season3 27話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
27.『チャンピオンテスト・実技試験
~四天王・アオキ~』
久しぶりに四天王を半分倒したやつが現れた! アオキさんが出た! と盛り上がる部署内。
胸を撫で下ろすも、祈りながらキーボードを叩く周作。見守るハネすけ。
*
一方、次の四天王がアオキということに驚きを隠せないヨーコ。
「じゃ、後半戦もきばりやぁ」
「アオキのおじちゃん、とってもすごいですので!」
「あ、はい……」
コート外へ行くチリとポピー。回復したりポンさんのお面を変えたりして、アオキと向き合うヨーコ。
「あなたでしたか」
「はい、お願いします」
「どうも。面倒なことに、四天王も兼任なんです」
やれやれ、と言った感じのアオキ。
「はあ……」(た、大変じゃなぁ……)
「ジムでは自分と似ているノーマルタイプを使っていますが、ここでは違うタイプでやれ、とお上から言われてまして……。文句があればトップにお願いしますね」
「はあ」
うなずくしかないヨーコ。位置につく。
「──それでは業務開始です。よろしくお願いいたします」
厳しい顔つきになるアオキ。ヨーコも気を引き締める。
「はい、お願いします」
アオキ、カバンを置き、ネクタイをしめトロピウス出す!
「この度はひこうタイプでお世話になりますね」
「なるほど、こちらもお願いします!」
ヨーコ、まんじゅう出す!
トロピウス、にほんばれ! ヤバさを感じまんじゅうどくづき。効果抜群だが倒れない。
天気のおかげでタメのいらないソーラービームくらってふっとばされかけるも、耐えてどくづきで倒す。
2体目、チルタリス対ゴンさん。かえんほうしゃ。威力あがってるが幸いそこまでじゃない。はらだいこで攻撃最大まであげ準備。こんどは冷凍ビーム。寒さに耐えてのしかかり。ワンパン。
3体目、ムクホーク対ポンさん礎の面バージョン。インファイトをくさむすびで防ぎ、いわタイプのツタこんぼうでワンパン。
4体目、オドリドリパチパチスタイル対ポンさん続投。ふりかぶるもフラフラダンスで混乱させられ、こごえるかぜで動きを鈍らせられる。だんだん埋もれていくが、冷たさで混乱が解けて雪の中から飛び出しこちらも急所あてワンパン。
「右肩上がりの強さです。これは、楽できませんか……」
顎に手をあて感心するアオキ。
*
5体目、カラミンゴ対ぴっかりさん。
「どんどろ轟け、ぴっかりさん!」
テラスタルするぴっかりさん。
「髪が乱れますが、風向きをかえましょう」
テラスタルするアオキ。
「先輩風を吹かせましょうか。少しばかりご注意を」
カラミンゴ、ブレイブバードで突っ込んでくる!
高く飛び上がりかわすぴっかりさん。カラミンゴ、アクアブレイクで突っ込んでじこくづき! しかしアイアンテールでギリギリ防ぐぴっかりさん!
しばらく打ち合い、カラミンゴ、インファイトの姿勢! ぴっかりさんの鍛え上げたかみなりパンチとぶつかり合う!
競り勝ってワンパン!
「やった! さすが相棒!」
「ピッカチュウ!」
当然! と胸を張るぴっかりさん。
「──飛ぶとりポケモンを落とす勢いです」
ため息をつくアオキ。今朝の周作との会話を思い出す。
──『倒すかもしれませんが』
『甘くみんといてつかあさい。わしらの子じゃあ』
「──見違えました。トップが気に入るわけです」
カバンを手に褒めるアオキ。
「ありがとうございます」
ぺこり、と頭を下げるヨーコ。
「さすが! 快進撃やな!」
「おじちゃんにかつなんてすごすぎです!」
褒めてくれるふたり。
「いやいやどうもどうも」
「えーと……、次は最後の四天王です。」
(──ハッサク先生じゃ!)
ぴしっ、と背筋を伸ばすヨーコ。アオキ、振り向き、
「……ハッサクさん、どうぞ」
声がいまいち小さい。扉開かず。
「来ませんね」
駆け寄ってくるチリとポピー。
「……あの、聞こえてへんとちゃいます?」
ツッコむチリ。アオキ、扉に近づき、
「……ハッサクさん、どうぞ」
しーん。やっぱり扉開かず。
「アオキさん、もうちょい声……、声出さんと……」
眉をひそめるチリ。顔を引き締め呼ぶアオキ。
「……ハッサクさん」
相変わらず小さい。チリ、あちゃーと手を顔にあて息を吸い、
「……ハッサクさーん!! 出番やでー!!」
扉が開き、ついにハッサク登場。
「ヨーコくん、よくいらっしゃいましたですよ」
「よろしゅうお願いします、ハッサク先生」
頭を下げるヨーコ。
「こちらこそ」
ハッサク、アオキを見て、
「アオキは……、またチリに呼ばせましたね」
黙って目そらしのアオキ。
「さて、最後の四天王はハッサクさん。どう攻略するか見物(けんぶつ)やな」
「たのしみでーす!」
「……ハッサクさんの説教、長いんですよね」
コート外へ行く3人。ヨーコ、回復させポンさんのお面変え、ハッサクに向き直る。