season10 38話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
38.『ドンナモンジャTVinブルベリpart3』
ナンジャモが撮影のラストをかけたいということで呼ぶ。あとクラベルも。
「ヨーコ氏! ボクは知ってるぞー!? ほかの配信者の動画に出ないでっていう約束! 守り続けてくれてるってこと!」
ガビーンという仕草しつつ、
「若くてかわいくて、その上チャンピオンって属性過激派なのになんたるありがたや……!!」
「え、えー?」
「ヨーコ氏ってば、今後ともボクだけとコラボするつもりとか……!?」
「えっ、う、うーんどうでしょう……。確かにそうしたいとこですけども……」
「ヤバッ! マジマジ!? あーん、幸せすぎて天に召され~!!」
と、ここでクラベルがやってくる。
「お待たせいたしました」
「クラベル先生!」
「……って、え、あれ、ジェントルさん?」
ナンジャモぱちくり。
「あ、改めて紹介します。グレープアカデミー校長をしとりんさる、クラベル先生です! シアノ先生のお友達でもあるんですよ」
ナンジャモ、固まり畏まって、
「クラベル校長先生、その節は不肖、ナンジャモがご迷惑をおかけしました……」
「お気になさらずけっこうですよ。私も楽しんでおりましたので」
微笑むクラベル。でもナンジャモ畏まる。
「知らなかったとはいえ、アカデミーの校長先生を捕まえて動画に出演してもらっていたとは……。
あまつさえふざけた名前で、その……、連呼してしまい……」
「街角ジェントルさん、ですか?」
「ひ、ひぇ……、そ、それでございます」
ナンジャモあわあわ。
「街角に現れたジェントルマン……。私には恐れ多いお名前ですが、ネーミングセンス、勉強になりますね」
「もうボクはひんしなので、これ以上はおやめくださいませぇ……!」
ナンジャモしなしな。
(さすが先生! けど怖がられとる……。にしても、ナンジャモさんもさすがインフルエンサーじゃなあ)
としみじみ思っていると、クラベルが、
「ヨーコさんがブルーベリー学園に留学されたことで、私もこちらに足を運ぶことが多くなりました。アカデミー以外の学校をみることは、とても勉強になりますね。いいところはとりいれたいと思いまして、ご意見をお聞かせください」
質問するクラベル。
「ヨーコさんがブルーベリー学園で一番好きなところはどこですか?」
「ほうですねえ……」
ヨーコ、首をひねって、
「どっちかといえばみーんなアカデミーの方がうちは好きじゃけど、強いて言うんなら、設備、ですかねえ……? テラリウムドームは色んなポケモンおりんさって楽しいし」
「ふむふむ……」
クラベルうなずく。
「たしかにあの場所は、ポケモンの生態を観察するにはうってつけですね。もちろんパルデアの自然も負けてはいないと思いますが」
「そりゃあもちろん! うちも思います!」
「ふふ、わかっていますよ」
クラベル微笑み、
「……ありがとうございます。参考にさせていただきますね」
そしてしみじみと、
「このようにお話ししていると、晴美さんのクワッスさんを託した初登校の日を思い出します。あれから、たくさんの宝物を見つけられたと思いますが……」
リーグ部のパソコンがピコンと鳴る。
見ると、サフランという人物から以来が入っていた。
『ブルーベリー学園の裏番長
BPを多く使い学舎に多くの客を呼びし者にはブルーベリー学園裏番長と戦う権利が与えられる』
久夫と姉弟、四天王から噂を聞き、メンバーを揃えて支援してみるヨーコ。するとさっそく電話がかかってきた。
『もしもし? 僕はサフランだよ。ブルーベリー学園にたくさんの人、呼んでくれてありがとう。そんな君には、特別なプレゼントをあげないと!』
サフラン、言葉を切り、
『それはブルーベリー学園の……、裏番長と戦う権利! それじゃあ、今からエントランスに来てほしい。彼も待ちかねてるよ。……それじゃ、またあとで!』
クラベル達とエントランスに向かうヨーコ。
でも誰もいない。
と、
「あれ? ヨーコさん。ベルちゃんにナンジャモさんたちもおそろいで」
シアノがやって来た。
「どうしたの。こんなところで誰か待ってるの?」
「あー、いえ、うちに裏番長さんと戦う権利が与えられるとか言われてBP払ったらここに呼び出されまして……」
「そっかそっか!」
なぜか嬉しげに笑うシアノ。
「それじゃあ、そろそろネタ晴らしだ!」
「ネタ晴らし?」
「な、なんと! 僕がサフランだったんだー!」
「「「「「「「えー!?」」」」」」」
ヨーコ達驚愕。クラベルため息。
「ヨーコさんのおかげで、学園のたくさんの人やいろんな部活が活気づいたよ」
シアノ、帽子を取って頭を下げる。
「先生までしてくれて、校長として本当に感謝してる。本当にありがとう」
かぶり直し、
「そしてこの僕、校長こそ……」
不敵に笑う。
「ブルーベリー学園で一番強い……、裏番長なんだ!」
「なんと!」
ヨーコ、ごくり。クラベルやれやれ顔。久夫達の反応様々。
「ブルベリーグチャンピオンが表の最強なら、裏番長は文字通り裏の最強ってやつだね」
シアノ、かすかに笑う。
「君となら、僕、楽しく勝負できるかも」
お互い、位置につく。
「それじゃ、さっそくいくとしようか……」
シアノ、ボールを構える!
「本気出すから、長持ちしてねー!」
最初の2体出す! ヨーコも出す!
「なかなかやるねえー。なんだか楽しくなってきたよ!」
「お客さんもたくさんいることだし、ちょっとおもしろいことしようか!」
「この技はどうかなー? しっかり耐えてみせてよ」
ヨーコ勝利! 大歓声!
「やるねえー」
シアノも帽子を外し、静かにたたえる。
「いやー、強いねー、ヨーコさん! 僕数十年ぶりに負けたよー! いやー、ブルベリーグチャンピオンが裏番長まで倒しちゃったら、それって……」
シアノ考え込む。
「なんて呼べばいいんだろ? うーん、ブルベリクイーンとか?」
「いや、それはちょっと……」(汗)
「まあ呼び方はいいや! とにかくおめでとう!」
ナンジャモもいい動画が撮れたということで熱くお礼を言って帰る。ちなみにクラベルはシアノに軽く説教していた。