season3 29話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
29.『チャンピオンテスト・最終試験
~トップチャンピオン・オモダカ~』
ヨーコ、屋上のバトルコートへ行く。
すっかり夜。オモダカが待っていた。
「ようこそ、北條陽子さん」
「こんばんは、トップチャンピオン・オモダカさん」
挨拶を交わすふたり。
「こんばんは。貴方とポケモンリーグの頂点でお会いできて、大変喜ばしいです。最終試験は、トップチャンピオンであるこの私、オモダカとの勝負。……勝利すれば、合格ですよ」
笑っているオモダカ。
「でもその前に、ひとつ謝りたいことが。
──私、リーグ委員長としてよろしくない欠点がありまして……」
イケ指ポーズなオモダカ。
「ポケモン勝負にいっさい妥協ができないのです」
瞳はヨーコを見ている。美しくもどこか恐ろしさを感じるヨーコ。
オモダカ、踵を返し優雅に歩きながら、
「そのせいか、最近は合格者が現れずこまっています」
ヨーコに向き直り、
「しかし貴方なら、チャンピオン・ネモのようにとてつもないことをやってのけるかも」
黙ってうなずくヨーコ。
「それでは、覚悟はよろしいでしょうか?」
オモダカの言葉に身構えるヨーコ。
「──貴方の才……、見定めさせていただきます」
優雅に手袋を装着しなおし、ボールを構えるオモダカ!
*
お互い1体目! クエスパトラ対ぴっかりさん。
「ぜひ私に勝利して、チャンピオンになってくださいね」
余裕の笑み。ヨーコ意気込む!
「勝ちます! ぴっかりさんかみなりパンチ!」
先手でかみなりパンチ。しかしリフレクターで半減されルミナコリジョンをくらい特防下げられる。アイアンテールとエレキボールで撹乱するが、クエスパトラ、でんこうせっかでつっこむ!
しかしぴっかりさん、姿を消した……、かと思いきやあなをほるで足をとった後、リフレクターで半減される前に再びかみなりパンチでとどめ。
2体目、クレベース対ゴンさん。のしかかるもゆきなだれくらう。ヘビーボンバーで効果抜群だがあまり効かず。オモダカ拍手。
「さすが、正しい判断です。そのまま続けてください」
(ゴンさんより重いなんて!)
と、クレベース、ゴンさんはねのけボディプレス! 効果抜群返される。ゴンさんピンチ。
「ゴンさん!」
「どうしました? この程度であせる貴方ではないでしょうに?」
畳み掛けるようにゆきなだれ。ダメおしで急所に当たり倒れるゴンさん。
「おや? かわいそうに……、急所に当たってしまいましたか」
煽るオモダカ。
(強い……! さすがトップチャンピオン!)
ぴっかりさん出す。アイアンテールくらわすも倒れずボディプレス返され倒れる。しかし代わりに特性:せいでんきでまひに。
続いてまんじゅう。まひで動けないところをがんせきふうじで倒す。
3体目、ミガルーサ対ポンさん。アクアジェットで距離をつめられこおりのキバで手を噛まれる!
なんとか振り払うもサイコカッターで撹乱され、こおりのキバで突っ込んでくるミガルーサ!
ツタこんぼうを噛ませるが凍りつくこんぼう。しかしお面パワーで繁らせワンパン!
4体目、ドドゲザン対ポンさん。ローキックで効果抜群。しかし倒れない。特性:そうだいしょうで力をもらったドドゲザンのしねんのずつきをくらい、ドケザンを畳み掛けられピンチになるも、伸ばしたツタをクッションにして半減、そのままツタこんぼう! 効果今一つでもとどめ。
5体目、ゴーゴート対まんじゅう。ビルドアップで力を強め、じしんを起こす前に飛び上がってしねんのずつき! 効果抜群。しかしひるまずどくづきで効果抜群お返し! しねんのずつきを器用にかわし、じしんをおこしてどくづきでとどめ。オモダカ最後の1体!
「あと、ひとり……!」
「フフフ……」
肩を震わせ笑うオモダカ。段々と大きくなり、本当に嬉しそうに高笑いをする。
「アハ! アハハハハ! まだ弛んではいけませんよ!」
キラフロル出す!!
「わっぷるさん!」
「バルブ!!」
真打ちわっぷるさん登場!
「えっとそばえて、わっぷるさん!」
わっぷるさんテラスタル!
「トレーナーを導く光あれ、キラフロル!」
キラフロル、テラスタル!
ヘドロウェーブを出されるがアイススピナーでくるくるかわしてついでに攻撃。急所に当たるがそこまでじゃない。
「これは手痛い。スタンディングオベーションものですね」
オモダカ、まだまだ余裕の笑み。
「さすがにこおりづけにはできんかね」
「技はこのように放つのです。頂点を感じてください」
キラフロル、テラバースト! 近距離でまともにくらいピンチのわっぷるさん。でも笑ってる。
「わっぷるさん、アクアステップ!」
最後のアクアステップ! キラフロル、マジカルシャインで目眩まししようとするが、現れた水しぶきに撹乱され動きがさだまらない。そして見事な足技をくらい倒れるキラフロル!
「いやったあ!」
「バルーブ……!」
歓声を上げるふたり。
オモダカ、満足げに息をつき、静かに拍手。
「──想像を、ゆうに越える」
ヨーコ、みんなを回復させオモダカに向き直る。
「……素晴らしい力、素晴らしい技の連続でした。
──パルデア地方にまた一人、偉大なトレーナーが誕生しましたね」
オモダカ、にっこり笑う。
「おめでとうございます。新たなチャンピオン、北條陽子」
チャンピオンの二つ名がつき、思わず笑みがほとばしるヨーコ。
「ありがとうございます!」
「今度こそ、ほんまにおめでとさんやな!」
四天王がお祝いに来てくれた。
「チリさん!」
「わーい! おねーちゃん! やりましたのー!」
「ありがとうポピーさん」
「……おめでとうございます」
「ありがとうございます、アオキさん」
「あ"……、あ"っぱれ"!! 小生(じょう"ぜい)は猛烈に感動(がんどう)じでいま"ず!!」
ハッサク再び大泣き。
「うげっ、また泣いとる……」
「あはは……、ハッサク先生、どうもです……」
げんなりなチリ達。また苦笑するヨーコ。
「貴方たちポケモントレーナーは、このパルデア地方の宝物……。チャンピオンはその中でもひときわ輝く存在です」
オモダカ、チャンピオンリボンを渡しながら、
「チャンピオン・ヨーコ。パルデアのトレーナーたちを、その背中で導いてくださいね」
「はい!!」
「本日はもう遅いですし、仮眠室をお貸ししますね」
「え、ええんですか」
「ええ。お父さまともお話があるでしょうし、私も今日は隣で休ませていただくことにします」
と、スマホロトムを見て、
「先に入り口まで行きましょうか。きっと見知ったご学友が、貴方をお待ちかねですよ」
誰なのかすぐにわかり、顔が輝くヨーコ。
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