、GHQの内容に沿う案がまとめられ、「憲法改正草案」として公表された。
この後、枢密院や衆議院での審議を経て、貴族院本会議に上程。その後、小委員会での修正をされた後、貴族院本会議で可決されたという流れだ。原案はGHQにかより方向性を示されたが、日本の政治家によってきちんと審理され、修正も加えられている。必ずしも、「押し付けられた!」とは言えない。
*憲法とはどんな法律なのか?
まずここを理解しなければ始まらない。憲法は、権力者が守るべき法律と言える。戦前、軍部に押し切られる形で太平洋戦争が始まった。明治憲法には日本の軍部を抑える条項がなかったためだ。我々日本人が、この戦争により数百万人も亡くなっているのも、憲法の不備があったからとも言える。
戦後も繰り返される世界各地での戦争。日本がいま平和でいられるのもこの日本国憲法があったお陰といえる。そうでなければ、日本人は朝鮮戦争やベトナム戦争にも引っ張り出されたはずだ。その意味では、マッカーサーの主張した「憲法第9条」のもつ意味はおおきい。
「マッカーサーノート」によると、GHQ民政局にたいし「憲法の3条件」をマッカーサーは示したとある。その第二条件に「日本はすべての戦争を放棄する。そして陸海空軍を持たない!」という内容であった。すべての戦争とは、自国を守る戦争も含まれていた。ここに日本政府は文章を書き加えることで、この条項を無効にしたという経緯がある。
*自衛隊が創設できたのは?
憲法第9条への加筆があったことで、日本は自衛隊を設けられた。今これを解釈改憲とは言うが、初めからこれを狙っていたのだ。いわば巧妙に抜け穴を作ったということ。またアメリカ側としても、1950年に朝鮮戦争が起きたことで、ほとんどの米軍は日本を離れ朝鮮にむかい居なくなってしまう。当時、社会主義陣営の拡張を恐れた米国側も、日本人の治安は日本人にまかす方針になっていったと言う。
わずか26文字の加筆、「国際紛争解決手段としては」と、「前項の目的を達するため」により、自衛隊が創設できたということである。解釈というよりも、初めから意図して加筆したと見ることができるようだ。
*日本人世論の動きは?
憲法を改正するには、憲法第96条が足カセとなっている。国民投票により3分の2以上の賛成がないと、改正ができないという条文。現在、世論調査によると、反対と賛成が拮抗しているため、憲法改正はできない。いくら政権与党が改憲しようとしても、これでは無理と言える。
実は、戦後すぐの1945年から1955年までは、日本人の大半は憲法改正には賛成だった。しかし、当時の首相、吉田茂は軍隊をもつと多額の予算を計上する必要があり、ようやく復興し始めた日本にとっては、これではまずいと考えたとされる。
*まとめ
国会議員が、憲法改正を打ちだすのは、全く意味がないと言っていい。すでに自衛隊はあるし、国民からも支持されているのだから…。そんなことより、もっと重要案件があるはずだ。すでに喫緊の課題となっている(ジェンダー平等、労働者のリスキング、激甚化する災害対策、エネルギー問題(福島原発廃炉)、教育分野のレベルアップ、道路橋脚などインフラの改修)、これらをきちんと策を練るべきだろう。
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