前日譚2つ ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
『ポケットモンスターAmargon y Genciana(アマルゴン エ ヘンシアーナ)』
Special「この世界の不思議な生き物達との片隅に」
『パルデア地方、クレペとコサジ。私はここで生きていく』
※2時間スペシャルのイメージ
クスノキシティからパルデアへお嫁にきたすずの2年間を描く前日譚。
前半、お見合いによりクスノキからパルデアのコサジタウンへ相棒のちゃもさん共々お嫁に来たすず。なんやかんやで北條家の面々に心を開いていくが、夫の過去を知り、さらに晴美が亡くなったことで径子との距離が開いて……。
その最中クスノキへ帰省するが、襲撃事件に巻き込まれ両親と兄と右手とちゃもさんを失い心を閉ざしかけてしまう。それでも少しずつ回復し、径子と和解し周作と生きていくことを決めたところで、ヨーコと出会う。
※ユニオンサークルといって、LINEのグループのように登録した人は緊急でポケモンセンターのテレポート機能が使える。復興まで使用。
プロローグ『春雷~はじまりのかみなり~』
『あなたと世界を見てみたい』
※2時間スペシャルのイメージ。
2年間クスノキで過ごしその間に周作とすずの養子になるヨーコ(事件時7歳。ここで8歳)。その間円太郎達とビデオ通話したり周作からパルデアの話を聞いたり。でもポケモンはまだ怖いまま。
触りたい仲良くなりたいのにそれが出来ず落ち込むが、すずも周作もゆっくりでいいと優しく励ます(紙の図鑑の中なら触れるのに、と思ってたり。触ろうとして必死に勉強して、でもダメで)。
そして周作の出向期間が終了したため、10歳になった時についにパルデアへ(アルバム等自分の家のもので持っていけるものは持っていった)。
*
コサジとクレペを案内してもらったりして新しい祖父母や伯母&叔母達と打ち解けていく中、すずと共にポケモンセンターの手伝いに訪れたヨーコ。少し慣れてきた時、そこでひとりぼっちのピチューと出くわす。
親代わりの老人が亡くなり、残った家族から邪魔者扱いされ引き取りを拒否されたことでここに保護されたという。彼女の部屋に入ってしまったヨーコに対し、敵意を剥き出しに電撃を浴びせかけるピチュー。しかし怯えるヨーコに気まずそうに背を向ける。
逃げるように部屋を出た後、落ち込みながらすずと色々話す。
「思いを伝えたいんなら、見える形で伝えんと分からんよ」
*
すると翌日、ポケモンセンターを手伝っていると、きのみを手に持ったピチューがやって来た。
「昨日はごめんね。あんたの、大事なお部屋に間違うて入ってしもうて」
すると、見てろといわんばかりにきのみを電撃で焦がし、それをくれるピチュー。食べてにっこりなヨーコ。でも怖くて、触れない。それを知ってか知らずか意地でもヨーコに会うピチュー。彼女なりに気遣っているらしい。
触れるか触れないかのもどかしい日々が続いたある日、なぜか家についてきたピチューといると久夫がやってきた。
何故か勝負をふっかけられるが、不利だったので負ける。妹のことで八つ当たりだったらしい。
径子に叱られどこかに行く久夫を追いかけ仲直りするも、ピチューは悔しさで思わずヨーコを拒絶してしまう。厄介者扱いされるトラウマがよみがえりどこかへ行ってしまうピチュー。追いかけるヨーコ。
*
入り組んでいるクレペの街を必死でピチュー探して走るヨーコ。一方ピチューはヨーコと出会うまでのことを思い出す。
仲間とも折り合いが悪く、狩りでヘマをしクレペに逃げ込んだ自分を手当てし世話してくれた老人。
しかし彼が亡くなり厄介者扱いされひとりぼっちになり、ポケモンセンターで引き取られたこと。やって来る人間とポケモンを見てると悲しくなって引きこもる日々。
しかしその時に出会ったヨーコという名の女の子。向こうは怖がっているようだけど、なぜか仲良くなりたくなった。あの子も同じように思ってくれているらしい。でも、あんなことしてしまった。
疲れて木によりかかると、ムクバードの鳴き声。縄張りに入ってしまったらしくムックル達がじっとにらんでいる。
しまった! と思うピチュー、襲いかかる態勢のムクバードとムックル達。その時誰かが立ちふさがる! ヨーコだった!
「ピチューさんはよ逃げ……」
言い終わらない内に襲いかかるムックル!
悲鳴を上げても震えても逃げないヨーコ。なんでなんでと疑問でいっぱいになるが、ほおっておけないピチュー。
電気をいっぱいに溜め込み、思いっきりでんきショックをぶっ放す!!
その美しさに、ヨーコは思わず見とれる。
ムックル達はプスプスになるが、代わりに襲いかかるムクバード。
目にも止まらぬ速さの不意打ちに倒れるピチュー。去っていく群れ。
「ピチューさん!」
駆け寄ろうとするが、とたんにトラウマがよみがえり動けなくなるヨーコ。
しかしすずとのやり取りを思い出し、必死に歯をくいしばってピチューを抱き上げ走り出す!
息を切ってポケモンセンターへ!
無茶苦茶に走ってたどり着いた別のポケモンセンターで回復してもらう。傷が癒えたピチューだが、気まずくてヨーコから目を背ける。そんなピチューに語りかけるヨーコ。
「ピチューさん。うち、ポケモントレーナーになりたいんじゃ」
「……ピチュ?」
「けど、悪いトレーナーが起こした事件で、前のお父ちゃんもお母ちゃんも死んでしもうて、ポケモンが怖くなってしもうたん。本当は仲良うなりたい、触りたいのに」
「けどあんたは、そんなうちに、きのみくれて付き合うてくれて……、ついさっきも助けてくれた。とってもキレイな雷じゃった」
──『見事な雷じゃのう』
自分の電撃をほめてくれた、老人の言葉を思い出すピチュー。
「うちは、あがな技が出せるあんたにふさわしいトレーナーになりたい。ううん、それだけじゃない、うちの今のお母さんとお父さん達みたあな、強くて優しゅうてしぶといトレーナーになりたいんじゃ。じゃけえ……、まだポケモン勝負もできんうちじゃけど、友達に──初めての仲間に、相棒になってくれませんか?」
「ほいで、一緒に強う優しゅうしぶとうなって、もうおらん人の代わりに、一緒に世界を見に行きませんか?」
ヨーコ、震えながらも手を差し出す。
ピチュー、少し黙り、しょうがないわね、と肩をすくめ、そっと触れる。しっかりと握手を交わすふたり。そしてしっぽの挨拶。
「よろしゅうね!」
「ピーチュー!」
笑いあうふたり。しかし問題があった。
「ほいで……、ここはどこねー!?」
*
その後スタッフさんの連絡によりすずと周作が迎えに来る。ピチューとすっかり仲良くなりトラウマも克服したヨーコを見たすず、実父のモンスターボールを使うよう話す。うなずくヨーコ。
ピチュー、悟ってヨーコの前にしっかりと立つ。ヨーコ、ピチューめがけしっかりとボールを投げる。
ボール、まっすぐにピチューへ飛び当たり、ボールへ入るピチュー。しばらく動いた後、カチリと音が鳴り、無事ゲット!
ボールから出し、ぴっかりさんと名付けた。
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