season12 8話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
8.『戦闘! ブーストポケモン』
ひとりでに開く門。思わずびくつくペパーとボタン。
現れたのは、フーディン。そしてその刹那、全員相棒共々テレポートされてしまいばらばらに。
それぞれ屋敷の見取り図を確認するヨーコ達。どうやら屋敷の四方にあるバトルコートに強制的に移動させられたらしい。
そしてヨーコの元にはボーマンダ、ネモの元にはバンギラス、ボタンの元にはフーディンが現れる。何やらブーストがかかっているらしくただらぬ雰囲気。
図鑑で相手ポケモンを確認し、それぞれ相棒達に活を入れる女子3人。
「やろう、ぴっかりさん! みんな!」
「キビキビ倒してトップ助けるよ!」
「ブイブイ達と一緒の知恵比べ、絶対勝つ!」
*
一方のペパー&マフィティフ。飛ばされたのは屋内バトルコート。
「道場だったとこか」
見取り図を見てつぶやくペパー。と、奥の扉からシクータが姿を現した。
「オマエ……」
身構えるペパー。マフィティフも唸る。
「冠を持っているのは貴様だな。竹林の監視カメラで見ていたぞ」
「理事長せんせが先だ」
動じずに言い放つペパー。シクータ、案外あっさりと、
「わかった。連れていけ」
声と共に、シクータの背後からオモダカが現れる。オモダカ、よろよろと無言でペパーに近付く。
そして目と鼻の先に来た刹那──
「マフィティフ、じゃれつく!」
マフィティフ、オモダカにじゃれつく攻撃!
オモダカの姿形が崩れ、現れたのはメタモン!
「なっ……」
絶句のシクータ。ペパー独り言のように、
「やっぱしか。さすがちゃんだぜあいつら」
*
(回想)
市役所地下バトルコートにて。
「トップが書いた相手の手持ち以外にも、別のポケモンがおるかもしれん」
話すヨーコ。
「どうしてだよ? 完璧超人さんなんだから、犯人の情報に取りこぼしはないんじゃねえのか?」
聞くペパー。
「前にお父さんからポケモンを使った犯罪の事例として聞いたんじゃけど、人間に化けられるポケモン使うて、身代金をまんまとくすねた誘拐事件があったんじゃと。幸い被害におうた人は無事じゃったけど、下手したら大事じゃ言うて法律が改正されたんじゃ言うとりんさった」
「なるほど。それなら、メタモンかゾロアがいる可能性もあるよね!」
うなずくネモ。
「普段は犯人とかに化けてうろうろしてるかもだし、トップとドラパルトたちが気づかなくてもおかしくないよ。ミミッキュだって、いつもお屋敷の中にいるわけじゃないかもだし」
「じゃ、じゃあ」
ボタン、恐る恐る、
「理事長が出てきてうちらのとこに来たら、まず軽くひっぱたいた方がいいってこと?」
(回想終わり)
*
「退学処分覚悟でやってみたら案の定だ。きったねえマネしやがって」
「うるさい! さっさと冠を寄越せ!」
シクータの声と共にペパーに襲いかかるメタモン。すかさずかみつくマフィティフ!
「オレは持ってねえぜ。竹林進んでる時、ちょうどカメラの陰に入った時にこっそり大親友に託したからな」
「小賢しい……!」
歯軋りするシクータ。
「理事長せんせが冠のことであそこまで慌てるからにはヤバいブツだって踏んでな。最初から、冠をせんせーのとこに持ってくつもりだったんだよ!」
「おのれ! メタモン!」
と、くみしかれていたメタモンが勢いよく反撃。すんでのところでかわすマフィティフ。
「バウ……」
呻くマフィティフ。ペパーも気づく。
「なんだ、ヌシポケモンみてえな力……」
「かつて闇取引で手に入れた、ポケモンの力を爆発的に上げる薬物を与えてある。しばらくそいつと遊んでいろ」
額に汗をかきながらも、嘲笑い踵を返して走っていくシクータ。
「待て!」
追いかけようとするペパー&マフィティフだが、メタモンが立ちふさがる。
もにょもにょ動き、マフィティフに変身するメタモン。さっそくじゃれつく攻撃!
かわして態勢をなおすマフィティフ。
「ブーストつきの効果抜群技くらったらマジでヤバいちゃんだが……」
ペパー、キッ!
「隣で胸はってたいヤツらに顔向け出来ねえからな! 行くぞオマエら!」
*
バンギラスと一進一退の攻防を繰り広げるネモ&パーモット・ジャラランガ・ゲッコウガ。
「効果抜群技でもなかなか倒れない……。さすがバンギラス! でも……」
ブルーベリー学園でヨーコと礎の仮面ポンさんやツノじろうと戦った時の記憶を手繰り寄せ、3匹で一気に急所をついて倒す!
*
ボタンはブラッキー、ニンフィア、サンダースと共に戦うも苦戦。
ブルーベリー学園の実技授業で、タロと勝負した時のことを思い出し、裏の裏をかいて隙を作ることに成功、サンダースが見よう見まねいかづちおろしで見事フーディンを仕留める!
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ペパーはマフィティフとヨクバリス、リククラゲでじわじわ追い詰める。こちらもブルーベリー学園での実技授業を思い出し、固いヨクバリスを囮にリククラゲが草結びですっころばせ、マフィティフが噛み砕くでとどめ!
*
ヨーコ、ぴっかりさんとアメぼう、さんさんと戦うもなかなか捉えられない。ブルーベリー学園でカキツバタやハッサクと戦った時のことを思い出す。そしてぴっかりさんとアメぼうで撹乱して誘い込み、さんさんのアイススピナーで正面突破!
みんなを休ませるべくボールに戻すヨーコ。
あとはオモダカを探して冠とキラフロル達のボールを渡すだけ。ここでミミッキュとドラメシヤがぬっ、と現れる。あせっている2匹。ただらなぬものを感じて、ヨーコ、2匹と走る!