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season3 11話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
11.『マジックマキアージュ・エクササイズ 後編』
天文台のバトルコートに到着。すると、すみが。
「ヨーコちゃん!」
「すみお姉ちゃん!」
「仕事終わったけ、リップさんに薦められて見学させてもらうことになったんよ」
「えへへ、きばる」
と、ふたりの後ろから、
「そうね……、わかった。こっちで進めておくわ」
振り向くと、何やら電話をかけながらやってくる女性が。後ろには2匹のチャーレムが付き従っている。
「すみお姉ちゃん、あん人が……」
「うん。リップさんじゃ」
見送るふたり。その間にも電話をかけてるリップ。
「キャッチコピーはわかりやすく、『ナチュラルに美しさを』。アイシャドーの新色も発注シクヨロね」
「ほいじゃ、きばってきんしゃい」
「うん。ありがとう」
「……いつもありがと。それでは、失礼しまーす」
リップ、電話を切って向き直る。
「おはようございまーす。ジムリーダーのリップよ。メイクアップアーティストが本業なんだけどね」
「北條陽子です。よろしくお願いします」
「すみちゃんからよくお話聞くし、キハダちゃんも褒めてたわ。あなたとってもゴイスーだって」
艶やかに笑うリップ。ヨーコ思わず照れる。
「いや、それほどでも……」
「んふふ……、かわいい挑戦者さんだこと。リッププロデュースのエクササイズで、さらに美しくなれて嬉しいでしょ? ポケモンの体もちゃあんと綺麗にしてるし、……ナイス美意識ね。人間もポケモンも、身だしなみは大事だもん」
リップ、すっ、と目を細めて、
「誰でも変われるマジック。……それがお化粧。……それがメイク。
リップの技(メイク)でポケモンちゃん、もーっと美しくしてあげる!!」
勝負開始! リキキリン登場!
「お願いぴっかりさん!」
先発ぴっかりさん!
「ピーカチュー!」
不敵に笑うリップ。
「あなた、とってもいい素材。どんな魔法をかけようかしら?」
ぴっかりさん、さっそくかみなりパンチ!
リキキリン、リフレクターでダメージ半減。
「それなら!」
ぴっかりさんエレキボール! しかし固い!
リキキリンのしねんのずつきをかわし、
「物理に強くなった言うても特防ほどじゃないか……。ぴっかりさん、かみなりパンチ!」
リフレクター付きのしねんのずつきとぶつかるも、リフレクターを砕いて見事仕留める。
次、サーナイト。ぴっかりさん続投。
マジカルシャインで目潰しをくらいかけるが、接近しアイアンテールで効果抜群&急所当てでワンパン!
「お見事!」
クエスパトラでる。かみなりパンチくらわすも倒れず、サイコキネシスで削られ特防下げられる。
「ちょっとまずい……。戻ってぴっかりさん」
ぴっかりさん戻し、
「まかせたヒナじろう!」
ヒナじろう登場。ルミナコリジョンくらい特防がっくりさげられシャドーボールをくらってボロボロになるも、こちらもお返しにルミナコリジョン&マジカルシャイン。仕留める。
最後、フラージェス。色々固いゴンさん登場。
「あなたってトイシブなのね。ちゃあんとクレンジングしなくっちゃ」
「ふふ……、最高の褒め言葉じゃ」
思わず笑うヨーコ。
「フラージェスちゃん、お色直しよ! 新しい自分に生まれ代わって!」
フラージェス、テラスタル!
「ええがに決めるで、ゴンさん!」
(いい具合に決める、の意味)
ゴンさんテラスタル!
ムーンフォースをくらい、特攻下がるも倒れずそのままのしかかり。まひ状態に! が、
「リップのマジック・マキアージュ、毛穴の奥まで染みこませてあげる」
強化されたサイコキネシスをくらってフラフラ。でも持ちこたえるゴンさん。
「ゴンさん、ヘビーボンバー!」
サイコキネシスを出そうとするも、動けなくなったところにとどめ! 勝利!
リップ、かつてのすみの話を思いだし、フッ、と笑って投げキッスつきで褒めてくれる。
「──あなたの強さは、解けないマジック」
「ゴンさん、やったね!」
「ゴン!」
ゴンさんガッツポーズ。
「ヨーコちゃんすごかったで!」
「すみお姉ちゃんありがとう!」
ハグし合うふたり。やってくるリップ。
「勝負に負けて、美しさでも引き分けだなんて……。あなた、イイ……! すっごく、うん、最高……! いずれビッグになる前にリップが囲っちゃおっかな?」
「だって、ヨーコちゃん」
「え」
一瞬ヨーコ戸惑うが、リップ頭を振り、
「……でも、今はリップ、自分磨きをやり直さなくっちゃ」
それでも嬉しそうに笑い、
「ヨーコちゃん、おめでと。すみちゃんとキハダちゃんが言うだけあるわ。ううん、それ以上ね。ご褒美のジムバッジ、とっておきのポーズであげちゃうわ」
すみに写真撮ってもらう。
バトルコートから離れて、
「ありがとすみちゃん」
「すみお姉ちゃんありがとう」
「いいえー、どういたしまして」
「体幹を鍛えれば、この技もバッチグーで使いこなせるから」
サイコキネシスのわざマもらう。
「ありがとうございます!」
「良かったね」
「うん!」
「あ、リップとのツーショット、SNSに上げちゃダメダメよ」
「肖像権とかもろもろ大変なことになるけえね」
「はい」
「……汗とかいろんなもので、お化粧ちょっと落ちちゃった。なるはやでメイク直さなくっちゃケツカッチンね。じゃ、ふたりともお疲れ様でーす」
「お疲れ様です」
「ありがとうございました!」
「じゃ、ヨーコちゃん、お母さん達によろしゅうね」
「うん! ほいじゃーねー」
すみと別れ、ジムに勝利の報告。すると、
「あ」
「ん?」
チリと小さな女の子が。
「チリさん!」
「まいど! チリちゃんやで! なんやジムめぐり、調子ええみたいやん」
「いやあ、相棒達が頑張ってくれてますけえ」
と、女の子が、
「チリちゃん! チリちゃん!」
「ん? ……あぁ、きみら初対面か」
チリ、ヨーコの隣に来て、
「このお姉ちゃんはヨーコ! 決まりごとあれこれやるとこの北條さんの娘さんで、トップも認めてるくらい、ポケモン強いんやで~」
「あーら、あらあら……! ポ、ポピーのポケモンもとてもつよいとおもいますけど……」
感心しつつ、強がる女の子。
「どっちが強いんやろなぁ……?」
意味深な笑いを浮かべるチリ。
「改めまして、北條陽子です。あなたは?」
「えーと、えーと! ポピーです! してんのうだから、ポピーのほうがすごいのです……!」
自己紹介しつつ対抗するポピー。
「アッハッハ! かーわいい!」
かか笑いするチリ。
「この子、ちっこいけど四天王なんやで」
「すごい! 強いんじゃね!」
素直に感心するヨーコ。
「そーなんですの! ポピーのポケモン、おねーちゃんにはやくみせたいです!」
ウキウキなポピー。ヨーコも、
「うん! うちも相棒達見せたい!」
「まあ……!」
ポピー嬉しげに頬に手を当て、それから手を振りながら、
「それなら、ポケモンリーグというさいこーほーのばしょで、いまかいまかとまっておりますのでー!」
なんだか嬉しそうに駆け出すポピー。
「あ、ちょ待ちぃ!」
チリ、ポピーを止めつつヨーコに振り向き、
「ポピーのためにもがんばったってな」
急いで駆け出す。
「こらポピー! チリちゃん置いてくなー!」
「こまくても強い人もおりんさる。
……世界って、広いなねえ」
ぽつりつぶやくヨーコ。夜は更けていく。