現代史『平成30年』を振り返ってみよう!
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会社を経営していた自分にとっては、この平成の30年、かなり苦しい時代だったと思う。それ以前は、どの企業も基本は右肩あがり。とくに新しいことにチャレンジしていなくても、それなりの売上げと利益が出ていた。ところが、1990年代になると、そうもいかなくなった。
とくに平成5年におこなわれた実用新案法改正。これが自分の業界には響いたようだ。この改正は、表向きには小発明の保護だった。しかし実態は全くの逆。事実、出願数ピーク20万件あったものが、徐々に減りつづけ、改正から1年後には1万7千件。さらに10年後には1万件を割っている。
いま活況を呈している「100円ショップ」。私もよく利用させてもらっているが、これも規制緩和の「アダバナ」とも言える。小発明品といわれたものが、簡単に模倣され、市場に大量にながれた。その結果、これらの売上げに頼っていた業者は、対応しきれなくなったというわけだ。
*平成を経済から見ていくと…。
1990年3月にバブルつぶしが始まった。大蔵省(元財務省)が土地についての融資を抑制する「総量規制」にうごく。これにより、株価も暴落に転じてしまう。1989年12月29日日経平均株価3891 5円をピークに、1990年10月1日には2万円をしたまわった。
今まで高い株価につられ、買い物に明け暮れていた人々の「財布の紐」が途端にかたくなった。1992年に入るとすぐ、土地の価格も下がりはじめ、とどまることを知らないほど下落していく。まさに失われた30年が始まった。
*平成、政治の世界では…
平成が始まって4年後の1993年7月細川連立内閣が誕生する。リクルート事件で、評判を落とした自民党。1955年以来、自民党が第一党与党で社会党が第二党野党という図式「5 5年体制」が壊れた。
細川護熙内閣で、力を振ったのが小沢一郎。彼の意見により選挙制度が変わることになる。そう!小選挙区制の導入だ。しかし、この内閣も佐川急便問題で短命だった。だが、この制度はいまだに続けられ、政治の流れを全く別のものにしてしまう。
*平成、世界に目を向けると…。
・1989年6月中国、北京での「天安門事件」。民主化を求める市民や学生を人民軍が武力鎮圧。
・1989年12月ソビエトのゴルバチョフと、米国ブッシュ(父)のマルタ島会談により、東西冷戦が終結。
・1990年8月湾岸戦争が勃発。イラクのフセイン大統領がクウェートへ軍事侵攻。米軍をしたいとした多国籍軍により、イラクを撤収させる。
・2003年3月イラク戦争。イラクの大量破壊兵器保持を理由に、米軍がイラクへ軍事侵攻した。
*災害や事件…
・1995年1月阪神淡路大震災(マグニチュード7.3)。死者6400超、負傷者43,000超。
・1995年3月地下鉄サリン事件。カルト教団オウム真理教が、東京の地下鉄で猛毒サリンを開いた事件。死者13名、負傷者5800にのぼった。
・2011年3月東日本大震災(マグニチュード9)。死者16,000弱。福島第一原子力発電所にてメルトダウン発生。未だ処理できていない。
*平成、スポーツでは何があったか?
・1993年 日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」が発足。鹿島アントラーズ、浦和レッズなど10クラブではじまる。
・1998年2月長野オリンピック。日本は「金」5個を含め、10個のメダルを獲得。
・2002年5月〜6月 FIFAワールドカップ第17回大会。日韓共同開催。韓国が4位、日本は初のリーグ突破。
*日本経済のその後…
2008年、日経平均株価は6994円まで下落。労働者の平均賃金も下がり続けた。企業は利益を下げモノを売ろうとしたため、さらに賃金をさげる。このため、デフレ不況に陥った。2010年にはGDPも中国に抜かれてしまう。
2012年12月より安倍第2次内閣が発足。安倍首相がおこなったアベノミクス。大胆な金融政策で、市中の金融量がふえ、市場は円安基調となり、輸出は増えた。一方、つくり出そうとしたインフレは目標2%まで届かない。また、最重要政策の「成長戦略」はなんの成果もあげることはできなかった。
まとめ
平成という元号、字句とおりに読めば「タイラナリ」だ。しかし実際は、激動の30年だったと思う。かつてない事件や災害に見舞われた。しかも福島原発に至っては、未だ解決のめどは立っていない。
一方経済は、まさに「タイラナリ」である。欧米主要国のGDPが軒並み右肩上がりにくらべて、日本は横一直線だ。はっきり言えば、選挙制度に問題があるとみた。平成の頭で変えた選挙制度、「小選挙区制」。この制度になると、党首の意見に逆らうことができなくなる。違う意見をいえば、「公認」がもらえない。そこで、自分の選挙対策だけが政治の仕事となってしまった。いま起きているキックバック問題、まさにこの象徴である。
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