season5 14話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
14.『学校最強大会! VSオモダカ』
朝から始まった試合。決勝戦時には夕暮れ時を迎えていた。
「残すところ、あと一試合となりました……」
放送もどこか重々しい。ネモも応援席にやってきた。
「学校最強の名を奪い合う最後のポケモントレーナーはこの方たち!!」
アナウンス読み上げる!
「チャンピオン・ヨーコVS……」
ヨーコ、バトルコートへ赴く。
「……本大会の特別ゲスト、トップチャンピオン・オモダカ!」
優雅にやってきたオモダカ。
「ごきげんよう、チャンピオン・ヨーコ」
「こんばんは、トップ・チャンピオン、オモダカさん」
互いに挨拶。
「決勝戦で貴方とお会いできると思っておりました」
「うちもです」
オモダカ、静かにうなずき返し、イケ指ポーズで、
「研鑽された力と力……、それらがぶつかりあい、人々を熱狂させ魅了する……。私が想像する理想の世界に非常に近い状態です。
ポケモンリーグ委員長としても、アカデミー理事長としても、非常に満足しております」
オモダカ、ヨーコを見据える。
「この場で私たちが高めあえば、さらにシナジーを生み出せる」
ヨーコ、無言で構える!
「さあ、チャンピオン・ヨーコ! 人々をさらなるステージへ導くため! トップチャンピオンの力、振るいましょう!」
オモダカ高らかに宣言! グローブをつけ直しクエスパトラ繰り出す!
「貴方と私、ふたりの力でみなさんを導きましょう」
イケ指ポーズしつつ、語りかけるオモダカ。こくりとうなずき、ぴっかりさんを出すヨーコ!
「やろっか、ぴっかりさん!」
「ピーカチュー!」
ぴっかりさん、さっそくかみなりパンチ! しかしルミナコリジョンで特防がっくり下げられる。
「やっぱし怖いわ、この技……」
急いでかみなりパンチ! 倒れるクエスパトラ!
2体目クレベース対ヒナじろう。ルミナコリジョンお返し。しかしかみくだくで応酬される。しかしドリルくちばしで振り払いマジカルシャインでとどめ。
3体目、ドドゲザン対まんじゅう。特性:そうだいしょうで少しパワーアップのドドケザン。
しねんのずつきを器用にかわしてがんせきふうじで動きを封じる。が、しねんのずつきで大ピンチ。じしんで応酬。しねんのずつきなんとかかわしてまたまたじしん。倒れるトドゲザン。
4体目、ミガルーサ対ゴンさん。こおりのキバくらうものしかかりでまひ。かみくだくを返して倒す。
5体目、わっぷるさん対ゴーゴート。アクアステップでダメージいまいちでも素早さ上げる。対してゴーゴートはビルドアップで攻撃準備。アクロバットで翻弄&効果抜群だが、ウッドホーン返されピンチ。しかも向こうは体力回復。しかしめげずにアイススピナー! 倒れるゴーゴート。
「ラストにふさわしい、最高の勝負を飾りましょう」
オモダカ、拍手しつつ6体目キラフロル出す。
「戦いたがっとったもんね! 頼んだポンさん!」
碧の仮面ポンさん登場!
「一味違ったテラスタルじゃ! 面影宿して、ポンさん!」
ポンさんテラスタル! 大歓声。
「パルデアの未来のように光あれ、キラフロル!」
キラフロルもテラスタル!
ポンさんじごくづきで牽制! キラフロル、ヘドロウェーブ! 効果抜群でピンチ!
「強いのは当然……。さらに魅せてこそチャンピオンですよ」
キラフロル、テラバースト!
「確かにほうじゃ! ポンさん! 必殺のアレやりますか!」
「ぽにおーん!」
ポンさん、ツタこんぼう! テラバーストとかち合う! しかし屈折させ逃し、振りかぶってとどめ!
「やったねポンさん!」
「ぽーにー!」
勝鬨を上げるポンさん。周りからも息を飲む声が。
オモダカ、静かに目を閉じ、拍手を送る。
「──パルデアの未来は、実に明るい」
一気にどよめく会場。
「な、なんと、学校最強大会、勝者は……」
アナウンスも思わず噛んじゃう。
「すなわち、学校最強のトレーナーは……」
みんなうずうず! ついに発表!
「チャンピオン・ヨーコだー!!」
「うおおおお!!」
大歓声! ヨーコ小さくガッツポーズ!
「やったね、ヨーコー!」
ネモも大喜び! ヨーココール巻き起こる!
「ヨーコ! ヨーコ!!」
「ヨーコ! ヨーコ!!」
「ヨーコ! ヨーコ!!」
「ヨーコ! ヨーコ!!」
「ヨーコ……! ヨーコ……!」
*
閉会式。開会式と同じ感じの位置にみんなつく。
「皆さん、お疲れ様でした」
挨拶するクラベル。
「どの試合も、トレーナーとポケモンの絆が光る目の離せない勝負ばかり……。
ひとりひとりの個性を大切に、未来を切り開く! グレープアカデミーの校訓が体現された、素晴らしい大会でした! ……校長の話は長くなりがちなので、ひとまずこのへんにしておきましょう」
クラベル、オモダカの方を向き、
「特別ゲストの理事長オモダカさん、一言お願いします」
オモダカうなずき、
「トレーナーたちの切磋琢磨! お集まりいただいた方々の鼓舞激励! すべてがこの学校……、ひいてはパルデア地方を盛り上げる最高のエッセンスだと感じました」
オモダカ、ヨーコを見て、
「チャンピオン・ヨーコは最終試験よりお強かった……。その立場に甘んじることなく、おのれを磨いているのです」
ヨーコ、謙虚に会釈。オモダカ、みんなに向き直る。
「さらに強くなりたいという彼、彼女たちの熱い躍動が、パルデアの皆さまにも伝導し……、ひとり、またひとりと未来のチャンピオンが芽吹くことを、私、心よりお待ちしております」
「オモダカさん、ありがとうございました」
クラベル、宣言する。
「これにて、本大会は終了です! ……のつもりだったのですが、生徒と先生の交流にもなり、地域の活性化にも繋がりそうです。よって……」
クラベル、一息置いて、
「学校最強大会(バトルスクールウォーズ)はこれからも! 定期的に続けさせていただきます!」
みんな大歓声!
「わー! わー! 校長最高ー!」
「次はワタシも参加しようかな……?」
ネモまたまた大喜び!
「やったー!」
「次回はネモさんも出場してくださいね」
「はい! 絶対出ます!」
ネモ元気よくお返事。クラベル、改めて宣言。
「これにて第一回学校最強大会(バトルスクールウォーズ)は終了です! 次回もお楽しみに!
皆さんありがとうございました!」
「ありがとうございましたー!」
それからみんなヨーコにわらわら。学校大会優勝のお祝いとチャンピオン就任祝いが食堂で始まりどんちゃん騒ぎ。9時くらいにお開きになって、ネモと寮に戻るヨーコ。
廊下をふたりで歩きながら、
「ヨーコ、改めて優勝おめでとう!」
「ありがとう、ネモさん」
「なんか途中から、みんなバトルスクールウォーズって言っててゾワついちゃったよ!」
「あ、あはは……」(汗)
と、ネモが帽子をくれる。
「あ、これ優勝賞品!」
「わあ、リーグのスポーツキャップじゃ!」
「最後大騒ぎでどんちゃん騒ぎになだれこんだから、クラベル先生渡しそびれちゃったって!」
「ふふ、校長先生にもお礼言わんとね」
「学校最強の座は、ひとまずヨーコに預けとくよ! 次回はわたしも参加するから、うかうかしてらんないよー!」
「うん、うちもがんばる」
ネモ、エントランスの方向を向いて、
「あ、大会に参加する時はスタッフさんにエントリーしてね」
「うん」
ネモしみじみと、
「ヨーコがパルデアに来てくれて、ライバルになってくれて……、毎日が本当に楽しいの」
ヨーコをまっすぐ見る。
「出会ってくれて、ありがとう!」
ヨーコ、今までのことを思いだし、込み上げてくるものをこらえて笑う。
「そんな、こちらこそじゃ。うちも楽しい!」
「えへへ……、なんだか照れるね!」
照れ笑いネモ。
「これからも、いっぱいいーっぱい勝負しよっ!」
「うん!」
お休みの挨拶を交わし、部屋に入るふたり。
お風呂入り終わるなり、ヨーコ、ベッドに倒れこんですやすや眠る。ぴっかりさん出てきて毛布かけ、自分も眠る。