season10 32話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
32.『自由と規律と特権と』
フデヤナギとネリネ(アーティさんのとこの話)とタロの話でコルサとハッサクを呼ぶヨーコ。
「以前話したヒウンシティの芸術家! ソヤツのアトリエに行ったのだが……」
コルサ、くわっ!!
「じつにアヴァンギャルド!!」
そのまま熱く語りだす!
「タマンチュラが出した糸のようなオブジェがエレベーターの役割をも担っており! 愉悦にひたり何度も乗り降りしていると! 次第に糸がからみつきワタシの体は繭玉と化した!!
そう……、気づけばワタシ自身が糸の芸術に なっていたのだ……。素晴らしい!」
ヨーコ、チーン。
「……どういうことです?」
「ヨーコがわからぬとは……、もしかして、あの体験は意図したものではなかったのか?」
コルサ、ふと思い出したように、
「そういえば、あのアトリエには絵画がまったく飾られてなかったが、本当にアトリエだったのか……?」
コルサ考え込むが、
「ハーッハッハッハ! まあいい!! ヨーコとの会話は時を忘れてしかたないな!」
と、ネリネとタロが会話に加わる。少ししてフデヤナギとハッサクも合流。
ヨーコの授業準備を見ながら、話す親友ふたり。
「先日は素晴らしい授業をどうもありがとうございました」
お礼を言うハッサク。コルサ微笑んで、
「ハッさんからのたのみとあらば断るわけには いかんだろう」
「コルさんなら、先生としても立派にやっていけますですね」
コルサ、苦い顔で、
「……思春期どもの相手は少々荷が重すぎる!
若い芽の人生まで背負うとは、ワタシには考えられん重圧だ」
「たしかに教師とは責任重大! ……大変な職業でありますね」
ハッサク、ふっ、と微笑み、
「だからこそ、教え子の成長は涙が出るほど喜ばしいのですよ」
コルサも思わず微笑む。
「フッ……、ハッさんにとって、教師とは天職なのだな」
が、ハッサク、思うことがあるらしくヨーコをじっと見ている。
*
ヨーコの授業後、コルサが授業の準備をしている傍ら、ヨーコと話すハッサク。
「タロくんやネリネくんからお聞きしましたが、ブルーベリー学園では、生徒が自主的に委員会や学園の運営に関わっているそうで!」
「ええ、じゃけえうちも特別講師の先生呼んだり、先生しとります」
「さすが新しい学園、挑戦的でいらっしゃいますね。とはいえ……」
ハッサク、言葉を切る。
「若い時分から責任を背負わされるのは……、小生個人としては少々思うところがあります」
「と、いいますと……?」
ハッサク、少しだけ回想。
「無責任に遊びほうけられるのは、子供にだけ許された特権ですから」
はっきり言いきり、ハッサク、ヨーコを見る。
「そういった意味では、あなたのことも心配しています。くれぐれも、誰かの期待を背負いすぎないよう、用心してくださいね」
ヨーコ、ハッサクの若い時の話を思い出す。
「すみません……。歳をとると、説教くさくなってしまいますね」
ハッサク、柔らかく笑い、
「さて! 気分を変えて! ひと勝負しませんか?」
「はい!」
ハッサクと勝負! ヨーコ勝利!
それを見ていたカキツバタ、思うことがあるらしく、ヨーコとコルサの勝負をハッサクと見学しながら色々話す。ちょっぴり心境の変化が起こるカキツバタ。
ハッサクとの別れに厚くお礼を言うタロ。
なおカキツバタはやっぱり釘を刺されていたが、素直に受け入れたためにタロ達から逆に気味悪がられていた。
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