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season3 28話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
28.『チャンピオンテスト・実技試験
~四天王・ハッサク~』
「お願いします、ハッサク先生」
頭を下げるヨーコ。
ハッサク、穏やかにうなずき、
「あなたなら、いずれここまでたどり着くと思ってましたですよ」
しみじみと語る。
「若い芽の成長は本当にね、いちじるしい。これほどまではやく相見えること、想像をはるかに超えていました」
位置につきながら、
「本来、教師とは教え子を導きその成長を助ける者」
目を見開くハッサク。琥珀色に輝いている。
「ですが今は、教育者としての本分は忘れ……、あなたを倒すためだけに、この力を振るいましょう!」
振り向くハッサク。本気の顔。ヨーコも真剣顔になる。
「実技試験、最後の砦を守る竜ハッサク! 猛然たる勝利の息吹を、身を以て教えてあげましょう!!」
「──参ります!」
勝負開始! ハッサク、1体目オンバーン。ヨーコ、ぴっかりさん。
「本気でかかってきなさい。全力で迎え撃ちましょう」
「もちろんです! 行くでぴっかりさん!」
「ピッカチュウ!」
オンバーン、りゅうのいぶき! かわしてエレキボール!
いかりのまえばで体力半分減るも、かみなりパンチでまひ。動けなくなったところを再度かみなりパンチでとどめ!
2体目、ドラミドロ対ヒナじろう。ルミナコリジョンで効果抜群だが倒れない! ヘドロばくだんかわすも、10まんボルトでしびれさせられる。ヘドロばくだんをくらいハイドロポンプを放たれるも、水の屈折を利用したルミナコリジョンでとどめ。
3体目、オノノクス対ヒナじろう続投。ルミナコリジョンで特防下げるも、効果抜群のかみくだくくらう。がんせきふうじで動きが鈍るが、アイアンヘッドをかましてきたところを狙ってお返しにマジカルシャイン! とどめ。
4体目、アップリュー対まんじゅう。ドラゴンダイブでひるませられた隙にやどりぎのたねをうえつけられる。ドラゴンダイブ&つばめがえしで急所に当てられるが、離れようと翻ったところをどくづきで急所あてワンパン! 倒す。
「合格までもう一息ですよ! がんばれ! がんばれ!」
どこか嬉しそうなハッサク。
「ありがとうございます! 真打ち登場します!」
わっぷるさん登場!
*
「えっとそばえて、わっぷるさん!」
「バルーブ!!」
わっぷるさんテラスタル! ハッサクの5体目はセグレイブ。
「テラスタルジュエルをその冠に! 大いなる竜よ、降臨なさい!」
セグレイブ、テラスタル! ドラゴンの冠が輝く!
わっぷるさんアクアステップ! 効果今一つだが、素早さは上げられた。
「すべてを制圧する力! よーい……、ドラゴン!!」
セグレイブきょけんとつげき! ぎりぎりでかわし、飛び上がってアイススピナー! しかし倒れないセグレイブ。きょけんとつげきくらってピンチ!
「わっぷるさん!」
大丈夫、まだやれる、と目線を送るわっぷるさん。しかしつららおとしの猛攻をくらい、さそいこまれかわらわりをくらいかける。足でギリギリ防ぐわっぷるさん!
「これで最後じゃ! アイススピナー!」
そこから力をふりしぼったアイススピナー! 前足が凍りつき、アイススピナーをぶちこまれ倒れるセグレイブ!
「やったぁ、わっぷるさん! さすが!
根性あるねえ!」
「バルブ!」
わっぷるさん、肩で息をしながらもサムズアップ。
「ドラゴーン!!」
悔しそうに、でも嬉しそうに、唇を噛み締めるハッサク。
*
「──ほ……、ほんまにやってもーた」
驚きつつ拍手を送るチリ。
「あらまー!!」
ほっぺたに手を当てるポピー。
「お」
何か言おうとするアオキだが、ハッサクの大号泣に遮られる。
「……ず、素晴らじいっ! 小生、感動じで……、うぼぉおおい、おいおいおい!!」
ポピー駆け寄り、
「ハッサクおじちゃん、なかないで! いいこいいこですからね!」
(ポピーさんから慰められとる……)(汗)
あちゃーと頭に手を当てるチリ。ただ見ているアオキ。
「すまんなヨーコ、うちらの大将、たまにこうなってしまうんや」
「ぞ、存じております……」
ヨーコ苦笑い。感涙に咽ぶハッサク。
「だ、だっでぇ! じがだな"いじゃな"い"でずがあ!」
アオキのぞく全員(汗)。
「代わりに進行するけど、チャンピオンテスト二次試験、実技試験は……」
チリ、にっこり。
「文句なしの合格や!」
「わー! カッチカチですー!」
「……はい」
うなずくポピーとアオキ。
「よ……、よぐがん"ばりま"じだ!!」
相変わらず大号泣のハッサク。ポピーも苦笑い。
「おめでとさん! ……って言いたいとこやけど、チャンピオンテストはもーちょっとだけ続くんねん」
居住まいを正すヨーコ。チリも真顔になる。
「お次がいよいよ、チャンピオンテスト最後の関門。奥の扉を見てみぃ」
ヨーコ、扉を見る。
「うちらのスーパー総大将……、最終試験の試験官はこの先で待っとる。四天王をその実力で腕ずくかき集めた、チャンピオンランク最強のポケモントレーナーや」
(トップチャンピオンのオモダカさんじゃ)
すぐに気づくヨーコ。
「ま! チリちゃんに勝てた自分なら楽勝やろうけどな。……サービスしたるから、負けるんやないで」
ぴっかりさん達を回復させてくれたチリ。
「ありがとうございます!」
「おねーちゃんのポケモン、ポピーすきなのです! だからね! がんばれーってしますの!」
ポピーにこにこと言ってくれる。ヨーコもにっこり。
「ありがと、嬉しい」
「えーっと、グッド……」
「竜は一寸にして昇天の気あり!」
アオキを遮りくわっ! と叫ぶハッサク!
「ハッサク先生!」
「おわっ、ビックリした。いつの間に復活を……」
驚くヨーコとチリ。ハッサク、ヨーコを見て、
「あなたならきっと成し遂げることでしょう」
うなずくチリとアオキ。
「さあ行きなさいヨーコくん! その小さな手で、大きな勝利をつかんできなさい!」
口々に励ましてくれる四天王。
「よっしゃヨーコ、今世紀最大のきばりやぁ」
「さいしゅーしけん、いってらっしゃいですのよ!」
「……グッドラックです」
「最後の試験官は強い……、ですが! あなたも充分に強い……! 物怖じせず、平常心で立ち向かうのですよ!」
「はい!」
いよいよラストバトル。ヨーコ、深呼吸して進む。
*
各部署にも一気に噂が広がる。
それを聞き、仕事終わりでパソコンを閉じ、息を吐く周作。ハネすけ、周作を見上げる。
「……きばるんじゃ、ヨーコ」