season10 4話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
4.『ビターな目前、スイートな本番』
1-4でのステータス研究座学の補習後、アカマツとスグリ。
「スグリ、昨日のテレビ見た!? スッゲーおもしろかった!」
「ご、ごめん……、観てない」
「なんであやまった!?」
驚愕アカマツ。考え込むスグリ。
「う、うーん、なんでだろ……? せっかく話しかけてくれたのに、話……、返せなかったから?」
「オレ、そんなの気にしないよ!」
朗らかに笑うアカマツ。
「……んだな、アカマツは、そうだよな」
スグリも柔らかく笑う。
「じゃあさ! 来週! スグリの部屋で一緒に観ようよ!」
「……うん!」
*
一方のゼイユ&ネリネ。3-2の教室にて(ふたりで実技授業のノートまとめしてた)、
「はい、キタカミみやげ! みついりりんご!」
リンゴの入った袋を渡すゼイユ。
「ゼイユ……、いつも感謝」
無表情ながら、じーん、なネリネ。
「毎回りんごで飽きない? もちもあるわよ」
「キタカミのりんごは格別。……もちは結構」
「たしかによそのりんごとは甘みが段違いかも?」
「糖度が高くて美味、加えて鮮度も長持ち。ネリネは……、デッサンにも用いている」
「あ、そっか。ネリネ、絵描くもんね!」
「いつか木に生っている……、たくさんのりんごを描きたいな」
「今度おいでよキタカミ! あたしが案内してあげる!」
「……楽しみ」
ネリネ、(*’ω’ノノ゙☆パチパチ。
*
ヨーコは授業の準備途中、サザレと話をして(『最近カメラアプリの機能いろいろ増えたよね! 写真家としては、フィルターとか使いこなせたほうがカッコイイかな?』)スグリの部屋にお邪魔する。
「あ、ようこそ、俺の……、寮の部屋」
恥ずかしそうなスグリ。
「今見ると恥ずかしい。あせってたときのまんまだ。……はやくかたづけねえと」
「ゆっくりでええと思うよ、がんばったんじゃけ」
「ありがとうヨーコ。やっぱり優しいな。ネリネも言ってた」
「ネリネさんが?」
「うん。俺のことで色々悩んでた時に助けてもらったって」
「ネリネさん……」
「俺も、ヨーコ先生の授業はもちろん、ヨーコの呼んだ先生達の授業受ける!」
「うちも準備にもう少しかかるけ、さっそく呼ぼうかね! 誰がええかねえ」
じっくり考え、決めてから模様替え。ナチュラルテイスト。
「わやー」
「美術部もなかなかやるわねえ」
びっくりなスグリとゼイユ。
「スグリさんすっかり方言出るようになりんさったねえ」
「方言出すのかっこ悪いってしばらく我慢してたけど、にへへ……、吹っ切れてからどうでもよくなっちまった!」
「そういえば、ゼイユさんは方言喋りんさらんよね? なんで?」
「ん? スグと違ってあたしが訛ってない理由? あたしがイケてる女だから! ただそれだけよ」
ヨーコとスグリ、(汗)。
ということで呼んだのは、カエデとミモザ先生。
教室で授業リハーサルして、ふたりから感想をもらい、小休止した時、
「あら~、ヨーコさん~! 問題で~す! テラリウムドームからわたしの手持ちに最近やってきたポケモンは、どなたでしょう~?」
「へ? オニシズグモさんじゃのうて?」
「ピンポーン! 大正解~! ちゃんと見てくれてますね~!
オニシズクモちゃんは、みずタイプを持っていて水辺に棲んでるんですよ~! お散歩がてら、探しにいってみては~!?」
カエデ、にこにこ。
「あなたのおかげで、新しいむしポケモンに出会えてホクホクです~」
「あ、むしポケモンといえば!」
ふと思い出すミモザ先生。
「あたし、あれ好きですよ。タマンチュラの……」
「糸マカロンですね~、ムクロジの人気商品です~」
「で・す・よ・ね! 仕事終わりに行ってもだいたい売り切れてんですよねー」
「来月からスタッフさんが増えてもう少したくさん作れますので、ぜひご来店くださいね~」
「え! マジですか! それってサイコーなんですけど!」
テンション爆上がりなミモザ先生。
「ヤバい! うれしー! サワちゃん先生にも教えてあげよーっと!」
(そのサワロ先生じゃないよねえ……?)(汗)
「あ~、そうそうヨーコ! ちょっと聞いてよ!」
「どうかしたんですか?」
「あたし、この前の初授業でやらかしちゃった……」
「へ、やらかし?」
「授業自体はね? うまくやってたんだけどさ? でも教室間違えてて、違うクラスで教えてたのー!!」
「そ、それは大変……」
「自習中のクラスに入ってきて、勝手に保健の授業始める不審者になっちゃったわー」
「でも、生徒さんお話聞かれてたんでしょ?」
カエデが言うと、
「それはそうですけどー」
むくれるミモザ。
「あーこの話やめやめ! 思い出すと恥ずかしくなってきた!」
ミモザ笑い、
「ヤなことは忘れて、次に活かさないとね!」
ということで、ふたりに見守られ教室にて授業開始。ヨーコ、ジニアからもらった六角形メガネをかけて教室へ。
姉弟、久夫、ユリカ、四天王がいるが、教室が立ち見の人も出るくらいぎっちりになっている&教師陣も勉強のために見学でヨーコ(汗)。
しかし気を取り直し、
「それでは、授業を始めます」