(かし丸くんver.) note版日本昔話『桃太郎』
むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでおりました。
お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていたら川上の方から大きなミカンが、
「ドンブラコ、ドンブラコ」
と、流れてくるではありませんか。
お婆さんはお爺さんと一緒に食べようと、その大きなミカンを家に持って帰りました。
持って帰ってきた大きなミカンをお爺さんは、さっそく包丁を持って切ろうとしました。
お爺さんがミカンを切ろうとした瞬間、なかから可愛らしい男の子が現れました。
可愛らしい男の子は、ミカンから生まれたので、
『かし丸』と名付けられました。
それから月日が流れ、たくましくなったかし丸は、お爺さんとお婆さんの為に鬼ヶ島にある宝物をとって来て2人を喜ばせようと思いました。
かし丸は、お婆さんが作ってくれた有明海で採れた海苔おにぎり🍙を持って鬼ヶ島に向かいました。
その道の途中、イヌが現れて、
『♪かし丸くん、かし丸くん、有明海で採れた海苔おにぎり一つ私に下さいな♪』
かし丸は、1つをイヌに海苔おにぎりをあげました。
『わん!わん!』
と、喜んでかし丸と一緒にお供する事にしました。
山を歩いていると今度はサルが出て来て、
『♪かし丸くん、かし丸くん、有明海で採れた海苔おにぎり一つ私に下さいな♪』
かし丸は、1つをサルに海苔おにぎりをあげました。
『キー!キー!』
と、喜んでかし丸と一緒にお供する事にしました。
海へ向かう途中に、今度はキジが出て来ては、
『♪かし丸くん、かし丸くん、有明海で採れた海苔おにぎり一つ私に下さいな♪』
かし丸は、1つをキジに海苔おにぎりをあげました。
『チュン!チュン!』
と、喜んでかし丸と一緒にお供する事にしました。
かし丸、イヌ、サル、キジは一緒に舟にのって鬼ヶ島へと行きました。
鬼ヶ島に着いたかし丸一行は、舟をおりるとオニが大きな金棒をかし丸たちに襲いました。
イヌは、するりと交わしてオニに口を開けて噛みつき
サルは、持ち前の身軽さでオニの顔を爪で引っかき
キジは、空高く飛んでオニの頭を嘴で突きました。
すると、『痛いよぉ』とオニは泣き出しました。
すると、かし丸が残りの海苔おにぎりをあげると、
『オー!オー!』
と、喜んで元気になりました。
『島にある宝物を全部あげるから、ワタシも一緒に仲間に入れてよ』
かし丸くんは、笑顔で頷きオニも連れてお爺さんとお婆さんが待っている家に帰る事にしました。
かし丸くんは、イヌ、サル、キジ、オニを連れて家に帰って来ました。
お爺さんとお婆さんは『おかえり、立派に大きくなったねぇ』と、笑顔で出迎えてくれました。
かし丸たちは、お爺さんとお婆さんとずっと仲良く一緒に暮らしましたとさ。
おしまい。