season10 34話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
34.『学問のすすめ!』
タイム先生がバトル学関係以外の授業のことでシアノに直談判したいとのこと。なぜかレホール先生も巻き込まれる(まあ遺跡探索のついでということで)。※セイジ先生は用事あって来れず。
最初に到着したのはレホール先生。なにやらお疲れのご様子。
「あ、ああ、ヨーコ……、貴様か……」
「ありゃ、先生どうしたんですか? 元気なさそうですけど……」
「見てわからないか? 満ち足りすぎて疲弊している」
キッ! なレホール先生。お目々はキラキラ。
「昨日ネオラントを泳がせてイッシュの海底遺跡に行ったのだが……」
レホール先生、目を閉じじーんと、
「よ……、よかった……。本当に……、最高だった……」
それからイキイキと、
「侵入者を阻む古の装置! 壁に記された古代文字! 古代人たちとの知恵比べは甘美なほどに有意義だった!」
しみじみとして、
「しかし遺跡の最深部まで一気に到達するのはもったいない。少しずつ探索していくつもりだ」
と、ここでライム先生も到着。ライム先生、レホール先生にあれこれ話してから、
「そうだわ。来週の先生会、レホール先生、出席します?」
「欠席で頼む」
レホール先生即答。
「そんなヒマがあれば、古の学術に思いを馳せたいのでな」
「あらさみしいわ、あなたいつも来てくれないから……」
タイム先生しょんもり。すぐに微笑んで、
「たまには歴史のお話、じっくりと聞いてみたいのに……」
レホール先生、目を見開く。
「ほう? 歴史に興味が?」
それから思わず笑う。
「クックック! 婦人……、なかなか見どころがある」
同時にこの前のライムとのやりとりを思い出すとともに、姉妹で似てると感じ、フッと笑って、
「……たまには、先人と語らうのも悪くないか」
「うふふ! それじゃあ出席に丸つけとくわね」
ということでカチコミに行くふたり。ヨーコ達は授業でついていけず。
授業後に、タイム先生から話を聞くヨーコ。
「ヨーコさん、この前はお話を聞いてくれてありがとう。ついさっき、直談判に行ってきたわ。バトル学とその関連のもの以外の授業も増やしてって!」
「どうじゃったんです?」
生唾を飲むヨーコ。みんなも固唾を飲んで見守る。
タイム先生、少し黙ってから、
「『基礎科目は変えられないけど、選択科目で教えるのは全然いいよー』……って校長先生言ってくれたの!」
ヨーコ達、ホッと胸を撫で下ろす。
「……というか、ヨーコさんに特別講師を呼んでもらってたり、授業をしてもらってるのも、その一環なんだとか」
「来年度からの本格的な導入までのお試し期間とか抜かしてたな、あのご老体」
「レホール先生」
タイム先生、たしなめて、
「先生、先走っちゃった! うふふ……、恥ずかしいわ。参加人数は少ないけど、先生、帰るまで数学の授業がんばってるから、ヨーコさん応援してね!」
「歴史もな」
「もちろんです!」
タイム先生、安堵のため息をついて、
「悩みごとが解決したら、先生気が抜けちゃった。なにか素敵なことをして癒されたい気分よ……」
ということで部室をレトロに模様替えしてみんなでお茶会。なんか本とか紛れ込んでいたのでそれに関する話をレホール先生から聞いたり。
その後、来年度から選択科目の導入が正式になされたのだった。