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映画『幸せの黄色いハンカチ (1977年)』この映画の良さと、時代背景について考えてみよう!

#幸せの黄色いハンカチ #山田洋次 #高倉健 #武田鉄矢 #日本アカデミー賞 #ネタバレ
山田洋次監督の映画、元ネタは米国コラムニスト『ピートハミル』の『ゴーイングホーム』だ。1971年に執筆され、『ニューヨークスケッチ』という書籍に掲載されている。

1973年に、歌にもなってヒットした。曲名は『古い樫の木の下に黄色いリボンを結んで』。このリボンを結ぶという行為は、当時のアメリカでは珍しいことではなかった。1950年から70年代。戦地に出た家族への待っているというメッセージとして、自宅の前の木にリボンを結びつけていたそうだ。

封切り後10年位して、この『幸せの黄色いハンカチ』をテレビで見たとき、自分の経験とあまりに似ているので驚かされる。

初めて買った車が、赤のマツダファミリア。しかも代金を帯付きの現金で支払った。車を買ってすぐに、友人3名と北海旅行をして、千歳〜網走〜札幌へ向かった。(ただ、この車ではないが…)  突然の車の故障も似ていた。旅の途中、斜里の駅前でクルマが動かなくなり、苦労した記憶がある。すぐ次の宿泊先に電話でキャンセル。修理工場をさがし依頼していると、客引きに宿を紹介され、一泊する羽目に…。

この映画のストーリーはヒット曲通りのもの。違いはリボンとハンカチ。そして、失恋した若い男女の出会い。2つの筋立てで、この映画の物語は進んでいく。

殺人罪で収監された男、高倉健。夕張の元炭鉱夫で、妻がいたが、離婚することを告げ、街を去った。そして、網走刑務所に入る。一方で、東京で失恋した若者、武田鉄矢。車を買ってフェリーで釧路へ…。そして自然と足は網走に向かう。ここで、桃井かおりと高倉健に出会うというもの。ここから、3人の珍道中が始まる。

この映画で、この3人の出演者の人生が変わることになる。
・高倉健は任侠(ヤクザ)映画が下火とてなり、次の道を探していた。
・武田鉄矢は、1曲ヒットしたが、その後は喰うに食えない状況だった。たまたま道で谷村新司と一緒になる。そのまま喫茶店で話し、谷村の事務所に入れてもらったばかりである。
・桃井かおりは、1975年ドラマ『前略おふくろ様』で人気が出始めていたが、ケダルく性に奔放なイメージから抜け出せないでいた。

映画で、一発逆転というほど、その後が変わったのだ。
・高倉健は、自身のイメージを一新。演技派俳優としての評価を高めた。この映画で、夫婦役となった倍賞千恵子とはこの後も、いくつもの映画で共演している。
・武田鉄矢は、この映画が俳優のスタート。『男はつらいよ)シリーズにも起用される。その後、映画『刑事物語』で、1982年から1986年まで合計5作に出演。人気俳優、タレントとなった。
・桃井かおりは、この2年後の1979年に『もう頬杖はつかない』で初主演となる。

[幸せの黄色いリボンの歌詞]
刑期を終えて、家路に向かうバスの中!身に染みてわかった!誰が自分のもので、何が自分のものじゃないか!手紙は届いたかな。頼み事は伝わっているか!もし君がまだ僕を必要としてくれたなら、古い樫の木に、黄色いリボンを結んでおいてくれ!無かったら、君のことを忘れるよ。(一部略)

[ネタバレ]
映画では、リボンではなくハンカチ。しかも、樫の木ではなく、鯉ノボリをあげるポールにロープをつけ、20〜30枚はくくりつけてあった。涙する主人公、高倉健の姿もらい泣きする武田鉄矢と桃井かおり。そして抱擁と口づけ。

[エピソード]
・高倉健は、自分の役にはまり込んでしまったという。武田哲矢のチャラチャラした態度(役の上での)に怒り、本気で殴りかかりそうになった。
・この映画で、武田鉄矢は自分の車ファミリアを使用。撮影が終わった頃にはボロボロになっていたという。修理代に、この映画のギャラを全てつかった。
・警官役で出ていた渥美清。高倉健との会話を楽しみにしていたが、無口な高倉とは話ができなかったそうだ。ただ、高倉の素晴らしい演技に驚かされたという。

[まとめ]
日本アカデミー賞7部門に輝いた作品。名作といっていいでしょう。

遠く離れた人を待つという気持ち。それは、どこの国でも同じだ。映画では高倉健と倍賞千恵子との馴れ初めがでてくる。突然の別れが来た時、それでも戻ってきてくれるだろうという期待。それが叶った時、心から涙が溢れてくる。見るたびに涙をさそう映画だ。

映画『幸せの黄色いハンカチ』のラストシーン。いくつものハンカチが、掲げてられている自宅にむかう、高倉健。妻の倍賞千恵子が待っていた…。

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