season7 4話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
『「マイナス」から「ゼロ」へ』
4.『きらめきのゼロ』
※1時間スペシャルのイメージ
ぴっかりさん、さっそくいかづちおろし! だがタイプ相性も歪められているため、案の定あまり効いてない。
「ダメージを軽減するバリアか……!?」
驚くブライア。
「テラスタルが有効かもしれないよ!」
「そうしたいとこです、が!」
ヨーコ叫ぶ。と、テラパゴス、だいちのちから! ぴっかりさん効果抜群で倒れかける! だがギリギリで持ちこたえる。
ヤバソチャ、しゃかしゃかほうをぶっぱなし、ヨーコはその隙にぴっかりさんを休ませるべくちっちらさんと交代。
ヤバソチャ、いかりのこなで注意をむける。テラパゴス、だいちのちからをくらわすも相性により効果今一つ。と、テラパゴス、ステラクラスターで攻撃! 光線がふりそそぐ!
ヤバソチャ、いのちのしずくでお互いを回復。ちっちらさんハイパーボイス!
テラパゴス、しねんのずつきをヤバソチャにくらわす。ヤバソチャ、お返しにしゃかしゃかほう!
「今だ君たち! テラスタルで反撃だ!」
「お願いちっちらさん!」
ヨーコ、すかさずちっちらさんをテラスタル!
ちっちらさんハイパーボイス! しかしシールドくずれない!
テラパゴス、テラクラスター! ちっちらさんに効果抜群でピンチ&ヤバソチャ倒れる。
「ヤバソチャ、やられちゃった……」
ゼイユ呆然&怒る。
「何これ……、強すぎなのよ!」
ちっちらさん、ハイパーボイス! 体勢をくずした……と思いきや、テラスタルのエネルギーが吸収されてしまう!
「ちっちらさん!」
「テラスタルエネルギーを吸収した!?」
ブライアも驚愕。
テラパゴス、テラスタルシールドを再び展開!
その力でタイプを変化させる。
「あれほどのバリアをまた!? エネルギーを吸収し再展開したのか?」
「神様みたあなことやりんさるね……」
休ませるべくちっちらさんを戻しながら、思わず生唾を飲むヨーコ。
「スグ! あんたも戦いなさい! ヨーコだけがんばってるじゃん!」
ゼイユ、スグリを叱咤するも、
「む、無理だ……! 俺なんて……、で、できっこない……!」
怖じ気づくスグリ。
一方のヨーコはそれどころじゃないので、回復したわっぷるさんを投入。
テラパゴス、しねんのずつき! わっぷるさん効果抜群。だが倒れず。わっぷるさんお返しにアクアステップ急所に当てる。またまたしねんのずつきをかましてくるが、かわしてアクアステップ。だが、それを跳ね返したしねんのずつきによりわっぷるさん倒れる。
「わっぷるさん! まだテラスタル前なんに……!」
と、ちっちらさんのボールがかたかた揺れる。
時間稼ぎに自分を使ってくれ、という感じ。
「ごめん、ちっちらさん」
ちっちらさん、荒い息ながらも出る!
「今だヨーコくん! ふたたびテラスタルでかがやけるよ!」
ブライアの言葉にヨーコ、覚悟を決めテラスタル! ハイパーボイスを放つがシールド壊れず。しねんのずつきで倒れる。
ヨーコ歯をくいしばり、
「ポンさん!」
ポンさん出す。もちろん碧の仮面。
「待ってました、オーガポン!」
ゼイユ大喜び。
「鬼さま……」
スグリ呆然。
登場後さっそくツタこんぼう! テラパゴス、しねんのずつきをくらわすが、ポンさん華麗によける。再びツタこんぼう! だがしねんのずつきをかまされる。
と、テラスタルできるようになったのですかさずテラスタル!
「面影宿して、ポンさん!」
強力なツタこんぼう! シールド壊れる!
が、またしてもテラスタルのエネルギーを取られてしまう。
「どうなっとんじゃありゃ……」
ヨーコ慄然。そんな中でも冷静に観察するブライア。
「またもやエネルギーを吸収した!? そう何度も可能とは思えないが……」
「スグ! ヨーコ達が大変!」
呼びかけるゼイユ。
「ねえ! あんたも! がんばんなきゃ!!」
「で、でも……、ダメだ……。お、俺は……、おれなんか……」
肩を落とし、うつむくスグリ。しかし言い終わらないうちに、ヨーコ叫ぶ!
「スグリさん!」
スグリ、ヨーコを見る。
「スグリさん、うちは……、うちは、本当の両親を亡くしとるんよ」
スグリ、思わず息を飲む。
ヨーコ、スグリを見ていないが、ひたすらにまっすぐな声。
「ふたりとも死んで、うちだけ生き延びて。そのショックでポケモンに触れんようなった。育ての両親が、相棒が、この世界の片隅にうちを見つけてくれんかったら、ひとりぼっちのままだったら、ポケモンに触れんままだったら……。そう思うたら、今でも怖い」
緊急事態だが、みんな黙って聞いている。
「それに……、うちはうちを見つけてくれた家族が、相棒達が、親友達がおらんかったら、戦うどころか、強う優しゅうしぶとうなれんかった。
うちはひとりじゃ戦えん。強う優しうしぶとうなれん。もうおらん人の代わりに、世界を見ることだって出来ん。
──じゃけえ、スグリさん、──一緒に、どうか、戦ってつかあさい!」
スグリうつむく。拳をにぎり、目を閉じる。
今までの回想。自分が本当にほしかったのは。
そして──曇りのない瞳で前を見据える。
振り向きうなずくヨーコ。嬉しい。
スグリ、ボールを握りしめ、決意の咆哮!
ヨーコと並び立ち、カミツオロチを繰り出す!!
と、テラパゴスシールド展開&タイプ変わる!
「ヨーコ!」
静かに力強く呼びかけるスグリ。
「お……、俺も……、──戦う!!」
「──うん!」
「ぽに! がお!」
ポンさんもうなずく。スグリ、思わず笑う。
「もう……、本当! 遅いのよ!」
呆れながらも、ゼイユ嬉しそう。
「あんたたちで全部、なんとかしなさい!」
「やろうポンさん、ローキック!」
ポンさんローキック! テラパゴス、テラクラスター。光線がふりそそぐも、カミツオロチ怯まずみずあめボム! あめまみれになっている隙にドラゴンエール! ポンさんはりきる!
「おー! がおー!」
「ありがとうスグリさん」
スグリ、きょとん。が、すぐに、
「来る!」
テラパゴス、テラクラスター! ポンさん、はたきおとす、カミツオロチ、ボディプレスで畳み掛ける!
だが、またしてもテラパゴス、テラクラスター。しかしこちらのテラスタルのエネルギーは溜まった!
「またまた面影、宿して、ポンさん!」
ヨーコ、ポンさんをテラスタル!
「応援してもらった鬼さんの力、くらえ!」
ポンさんさっそくツタこんぼう! 効果抜群&急所あてる!
さすがのテラパゴスもかなり効いた。シールドが壊れ体勢を崩すテラパゴス。またしてもシールドを生成しようとするが、上手くいかず消滅。
「エネルギーの吸収やバリア再展開は不可能のようだね! 好機だよ!」
「あたしが許可するわ! やっちゃえあんたたちー!」
ふたりの激励に、ヨーコとスグリ、うなずき合う。
テラパゴスがまた動こうとしたのを、
「カミツオロチ、あみまみれさしちまえ!」
スグリ、カミツオロチにみずあめボムで止めさせる!
「ヨーコ、鬼さま!」
うなずくヨーコ&ポンさん。
「最後のツタこんぼうじゃ!」
「ぽーにーおー!!」
ポンさん、思い切り振り下ろす!!
効果抜群&急所あてのダブルコンボで、ついに倒れ、元の姿に戻るテラパゴス。
「今ならボールに入るかも……!!」
スグリのつぶやきに、ヨーコ、
「スグリさん、今度こそ……」
「いや」
スグリ、首を横に振る。
「俺じゃない……。ヨーコが捕まえて!」
ヨーコ、静かにうなずき、モンスターボールを取り出す。
「ヨーコにならまかせられる……。けっぱれ!」
「うん!」
ヨーコ、しっかりうなずきモンスターボールを投げる!
テラパゴス、モンスターボールに吸い込まれ入る。
そして少しの間があって、──カチリ。
テラパゴス、ゲット。
*
ヨーコ、安堵のため息をついてボールを拾う。
「終わ……、ったの?」
ゼイユが来た。
「うん」
静かにうなずくヨーコ。と、
「皆、無事かい!?」
ブライアもやってきた。
「大丈夫です!」
「な、なんとか……」
「ピカピカ!」
回復したらしいぴっかりさん出てくる。
「それは、よかった……。本当に……!」
ブライア、胸を撫で下ろし、申し訳なさげに、
「私のせいで、皆を危険な目にあわせてしまったね。本当に……、申し訳なく思うよ」
「それは本当にそう!!」
ゼイユ思い切りツッコむ。
「先生テラスタルバカなんだから、もっと大人として自覚しなさい!」
「ほうですよ全く」
「ピカピカ」
ヨーコとぴっかりさんもうんうんとうなずく。
「返す言葉もないよ……」
ブライアしょんもり。
「俺も……、よくなかった」
スグリもうつむく。
「スグリさん」
「ずっと……、ヨーコにあこがれてて……、ずっとずっと……、ヨーコみたいになりたくて……、……あせってたんだ」
スグリ、ため息まじりに肩を落とす。
「でも、やっぱり……、俺には……、無理だぁ。
──やっと……、やっと、あきらめられる」
諦感と安堵のため息。
「そんなことない」
ヨーコ、きっぱり。
「かっこよかった。ありがとう」
スグリ、少しだけ顔を上げ、
「そんな……、こと……」
涙がこぼれる。そして──
「うわああああああああん!!」
声を上げて泣く。産声のよう。
「ったく! 本当に、──バカな……、弟なんだから……」
ゼイユも涙がポロポロ。
「やっと……、──素直になれたじゃん」
耐えきれず、ゼイユも号泣。
「うわああああああああん!!」
「ふたりとも……」
「さぞや、怖かっただろうに……」
ブライア、姉弟の肩に手を置く。
「それでも皆……、かがやいていたね」
ヨーコとぴっかりさん、顔を見合せほっと一息。
「さて、最終的にヨーコくんがテラパゴスを捕まえたことだし……、エリアゼロ調査は終了だ! ブルーベリー学園に戻るとしよう!」
「わあああん、わあん……!!」
泣きながらもうなずく姉弟。
「あ、その前に!」
「「え?」」
「うん?」
ヨーコの言葉に姉弟、涙引っ込む。ブライアきょとん。
「──ブライア先生そこになおりんさい!!」
かみなりを落とすヨーコ。思わず正座するブライア。キタカミ姉弟も背筋びくり! ぴっかりさん、あちゃーの仕草。
そしてヨーコ、径子譲りのくどくど説教。縮こまってひたすら聞くブライア。ゼイユとスグリは手を握り合いgkbr状態で見守る。ぴっかりさん(汗)。
2時間後……。
「今回のことはスグリさんの名誉と先生の研究のためにトップたちには秘密にしときますけえ、今後気をつけてください!! ええですね!?」
「はい……」
干からびブライア。姉弟ひそひそ。
「ヨーコはマジに怒らせない方がいいわね」
「うん。わやじゃ……」
*
明け方、ブルベリに帰ってきたヨーコ達。
「やっと帰ってこれたわー」
うーんと伸びをするゼイユ。
「オモダカさんに連絡……。いや出版社が先か!?」
考え込むブライアに、ヨーコとぴっかりさん、
「ひとまずトップに連絡ですよ、先生」
「ピカチュウ」
「あ、ああそうだね」ビクッ(汗)
と、
「ヨーコ!」
スグリ、声をかけてくる。振り向くヨーコとぴっかりさん。
「俺、リーグ部のみんなとか、迷惑かけた人にちゃんと……、謝りたい。──ヨーコにも……」
小さく、でもしっかり頭を下げるスグリ。
「……ごめん!!」
「いや、そんな……」
目をしばたたくヨーコ。
スグリすぐに、まだ戸惑いがちに、
「だから……、ええっと……、また……、その……」
ヨーコ、黙って聞いている。優しい表情。
「やりなおしたくて……」
しっかりヨーコを見るスグリ。背後、朝日が上っていく。
「──ゼロから、また、俺と……」
朝日の中、告げるスグリ。
「友達に……、なってくれる?」
「──うん!」
しっかりうなずくヨーコ。ぴっかりさんも黙って笑っている。謝ったんならしょうがないわね、的な顔。
「おーい」
ゼイユが呼び掛ける。
「あんたたち、置いてくよ」
その顔は優しい。
うなずきあい、走り出すヨーコとスグリ。ぴっかりさんも笑顔になった。
*
(エンディングはもちろん、あの曲のリミックスバージョン)
エンドロール。レポート作成の傍ら、3日かけてあちこち謝罪行脚した後、疲労で倒れたスグリは体と心を休めるべく休学。ゼイユと共に出稼ぎに出てる両親のところに行くとのこと。
再会を約束し、ヨーコとぴっかりさんは四天王と共に姉弟を見送るのだった。
そして最後、ヨーコの部屋には、あの2枚の写真が……。