season10 20話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
20.『メタルコートの内側』
ネモとポピー、周作が慌てて連絡して来たため、安心してもらうべく呼ぶヨーコ。
ポピーがくると聞いて、ネリネはそわそわ。しかしそんな中でもヨーコを気遣ってくれる。
「何度も申し上げますが、頑丈を誇るはがねタイプでもほのおとじめんには不利。ヨーコ、気を付けて」
「はい」
と、部室にみんながどやどやと入ってきた。
「おねーちゃーん!」
「ヨーコ!」
「ジニア先生から倒れたって聞いたけど、大丈夫?」
「うん」
それからテラリウムドームの休憩所にみんなでいく。周作はトップからの届け物をするべく校長室へ。
「テラリウムドーム歩いてみるの二度目だけど、見たことないポケモンいっぱい!」
おおはしゃぎのネモ。
「キタカミでもそうだったけど、知らないポケモンが自然の中で過ごしてるの見るの楽しいー! 教科書で見るのとは全然感覚違うよね!」
「わかる! 新鮮というかリアルというか……」
「そうそう! そんな感じ!」
ヨーコの言葉にネモ、ハッとして、
「っていうか、パルデアのポケモンも最初新鮮だったの思い出した!」
「え、ネモさんパルデアの生まれじゃないん?」
「あ、ううん。わたしって、7歳のときにパルデアに引っ越してきたのね」
ネモしみじみと、
「当時はまだポケモン勝負やってなかったし、忘れちゃってたなー。初心忘れるべからず、だね!」
「うん!」
一方、ネリネとポピー。お互いのポケモンを出して、
「ネリネおねーちゃんはカッチカチですのねー!」
「はい、メタグロスのごとくカッチカチです」
ネリネ、メガネキラーン。
「ポピーも同様にカッチカチ……、なのでは?」
「そうなんですのー! はがねのしょーじょですのでー!」
「ふふっ……、ポピーのデカヌチャン、素敵です」
「わあー! おねーちゃんのエアームドも! エンペルトもー!」
スグリとゼイユもやってくる。と、補習授業アナウンスが鳴り、ネモと共に向かうスグリを見送る。スグリの背中を見るゼイユに何かを感じ話しかけるヨーコ。
「ゼイユさん」
「あんたから話しかけてくるなんて感心ね。あのあと……、スグとはどう?」
「え、なかよしよ?」
ヨーコきょとん。
「ふーん? ならよかった」
ゼイユ、小さくため息。
「あの子、今……、学園のこととか部活のこととか、いろいろがんばってるから、ささえてあげて……、まではいいや。前みたいになかよくしてあげて」
「そりゃもちろん! 友達じゃけえ」
ゼイユ、フッ、と笑い、
「そうよね……、こんなこと言わなくても、あんたたち、友達だもんね」
照れ隠しに、
「あーあ! あたしも過保護すぎたかもねー! これからはスグのこと、適度に見守ることにするわ! ……ちょっとさみしいけど!」
フッ、と笑って、
「話してたらなんかしんみりしちゃった。あんたちょっと責任とりなさい」
ヨーコ、サンドウィッチごちそうする。ネリネとポピー、久夫と周作も相伴に預かる。
ヨーコはポピーと話す。
「およばれされたので、またきちゃいましたの!」
「ポピーさん、ありがとう」
「がっこうって、とってもたのしいところですのねー。ポピーはまだがっこうかよったことないですので、きょうしつもせんせいも、ぜーんぶはじめましてでわくわくですのー!」
「ありゃ、ほうなん」
ポピー、切なげに、
「──ポピーもいつかせいとさんとして、がっこうにかよえますかねー……」
ヨーコ、ポケモンに触れなかった時の自分を重ね、ネリネの言葉を思い出し、
「──もちろんじゃ!」
「うん! そうですわよね!」
「……ポピー、まわりとちょっとちがいますので、ふあんになってしまいました! おねーちゃん、おきづかいありがとう!」
(ネリネの境遇もここで出るか?)
周作と一緒に家族に電話。怒られるが安心される。