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season5 9話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

9.『再戦、超マジック・マキアージュ』


 翌日、夏服に着替えてベイクタウンへ。ミライドン走らせ滑空したりがけのぼりで山を越えてベイクタウンに到着。カフェでレモネード飲んでジムに入る。

「おはようございまーす」
「あら……? ヨーコちゃんおひさー」

 リップすぐに気付く。

「この前会ったときより、さらに美しさに磨きがかかってる」
「いやいや、リップさんもです」

 リップ笑いながら、

「どこでそんなおべっかおぼえたの? 大人の階段……、のぼっちゃった? それともすみちゃんに教わったのかしら?」
「お、おべっかじゃのうてです……!」

 慌てるヨーコ。クスクス笑うリップ。

「んふ! 素直な子って素敵。いつまでもそのままでいてね」
「あ、ほうじゃ。うち、トップの名代でジム視察に来まして」
「へぇ……、ヨーコちゃん、オモダカちゃんの代理なんだ?」

 リップ、人差し指を顔に当て、

「正直あの人、ちょっと苦手なの。艶やかオーラでキャラかぶるし……」
「ああ、確かに……」

 オモダカを思いだしうなずくヨーコ。

「だから、代理の方がかえってよかったかも。ヨーコちゃんとなら、リップのびのびと実力出せちゃう」
「え、あ、ありがとうございます……?」
「じゃあさっそくリップと究極の美、追求しちゃう?」
「あ、はいお願いします!」
「んふっ、決まりね。バトルコートにインしましょ。すみちゃんもきっとクリビツね」
「え、すみお姉……、叔母も来とるんですか?」
「ええ。ヨーコちゃんとの勝負以来、リップのジム勝負を記録してくれてるの。コスメのアイデアになるかもってね」

 ということでバトルコートへ。

「ありゃ、ヨーコちゃん!?」

 バトルコート外のすみびっくり。

「おはよう、すみお姉ちゃん」
「チャンピオンのお祝い以来じゃねぇ!」
「えへへ、じゃけえ、トップの名代でリップさんと勝負するん」
「またまたお世話になるわね、すみちゃん」

 優しく笑いかけるリップ。

「ほうかねほうかね! ほいじゃ張り切って記録させてもらいますけえね!」

 すみ、ウキウキとバトルコートの外でスマホロトム出す。町の人達も周りで歓声を上げている。

「本番前の胸の高鳴り……、体中の細胞が浮足立ってる」

 周りを見て静かに笑うリップ。

「相手がヨーコちゃんみたいなゴイスーな人ならなおさらね」
「き、恐縮です!」

 ヨーコ、ぴしりと背を伸ばす。リップ微笑みながら位置につくべく歩く。

「リップね、うれしいの。自分が関わった才能が目覚めて羽ばたいてくれて。ほかの人ががんばってるの見たら、自分も泣かないでがんばれる」

 位置につき、くるりと振り向く。

「リップの辞書に哀しみはない。あっていいのは、驚きの美しさだけ……。本当の喜怒驚楽エクササイズ、ヨーコちゃんに教えてあげる!」

 ヨーコ、静かに構える。勝負開始!
 1体目、リキキリン対ゴンさん!

「リップの美の秘訣、ハードコースで体験入学ね」
「はい、参ります!」

 リキキリン、さっそくしねんのずつき! ゴンさんそのまま受け止め、かみくだくで急所あてワンパン!
 2体目、エルレイド対ゴンさん。エルレイド、さっそくインファイト! ピンチのゴンさん。耐えてヘビーボンバー! 急所あてワンパン!
 3体目、ヒナじろう対サーナイト。ドリルくちばしくらわすが、マジカルシャイン急所にあてられる。マジカルシャインの応酬になるが、ヒナじろうふらふらに。ここでポンさんに交代。サイコキネシスくらうがツタこんぼうでとどめ!



 4体目、クエスパトラ対ポンさん。念のためローキックで素早さをさげるが、サイコキネシスくらう。しかしツタこんぼうでとどめ。

「この展開はクリビツね。明日のお肌に影響あるわ」

 5体目、フラージェス対わっぷるさん。

「えっとそばえて、わっぷるさん!」

 わっぷるさんテラスタル!

「フラージェスちゃん、ターンオーバー! 新しいあなたに生まれ変わって!」

 フラージェスもテラスタル!
 わっぷるさん、アイススピナーで肉薄! 急所に当てる!

「まずは美しく! 美しければ強さはあとからついてくるのよ」

 フラージェス、ムーンフォース!

「なるほど名言です! それなら!」

 その光にまぎれて、わっぷるさんアクアステップ! きらきら輝く雫! とどめ! 倒れるフラージェス。

「よしっ!」
「驚きのビフォーアフターね」

 リップ、少し残念そうに、でも投げキッスで褒め称える。

「さすがね。美しさも強さもじゅうぶん完パケしてる……!」

 ヨーコに歩みより、何か思うところあるのか、

「……リップの業界はね、半端な才能の持ち主は、だいたいすぐに消えてっちゃう。壁にぶち当たって挫折して、自棄になって堕落して、普通の人よりも不幸になっちゃうの」

 リップ、目を閉じため息まじりに、

「──それなら、最初から才能なんてちょっともなければよかったのにね」

 ヨーコ、何も言えない。そんなヨーコに、リップ優しく、

「……ヨーコちゃんは消えないで、自分の才能を究極まで突きつめて。リップとの約束、がんばって守ってね」
「──はい!」

 静かに力強くうなずくヨーコ。外ですみも微笑む。リップ、満足げに、

「それじゃ、お疲れ様でーす」
「ありがとうございました!」

 一礼し、見送るヨーコ。

「ほいじゃね、ヨーコちゃん」
「うん、すみお姉ちゃんもお疲れ様」

 すみも去っていく。

(初仕事、完了……!)

 ヨーコ、心の中で静かにガッツポーズ。

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