season1 15話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
15.『セギンの偽悪』
生物学の授業を受けた放課後、ネモ達クラスのみんなとジニア先生にポケモン図鑑を見せた後(この時アジトに行くことを話し、みんなから励ましてもらう。廊下ではこっそりボタンが聞いている)、近くのポケモンセンターからスター団あく組「チーム・セギン」のアジトに向かうヨーコ。
ぴっかりさん、わっぷるさんと一緒にアジトへの道を歩いていると、電話がかかってくる。
『……カシオペアだ。スター団のアジトが近いな』
「何か用ですか?」
『ここまで来たということは、協力してくれる……、ということかな?』
「……ええ、しゃあない(仕方ない)ですけど。わっぷるさんのためじゃ」
『ありがとう。これであなたも同志……。スターダスト大作戦を決行するメンバーだ!』
すると、
「ちょっと待ってくれ」
『「「!?」」』
立ち止まり振り向くと、リーゼントの謎の学生が。傍らにニャオハをつれている。
「なあ、その話……、オレたちにも噛ませてくれないか?」
「はにゃにゃ」
『誰だ!?』
ヨーコ達も身構える。名乗る学生とニャオハ。
「オレはネルケ。こっちはオレの相棒、ニャオハ」
「はんにゃ」
『いつから聞いていた?』
「おいおい、警戒すんなって。オレ達はこいつのツレだ。だよな? ヨーコ?」
「や、違います」
「ピカピカ」「ワップ」
首を振るヨーコ達だが、
「おいおい! 相変わらずシャイなヤツだな!」
「にゃーはー」
話を変えられ、えー……、な顔のヨーコ達。
『スター団を相手にするんだ。これは遊びではないのだが?』
「ほうですよ、うちらあん人らに落とし前つけさせに行くんですから」
うんうん、とうなずく2匹。
「わかってるさ……。オレも団とは色々あるんだ。自分で言うのもなんだが、いい仕事するぜ」
『……』
カシオペア、少し間を空けて、
『──今はニャースの手も借りたい。あなたとニャオハも同志としてむかえよう』
「まぁ、カシオペアさんがそう言うんなら……」
「決まりだな。で、カシオペアさん、だっけか。あんたは何者なんだ?」
『わたし、カシオペアは、スター団の元……関係者、とだけ言っておく』
「……そうか、詳しくは聞かないでおくぜ」
「……うん」
『……それでは、スターダスト大作戦の説明をする』
「具体的に何をするんだ?」
『平たく言ってしまえば、スター団アジトへ乗り込み、チームをまとめるボス達を倒して……、その座から降ろす!』
「降ろす?」
「引退させるってことか?」
聞き返すヨーコとネルケ。
『ああ……。スター団は5つのチームがあり、それぞれがアジトを持っている。近くにゲートが見えるはずだ』
カシオペアの言葉に振り向くヨーコ。ゲートがある。
「……ええ」
「……あれだな」
うなずくヨーコとネルケ。
『その先はスター団のアジト。奥にはターゲットであるチームのボスがいるはずだ』
「ふむ」
「……なるほど?」
相づちを打つヨーコ達に、話を続けるカシオペア。
『スター団には掟がある。ボスは売られたケンカは必ず買わなければならない。そして……、買ったケンカで負ければ、ボスを引退しなければならない。
先ほど、各アジトにヨーコ……、北條陽子の名前で宣戦布告をしておいた。つまり、わたしたちはスター団にケンカを売ったんだ』
「ボスを倒せば、そいつはボスをやめる、と……」
ネルケが言う。カシオペア、うなずいたように、
『ボスがいなくなったチームは統率を失い、自然消滅するだろう。ただし問題もある』
「何?」
一応聞くヨーコ。身構えるぴっかりさんとわっぷるさん。
『アジトの中は広く、侵入者を阻む団員とポケモンがうようよしている。ボスの元へたどり着くには、並みのトレーナーでは難しい。
だからこそ、ヨーコと手を組ませてもらった。アジト内のポケモンを倒し、ボスを引きずり出してくれ』
「わかりました」
「ピカ!」「ワプ!」
『……まずはアジトに入らねばな。ゲート前の見張りを片付けてくれ』
「了解です。すぐ倒しちゃります」
意気込むヨーコとぴっかりさん達。聞くネルケ。
「あんたはどうするんだ?」
『……先ほど言ったように、わたしは団の元関係者だ。表立って行動できない……。遠くからサポートさせてほしい』
「オレに何かできることは?」
『──すまないが、まだあなたを完全には信用出来ていない……。アジト周辺の監視と、ヨーコのサポートを頼もう』
「……慎重派は、嫌いじゃないぜ」
カシオペア、ヨーコへ、
『作戦が進んだら連絡する。それでは健闘を祈っている』
「どうも」
ヨーコのお礼と共に、電話が切れる。ネルケとニャオハも励ます。
「……さてと、頑張ってくれよ、ヨーコ」
「はにゃ」
「……あのう、さっきから思うとったんですけど」
ヨーコ、恐る恐るネルケに、
「もしかして、ク……」
「おっと、オレの正体についてはお口にジッパーで頼むぜ。今のオレはネルケ……。そういうことにしておいてくれ」
「はあ」
うなずくしかないヨーコ。ジト目の2匹。
ということでゲートへネルケ&ニャオハと共に歩いていく。したっぱがふたりいる。
「はいはい! ストップ!」
「この先、ボクたちスター団あく組……、通称チーム・セギンのアジトです」
「そそ。不法侵入とかさ、勘弁してほしいわけ!」
「ごめんね。帰ってくれないなら追い返さないといけないんだよ」
いきり立つぴっかりさん達を抑えながら、黙って話を聞いていると、
「あれー? もしかしてだけど、アンタ、ヨーコ? スター団にケンカ売って、指名手配中なヤツだったり?」
「まあ、ほうかも、ですね」
わざと斜に構えるヨーコ。えばる仕草のぴっかりさんとわっぷるさん。
「え、そうかも、なんだ……? 正直すぎてちょっとビックリ」
「悪いかね?」
「い、いやとんでもない」
と、片方のしたっぱが、
「アンタが何者でも帰んな! さもなくばアタシに負けていきなよ!」
「いいや、勝ちます! そんために来たんじゃ!」
「あーん! ナマイキ! 踏みにじって思い知らせてやる!」
さっそくヤミカラスを出してくるしたっぱ。
いきり立つわっぷるさんだが、ヨーコとぴっかりさんは止める。
「わっぷるさんは本番に力とっとき」
「ピッカ!」
ぴっかりさん前に出る。
つばさでうつ攻撃をくらうも、怯まずエレキボール。仕留め損ねるもまひ状態にする。ダメおしにかみなりパンチで勝利。
「強くてさらにナマイキ……」
「えっへん」
「あーん! くやしいー!」
地団太を踏むしたっぱだが、すぐに気を取り直し、
「あとはセンパイ、よろしく! んじゃお疲れ様でスター!」
「お、お疲れ様でスター……」
おいてけぼりにされるもう一人。黙って見るしかないヨーコ。
「あの子、最近入ったんだけど、かなり態度悪いんだよね……」
「はあ、えらい……、大変ですねぇ」
先輩したっぱのぼやきに、思わず同情してしまうヨーコ。
「いやホントだよ……。はぁ……」
ため息をつき、向き直る先輩したっぱ。
「ボクは今からアジトに帰って仲間に連絡するよ。みんな総動員で襲ってくるからさ、逃げるなりなんなりがんばってね」
「ご丁寧にありがとうございます」
「お疲れ様でスター!」
去っていく先輩したっぱを見送ると、カシオペアから電話。
『……見張りに対処できたか』
「ええ」
『そこを根城にしているのは、スター団あく組……、チーム・セギン。
ボスのピーニャはスター団のまとめ役で、BGM担当でもある』
「バックミュージックあるんじゃね……」
『頭が切れるピーニャは宣戦布告にも動じていないはず。したっぱ達でこちらを消耗させてから襲ってくるだろうな』
「まぁ常套手段ですね」
『ああ。そんな計算高いタイプには正攻法で攻めるのがいい。ピーニャが現れるまで、したっぱのポケモンたちをひたすら倒していくんだ。準備ができたらゴングを鳴らして大作戦開始! チーム・セギンにカチこんでくれ』
「はい」
まんじゅうも出して事情をかくかくしかじか。
うなずいてくれるまんじゅう。その時丁度ネルケもやってきてゴングを鳴らすヨーコ。
カチコみスタート。
「ヨーコ、気を付けろ。スター団は特殊な勝負を好む。その名も団ラッシュ!」
「団ラッシュ?」
「『レッツゴー戦』を合言葉に複数のポケモンを出して同時に戦わせるんだ。
ポケモンの体力が減ったらオレ達のところまで戻ってきな。サポート役として回復してやるぜ」
「はにゃにゃ」
「お願いします」
「したっぱたちも何かの設備で回復してるらしい……。用心しろよ」
鳴り響くスピーカー。
『何者かが身の程をわきまえずアジトにカチこんできました! スター団のおそろしさを思い知らせて追い出してやりましょう! 10分以内にオレたちのポケモン30匹倒せたら、ボスがお会いになってくれるかもな!』
出てくるポケモンを確認しながら、雑魚をひたすら倒しまくるヨーコ達。
「上等! やっちゃえみんな!」
体力が削れることもなくあっという間に30匹!
*
「オレたちじゃかなわない! ボスを呼んでくるんだ!」
するとBGMがかかり、謎のマシンがヨーコ達の前に登場。
「な、なんじゃあ?」
間抜けな声を上げてしまうヨーコ。そこにはセギンのボス、ピーニャが。
「ド派手にやってくれるじゃん! 侵入者こと、北條陽子くん!」
「あんたがボスかね?」
「いかにも。ボクはピーニャ! a.k.a. DJ悪事! まあ好きな方で呼んで!」
「じゃピーニャさんで! 他はようわからん」
「そうかい、じゃさっそくだけど、ここで潰れてよ。レクイエム流すからさ」
ピーニャ、ボールを構える!
「さあ! パーティーのスタンバイ! 永遠にチルアウトさせてやるよ!」
コマタナを出してくるピーニャ!
「今度こそ暴れんさいわっぷるさん!」
わっぷるさん先鋒。さっそくみずでっぽうで撹乱しつばさでうつ攻撃をかますが、倒れる様子はない。
「DJ悪事の周波数! 受信して壊れちゃないなよ!」
メタルクローをくらう。体勢を保つわっぷるさん。
「さわりはOK! トバしていくよ、侵入者!」
攻撃をくらい、かわしながら反撃するも、硬いわ水は効かないわでなかなか削れない。
「らちがあかん。わっぷるさん、いっぺん交代じゃ」
「ワプ」
ボールに戻るわっぷるさん。
「まんじゅう、あんたに決めた!」
「ウパー!」
「まんじゅう、どくびし!」
「ウーパー!」
まんじゅう、どくびしをまく。コマタナにもぶつかるが効果なし
「はがねにどくは効かな……、い!?」
マッドショットを食らっているコマタナ!
「知っとる。今のは目つぶし代わりじゃ」
泥まみれになって倒れるコマタナ。
「ハッ、やるね! でもまだまだ! いけ! スターモービル!」
車っぽいのが動く。セギン・スターモービル。
「それポケモンじゃったん!?」
「そうさ! スター団の誇るポケモン改造車! ボクのライヴはこっからBPM上げてくからさ!」
吠えるスターモービル。特性「いかく」で攻撃が下がる。
「『いかく』……。ライドポケモンさんかね……。ならポケモン勝負と変わりゃせん! まんじゅう、気にせず攻めてくで!」
「うっぱ!」
バークアウトをかましてくるスターモービル。図体に構わず素早い攻撃に倒れるまんじゅう。
「体力削らんと!」
ぴっかりさんを出す。いやなおと攻撃で特攻下がるもかみなりパンチとエレキボールでじわじわ追い詰める。しかしダークアクセルをくらいぴっかりさんが体力ギリギリになったところで戻す。
真打ち登場。ヨーコ、わっぷるさんを出す!
ダークアクセルをくらうも、怯まずみずでっぽうとつばさでうつで攻めていくヨーコとわっぷるさん。
負けたくない。そうだ、この人と一緒に、あの人の代わりに強くなる……!
わっぷるさんの脳裏に晴美の顔が浮かんだ瞬間、わっぷるさんの体が光り輝く!
「な……」
「あれって……!」
わっぷるさん、ウェルカモに進化!!
ヨーコ、この機を逃さず、
「空まで届く程光っちゃえ! えっとそばえて、わっぷるさん!」
「ワップー!!」
プスプスなりはじめたところで、新技アクアカッターでとどめ! 混乱してぶっ倒れるスターモービル。
「あっ……!」
「勝った……! すごい! 進化するなんて!
かっこよかったでわっぷるさん!」
「ウェルプ!」
「まぁ、こんなもんかな……」
(回想)
1年と数か月前……。
「まあ こんなもんかな……」
BGMを聞きながらパソコンを確認しているピーニャ。そこへ他のボス達がやってくる。
「どうしたの? ピーニャ」
オルティガが最初に聞く、ピーニャ、パソコンを閉じ、
「マジボスに相談されてたことが、だいぶまとまってきたんだよ」
首をかしげるメロコ。
「相談? 何のだよ?」
「まず、スター大作戦のこと。……あとは、団の掟だね。
最近、仲間増えてるじゃん? だから、ルールっていうか、掟が必要って話になってさ」
「へー! ピーニャくんなら、いいの思いつくんじゃない?」
ビワが大きくうなずくが、ピーニャため息まじりに、
「いや、それ、超プレッシャーだし」
ピーニャ、憤り、
「ボクが反感買ってた理由は生徒会長してたから……。知ってるっしょ?」
メロコとシュウメイ、うんうんと、
「バチバチにウザ校則作って、生徒の反感買いまくったもんな。すぐ違うヤツに交代した」
「同意でござる……。えりあしの長さは3センチまで等(とう)、正直ウザさの極みでござった……」
ピーニャもうなずき、
「だったっしょ? だから、ボクが掟とか向いてるはずがないんだよ」
オルティガ、首をかしげ、
「でもさ、団員の面倒見てるのって、だいたいピーニャじゃん?」
ビワもうなずき、
「みんなピーニャくんを頼りにしてるし、信頼してるよ」
メロコとシュウメイ、笑う。
「今のピーニャが考える掟だったら、オレも聞いてもいいと思うぜ」
「……同意!」
ピーニャ、やれやれと、でも少し嬉しそうに、
「はいはい。わかったよ、やるよ……。やりますよって」
(回想終わり)
「──やれることは……、じゅうぶんやったよねえ……」
近付くピーニャ。身構えるヨーコとわっぷるさん。
「自分で作った掟だし、いさぎよく団を去るよ」
ピーニャ、ヨーコに微笑みかける。
「ボスの証のダンバッジ、もらってくれる?」
戸惑いながらも、その潔さに気勢を殺がれ思わず笑ってうなずき、握手を交わすヨーコ&わっぷるさん。ダンバッジもくれた。
「ついでにイカしたわざマももらっときなよ」
『イカサマ』のわざマシンをもらう。
「あーあ、これでパーティーもジ・エンドか……。それにしてもキミのポケモン、みんなヤバすぎっしょ。ウェルカモなんて、戦いの中で進化するとか」
「え、ほ、ほうですかね……?」
つい照れてしまうヨーコ。
「それってアカデミーで習ったの? 覚えさせた技とか、育て方とかさ」
「うーん、それもあるけど、訳あって必死でポケモンのこと自分で勉強しよったけ、ちいと違うかも」
「ふーん……」
考えながらもうなずくピーニャ。
少しして、ヨーコに問いかける。
「キミって、アカデミー行ってて、楽しかったりするの?」
「え?」
虚をつかれるヨーコ。しかしすぐに首を縦に振る。
「はい。とっても」
「ふーん……」
と、ここでネルケ&ニャオハが来る。
「あんたが、ピーニャか」
「ネルケさん、ニャオハさん」
「イカした髪型の飛び入りゲスト? ポケモンの技だとダメおし的な?」
(え、えらい例えじゃ……)
「あんたと少し話したい」
「……何か面倒そうだけど、ヒマになっちやったし、OKだよ」
「わかった。ストレートに聞こう。
このままだと、あんた達全員退学処分になるんだろ? なぜ解散してアカデミーに行かないんだ?」
「そこ聞いちゃう? ボクらはツレを待ってるだけ。……帰ってくるかはわかんないけど」
「ツレ……、大事な仲間か?」
「スター団で一番強いボスさ。トレーナーでいうトップチャンピオン的な? みんなで団を作ろうって誘ってくれた、マジボスって人」
「そのマジボスは、今どこに?」
「それがわかれば苦労しないよ。一年半くらい? 連絡もつかないしさ。
スター団をやめずにいたら、連絡くるかもって思ってたけどね。先生たちは団やめろってうっさいし。キミらみたいなの出てくるし……」
「は? そんせいでうちの仲間は大切な元相棒のお墓荒らされかけたんじゃけど? しかもケガまでさせられて」
つい声を荒げてしまうヨーコだが、黙るピーニャに謝る。
「あ、ごめんなさい……」
「いや、いいよ。それならむしろ見捨てられちゃったかもだね……。マジボス、団解散したがってたし」
「え?」
思わぬ話に目を見開くヨーコ。問うネルケ。
「マジボスやスター団がそんなに大切なのか?」
「そんなの当たり前っしょ。アカデミー的に言うと、……宝?」
ピーニャ、にっこりと笑う。
*
自分の中の何かがもにょもにょ変わる感覚に陥りながらアジトを出るヨーコ。気遣うぴっかりさん達(出る前にみんな回復させた)。
カシオペアから電話がかかる。
『……ヨーコ』
「カシオペアさん……」
『ピーニャからボスの証、ダンバッジをもらったようだな』
「あ、はい」
見せるヨーコ。
『ふむ、確かに……。これでボスがいなくなったチーム・セギンは崩壊寸前だ』
思うところがあるらしいカシオペア。
『──ピーニャ……』
「……あの」
『……ああ、すまない、少し考え事をしていた。約束の報酬だ。ヨーコのスマホにLPをチャージしておく。ついでにわざマシンのデータもな。……本当にいい仕事ぶりだった』
「ありがとう、ございます」
一応頭を下げるヨーコ。
『追加報酬として、わざマシン作成に必要な材料も補給班から受け取ってくれ』
切れる電話。少しあって、
「ど、ども……、補給班のボタン……」
「あ……」
ボタンが来た。
「覚えてないと思うけど、校門の前で助けてもらった……」
「ううん、覚えとるよ」
「あっ、そうなん……」
「名前、言っとらんかったね。うちは北條陽子。こっちは相棒のぴっかりさん。No.2のわっぷるさんと、まんじゅう。
あの後、大丈夫じゃった? 絡まれたりしとらん?」
「うん、まぁ……」
「なんでスターダスト大作戦に?」
「えと、うちも課外授業の……、宝探しってことで、手伝ってる。うち、機械とかハッキングとか得意だから、裏方なんよ」
「ほー、ようわからんけど、すごいんじゃね!」
「えっ、いや、別に……。で、これ、カシオペアからの追加報酬」
ポケモンの落とし物をたくさんもらう。
「それでわざマシンいっぱい作れるでしょ」
「え、こがあに?」
「アジトを攻略して、スター団を減らすごとに報酬くれるんだって」
「落とし前つけさせたいだけなんに、何か申し訳ない気もする……。でも、ありがとう。カシオペアさんにも言うとって」
「うん。……なんかすごかったらしいね。レッツゴーって戦わせるの」
「うん。けどぴっかりさん達が頑張ってくれたけえ、何とかなった。ね!」
どや顔のメンバー達。
「そんだけ強いなら、きっと大丈夫。
ボスは残り4人。えと、頑張って……」
「うん、ありがとうボタンさん」
ボタンを見送り、わざマシン作れるし、と気を取り直してジムチャレンジに気合いを入れる。
「その前に、わっぷるさん、進化のお祝い!」
みんなでサンドウィッチをつくり、ピクニックパーティーをするのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?