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[ 歴史 ]独裁者とは何者なのか?
#近現代史 #独裁者
#ヒトラー #スターリン
#毛沢東
絶対的な権力を握って、自分に不都合な人物たちをつぎつぎに排除していく。収容所への隔離ばかりではない。処刑によってその命までも奪っていくのだ。ほとんどの独裁者は、かならず似た行動をすると見てよい。驚くべきことは、20世紀前半に何人もの独裁者が現れたこと。とりわけ、ヒトラー、スターリン、毛沢東この3名はあまりにも有名。お互いに政敵排除について学んだとも言える。彼らにより亡くなったとされる人は1億人以上になるのではないか。とんでもない人物だった。
*時代は、繰り返すのか?
2024年現在、ロシアと中国では再び独裁にちかい政治体制となっている。ロシアでは一応選挙により大統領は選ばれる。だが裏では政敵にたいし様々な妨害工作が行われているようだ。マスコミへの弾圧もかなりあるという。このためプーチンはいまだに人気をたもっている。
一方の中国、習近平。こちらは共産党一党独裁の国家である。習近平も自分の側近をつぎつぎに政権に加え、政治を動かしているのだ。似ているのは、海外領土を拡張すること。とにかくチカラずくでも奪い取ろうとする。独裁者の思いとは、いつも同じだと言うことだろう。
*スターリン、共産主義者なのか?
これは明らかに「N O (否)」だ。ドイツにおいてヒトラーのナチ党が台頭してきたとき、ドイツ共産党も勢力を伸ばしていたが、スターリンは裏でヒトラーに支援していたと言う。不思議なのは、ソビエト政権内において、ほとんどの閣僚はヒトラーに疑問をもち、嫌っていたのだ。ただ一人、スターリンだけがヒトラーに肩入れをしていた。
スターリンにとって、ヒトラーは自分を映す鏡だったようにみえる。ヒトラーが首相となってまず排除したのが、自分の原動力ともなっていた突撃隊SA。1934年6月30日「長いナイフの日」、数百にいたSA隊員全員を処刑銃殺している。これを聞いたスターリンは感激したと言う!「素晴らしい」と…。
ヒトラーは1933年に首相となる。これを裏で支援したのがスターリンだとされるのだ。この首相への就任により、政敵である共産主義者(共産党員)、ユダヤ人、民主主義者を収容所に送り、隔離していく。このことでドイツ共産党は完全に壊滅となった。
*毛沢東を神として崇める!
海外留学の経験がない。ごく普通の家庭に生まれた毛沢東。中国共産党では目立たぬ存在だった。ただ文学的才能とその書は光っていたとされる。叩き上げで頭角をあらわした。戦後、国民党との内戦に勝利する中国共産党。この戦さで共産党が勝ちえたのは、小作農民に土地を与えたことによるためだ。
毛沢東は1949年10月1日、建国を宣言する。すぐに臨時憲法により、「人民民主主義国家」であるとした。その政権のポストの半分は、非共産党員だったのだ。ところがわずか3年、突如として社会主義国家の移行を宣言する。そして国家主席となった毛沢東、政敵を次々に排除。彼の考えた経済政策をおし進めていく。だが、それに失敗し、数年間で3千万人以上の餓死者を出してしまう。
あきらかに毛沢東の権威の失墜だったが、国防部長に据えた林彪によって助けられる。それが1964年に出版した「毛沢東語録」。これを大量に製本化し配布したのだ。この本が契機となり、青少年による暴動がおきる。いわゆる「文化大革命」だが、これにより2千万人以上の生命が奪われたという。
*独裁者の最後とは?
スターリンは、ヒトラーとは仲良くやっていくつもりだった。だが、ヒトラー、「我が闘争」のなかでソビエトを滅ぼすとしていたのだ。独ソ戦がヒトラーのつまずきだった。また米英戦についてもヒトラーが作戦に口出ししたのがマズかったとされる。大軍を動かしたことのないヒトラー、そもそも無理だったのだ。結局、ベルリンは陥落し、ヒトラーは服毒自殺をはかる。
スターリンは、自室の床に倒れそのまま亡くなったったとされる。自分もみる医師の言葉が気に食わないと処刑するような男だ。このため、スターリンはかなり長い時間、床に倒れたままだったと言う。衣類は失禁により濡れていた。
*まとめ
毛沢東、1972年にはALSに罹患していたとされる。1975年には白内障も悪化、さらにその秋にはCOPDから心臓病も引き起こした。かなり生活は不摂生だったと言う。さまざまな病気により、1976年9月9日に82歳で死去する。これにより、文化大革命で排除されていた人たちも復活することとなった。
さすがにプーチンも習近平も数千万人の国民を殺すことは無い。だが、海外への覇権をすすめており、これが隣国とのあいだでの争いの火種ともなり得るといえる。ロシア・ウクライナ戦争はまさにその一つ。日本人にとって、台湾有事は気になるところだ。