クリエイターが持つ「創造的ハルシネーション」:AIには真似できない価値創造の源泉
「ハルシネーション」という言葉から、あなたは何を連想するか? 今AIを触っている多くの人は、それを「避けるべきもの」として捉えていると思う。
しかし今日は、この「ハルシネーション」を、人間が持つ創造力の原点だ、という視点で話してみたい。
なぜハルシネーションに注目するのか
AIが進化を続ける現代において、「AIにはできない人間の能力」を理解することは極めて重要。その中で特に注目したいのが、クリエイターは「意図的にハルシネーションを起こせる」という事。
デザイナーである私も、学生の頃にブレイクスルーという概念を学んだが、これがまさにそうだ。
クリエイターが持つ特別な力
「創造的ハルシネーション」。これは単なる空想ではなく、意図的に引き起こす創造的な活動だ。
例えば、宮崎駿がトトロを生み出し、スティーブ・ジョブズがiPhoneを作ったように、まだ見ぬものを具現化する力。この能力は、AIには真似できない人間固有の才能だと思う。
AIと人間の決定的な違い
現代のAIは確かに優秀で、もちろん私も活用している。データを分析し、パターンを見出し、それらを組み合わせて新しいものを提案する。
しかし、それは既存データの再構成に過ぎない。
ハッキリ言って、物足りない。
では人間のクリエイターは?
知識だけでは無く、経験、感情、共感がある。だから新しい価値や概念を生み出せるし、そのための活動もできる。
この「0から1を創造する」ような事は、AIには真似できそうにない部分だと考えている。
創造的ハルシネーションを活性化させる方法をリストアップしてみた
・既存の制約を意図的に無視してみる
・異なる分野のコンセプトを結びつける
・「ありえない」を「まだない」に置き換える
・直感的なひらめきを大切にする
AIとの創造的な共創
AIは敵ではないし、むしろ強力な協力者になりうる。
創造的ハルシネーションで生まれたアイデアを、AIの力でさらに発展させることができる。データ分析、ビジュアライゼーション、プロトタイピング...AIは、クリエイターの創造性を増幅させるツールとして機能する。
ただし、最初のアイデアのきっかけや価値の創造は人間にしかできない。これを「創造的ハルシネーション」という言葉で締めさせていただく。