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役職は「任命」をしないでお伺いを立てている話
リゾームでは、今年の3月で創業以来はじめての定年者が出ました。
定年まで勤めあげてくれる人が出てきて感慨深いなあと思っています。
うちには、60歳定年、65歳まで再雇用の制度があります。
ありがたいことに、今回定年を迎えた2人はどちらも「リゾームでまだ働きたい」と再雇用を希望してくれました。
定年過ぎても続けて働きたいと言ってくれる人がいて、再雇用できる企業の力があるというのは、とっても嬉しいことですね!
一方で、大手では不遇なキャリアの終え方の話をよく耳にします。
一般的な大手のIT企業では、マネジメント力が必須とされています。
管理職にならないと、50を過ぎたら協力会社や子会社に出向になったり、60歳の定年後は再雇用してもらえなかったり。
早期退職を勧められたりすることなんかもあるそうです。
全員が「マネジメントができる」という同じ成長の仕方をできるわけじゃないのに、大手ではマネジメントがものすごく重視されるんです。
だから、大手だといい定年の迎え方を出来ない人が出てきてしまいます。
リゾームでは、マネジメントを行う役職者は、やりたい人にやってもらえたらいいと思っています。
やりたくないなら、やらなくていい。
それぞれが働きやすいように、楽しく働いてほしいという想いが強いんです。
今回は、この想いからできた「役職はお伺いを立てる」制度について書きたいと思います。
役職を「任命」しない
「役職に就かなければ評価されない」は、リゾームではありません。
役職を担ってくれる人を評価しないのではなく、役職につかない人も別の観点で評価しているのです。
人それぞれ、能力や考え方、やりたいことがちがうのは当たり前。
みんなが活躍できる場をつくりたいと思っています。
だからこそ、役職は任命していません。
こちらから、「あなたは今日から部長です!」などと役職を押し付ける「任命」ではなく、任期が始まる数か月前から、「やってくれない…?」とお伺いを立てるんです。
4月に組織変更だとすると、年末くらいから口説きます。
やりたくなかったらもちろん断れるし、そのための「お伺い」です。
過去にはちゃんと断ってくれた方もいます。
でも、中には「やってみたいけど自信がない」という人もいますよね。
そんな方には、お願いしたい理由と、「あなただからお願いしている」という理由を添えて、時間をかけてお願いしているんです。
自分から「やりたい!」と自己主張できる人じゃなくても、指名されたらやりたくなってくれる人が多いのではないでしょうか?
そんな人に「やります」と言えるチャンスをつくることができるので、
お伺いを立てるこの制度、私はけっこう気に入っています。
そして実は、役職の任期は1年です。
「やります」と一度答えても、やっぱり合わないなと思ったのなら、1年後に役職を降りることができるんです。
この1年という任期も、ごまかして自然に延長させるのではなく、1年経つ前に「継続のお伺い」をしています笑
1年で役職を降りてしまう人はほぼいないのですが、選択肢をつくり、自分で意思決定をしてもらうこと自体に意味があると思っています。
執行役員が挙手制?!
実は、やりたい人に役職をやってもらうというコンセプトは、最初に組織を創ったときからあります。
はじめてしっかりと組織を創ろうした2008年当時、代表である私に加えて役員が3人、残りの20~30人は一律でメンバーという構成でした。
私が役職に任命していくという方法もあったのでしょうが、「やりたい人にやってほしい」という想いが強かった私は、「執行役員やりたい人~?」と、挙手制にしたのです。
でも、今考えてみても、このやり方はよくないですね。
「やりたくないけど、このメンバーの中じゃ中堅だからやらなくちゃ…」と仕方なく手を挙げる人が出たり、「興味はあるけど、自分から手を挙げてやるほどでもないな」という人がたくさんいたと思います。
ただの挙手制にするのではいけないと、反省しました。
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だから今では、「やりたい人にやってもらう」というコンセプトは残しつつ、「お伺いを立てる」に落ち着いたのです。
これは、みんなが働きやすいと思ってもらえる環境をつくるため。
私自身がエンジニアとしてキャリアをスタートさせてきたからこそ、エンジニアには良い環境で働いてもらいたい、という想いを強く持っています。
他にも、エンジニアの環境づくりについてのnoteを書いているので、ぜひご覧ください!