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絵本探求講座 第2期、第5回講座を終えて

2023年2月4日(土)絵本探求講座 第2期(ミッキー絵本ゼミ)第5回講座の振り返りをします。(北海道・層雲峡にて)

Dr.Junko Yokotaの講演

「What You Read Matters:Picturebooks that Feed Young Minds and Souls」

〈Dr. Junko Yokota プロフィール〉
米国ナショナル・ルイス大学名誉教授。幼少期に渡米、小学校教諭や図書館司書としてキ ャリアを積む。また児童文学を対象とする、「国際アンデルセン賞」(*1)の選考委員⻑、 他「コルデコット賞」(*2)や「ニューベリー賞」(*3)の委員としての経歴も持つ。子ど も向けの電子書籍や多文化および国際文学、リテラシー教育などを中心に研究している。
*1 「児童文学のノーベル賞」と称される国際的な賞。作家・画家の人単位に贈られる賞。なお作家には 二年に一度贈られる。 *2 その年にアメリカで出版された絵本の中から最も優れた作品を描いた作家に毎年贈られる賞。 *3 その年にアメリカで出版された児童文学の中で最も優れた作品を描いた作家に毎年贈られる賞。

講演の中で、印象に残ったこと。

  • 私達の役割はコックと同じ。いい素材もコック次第。いい素材を活かす料理人として本を手渡す。

  • 絵本の仲介者は、ちゃんと解釈して手渡していかなければいけない。

  • 図書セラピーをする時、自分が理解している感情ではなく他者の気持ちが描かれた絵本を選ぶことが大切

  • 悲しみを知ることで優しさを知ることが出来る。文学を理解することで、人々の気持ちをより理解することが出来る。

  • 疑問を投げかけることが大切「この本を子ども達に選ぶ価値があるか?」

  • 読ませるべきではない絵本

  伝統的 ノスタルジア(郷愁)
  不適切な主題
  時代遅れな解釈

  • 絵本の中でよく使われるメタファー

  ・→自分を投影する。自己肯定感に結び付く。
  ・→自分を超えて他者の気持ちを読む。他者を見ることで反射された自分を見る。
  ・スライド式ガラスドア→出たり戻ったりできる。開閉可能。
 ドアの開閉を誘導するのは、仲介者である大人の大切な役割。

  • 選書の自己点検大事(マップにする…自分の視野が一目瞭然でわかる)

  • 1冊の本の危険性…数ある中のバランスは大切。

  • 文字なし絵本もダイバーシティでは大切。ビジュアルナラティブの効果

感想

国際的絵本の賞の選考委員長のご経歴をお持ちのJunko先生は、気品あふれる方でした。姿勢が良く、美しい発音で、優雅さや品格を感じました。いろいろな絵本を例に取り上げながら、わかりやすく、また幅の広い内容のお話でした。その中に私が大切にしていきたいメッセージが沢山ありました。私は児童養護施設へ定期的に贈る絵本の選書と郵送のお手伝いをしています。幼児から高校3年生まで在籍している施設で、選書には時間をかけています。Junko先生のお話は、選書の時に参考になることばかりでした。これまでの選書を振り返り、自己点検もできました。「1冊の本の危険性」のお話からも、バランスは大切子ども達に本を届ける仲介の役目は大きいと改めて感じました。限られた予算の中で、子ども達の心に残るいい絵本を届けられるよう、さらに学びを深めたいと思いました。

チーム1発表「ファーストペンギン物語」


発表内容(6人)
私達チーム1は、チーム名のファーストペンギンチームらしく、ペンギンづくしの発表をしました。前日には、わこちゃんと旭山動物園へ行き、ペンギンのお散歩をこの目で見て、発表ではこの時の動画も流しました。音楽は、ペンギンのピアノ曲。服装は、黒と白でペンギンカラーで揃えました。胸には、アイコンのバッジ、腰にペンギンのマスコット(旭山動物園で購入)をぶら下げ、気持ちを一つにしました。
 

旭山動物園にて
キングペンギンのお散歩

1.ぺんぎんたいそう

皆さんとペンギン体操しました。

『ペンギンたいそう』
作:齋藤槙 福音館書店 2016年

2.ファーストペンギンの命名について

ファーストペンギンとは、集団で行動するペンギンの群れの中から、点滴がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと

日本の人事部「ファーストペンギン」2016年2月29日掲載 

 私たちチーム1は 絵本探究ゼミにおいて、最初にチャレンジする果敢な  ペンギンをめざす同志!

3.ファーストペンギンのアイコンについて

そんちゃんがバッジにして、みんなにプレゼントしてくれました。

4.ペンギンクイズ!

5.ペンギンの科学絵本

『ペンギンの本』
作・絵:カー・ウータン博士 訳:カナヨ・スギヤマ 講談社 1997年
 
体色の理由、鳴き声でわかる親子・夫婦の絆、全18種の見分け方…内容たっぷりの科学絵本
『赤ちゃんペンギン』
写真:中村 庸夫 文:ぬくみ ちほ 講談社 1998年年

南極大陸にいるコウテイペンギンの赤ちゃんたちの写真絵本。
『ペンギンの体に、飛ぶしくみを見つけた!』
 作:山本 省三 絵:喜多村 武 監修:遠藤秀紀 くもん出版  2009年

解剖学者である遠藤さんの研究をわかりやすく描き、科学の「新しいことを知る」面白さを紹介

ペンギンの科学絵本を探せるだけ探して、その中からペンギンのことを楽しく学べ、感動体験できる3冊をピックアップしました。その中で学んだペンギンの生態、体の謎や進化のひみつ、過去の悲劇等を発表しました。ペンギンたちと海と人は繋がっていることに気づき、海の汚染問題についても考えさせられました。

6.ペンギンのファンタジー絵本

タンタンタンゴはパパふたり』
作:ジャスティン・リチャードソン ピーター・パーネル 絵:ヘンリー・コール
訳: 尾辻 かな子  前田 和男  ポット出版 2008年

動物園で暮らすロイとシロの雄ペンギンカップルは、他のペンギンが巣作りをすると真似をして石を温めます。それを見ていた飼育員が、他のカップルが育てられなかった卵をそっと二人の巣においてやります。そして、二人にしっかり温められた卵から、タンゴが生まれたのです。実話。※2022年、アメリカの公立学校や図書館で計1648冊の本が“禁書”となった。規制された本の多くはLGBTQや黒人差別などのテーマを扱っていて、この絵本も禁書に。とても残念なニュースを最近知る。https://news.yahoo.co.jp/articles/6c2836110b890accbc4c6f3e6d0071b6f8ba30e1
『ホッキョクグマと南極のペンギン』
文:ジーン・ウィリス 絵:ジャーヴィス 訳:青山 南 BL出版  2017年

ピクニックの日、道に迷ったペンギンのブラウンさん一家。気がついたら、北極に来ていました。ホッキョクグマのホワイトさんの案内で南極に戻ることになった一行のお話です。
『ペンギンかぞくのおひっこし』
作:刀根 里衣 小学館 2017年

84羽のペンギン家族は、地球が暖かくなり、氷のお家が溶けてしまったから、引っ越しをします。しかし、真っ黒い海や黒いけむりが広がる場所ばかり。そこで地球を離れることにしますが、 ふと振り返って地球を見た時、地球の美しさに気づきます。「地球を守るために僕達に出来ることがある」と地球に戻ることに決めました。84羽は、1997年の京都議定書に署名した84か国を象徴。

ペンギンのファンタジー絵本を探せるだけ探して、3冊をピックアップ。
小さな子どもたちにもわかりやすく、現実に起こっている深刻な問題もファンタジーで表現することによって、心の琴線に触れ、深いところに響くと感じました。

7.これからどういう世界へ飛び込んでいくか?

チームで学んだファーストペンギン・スピリットをいつまでも忘れない為に、各自が宣言しました。
私は、「図書館司書の資格をとります!学んだことを現場で活かしたいです。対面の読み聞かせをします!」と宣言しました。

まとめ

チーム1は、おかあさんのようなFAわこちゃん、トークが楽しいそんちゃん、PCスキル抜群で大学院生のゆりゆり、たくさん絵本を調べてくれた司書のひろちゃん、積立投資研究家で唯一の男性、ほっしーと私の6名。私達は、異年齢(わこちゃんとゆりゆりの年の差46歳)・異業種・地方色豊かなメンバーが集合。勉強会はとても楽しかったです。私にはない視点のメンバーの選書は、おもしろく、ブックトークも勉強になりました。ファーストペンギン精神で、意識統一出来ていて、FAのわこちゃんが「ペンギンはリーダーはいないのよ」と、言われていましたが、上手くまとめてくださいました。同志という関係で、何をするにも気持ちよく取り組め、発表に向けてよりチームがまとまっていったと思います。 チームビルディングの学びもできました。私が担当した科学絵本のテーマでは、ペンギンのただ知識を得るだけでなくその中に感動があり、好奇心、探求心が刺激される…知る楽しさが増す絵本がたくさんあることがわかりました。旭山動物園でお散歩を見た時は、童心に帰りました。ペンギン館で、絵本で学んだ知識を再確認でき、その上で、発表に臨めたことはよかったなと思います。

第2期ゼミを終えて

絵本の学びを実践で役立てることが増え、目標に近づくことが出来たと思います。言語化することは、難しいですが、いつも意識するようになりました。昨年2学期から、中学校特別支援学級の支援員をしていて、限られた時間の中で、絵本を読ませてもらえ、生徒との距離が縮まりました。
ミッキー先生の「この講座を受けて、あなたは成長したと思いますか?成長した場合、どのように変わりましたか?」という問いに対して、成長したと思います。最初にチャレンジする果敢なペンギンをめざす同志に刺激され、発表や課題に前向きに取り組むことが出来ました。次期FA宣言が出来たのは、この志があったからだと思います。
第1期ゼミの時、層雲峡へ行けなかったので、第2期の今回、行くことが出来、ミッキー先生、Junko先生、仲間と、リアルにお会いできましたこと、喜びはひとしおでした。また、氷瀑祭りや剣淵町絵本の館へも行くことが出来、層雲峡という場所にも魅力を感じました。とても充実した時間を過ごすことが出来ました。
ミッキー先生、チーム1の皆さん、ありがとうございました。


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