season3 3話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
3.『謎解きはグルメと共に?』
時は戻り、キタカミから来たポンさんとゴンさんにパルデアのご飯を奢るべく、ジムチャレンジも兼ねてチャンプルタウンへ向かうヨーコ。
列柱洞の中を観光したりオージャの湖沿いの道を通って到着。夜だったのでカフェを兼ねた宿屋に泊まる(ウエイトレスのウメさんと勝負し勧められた。ポケセン近くの喫茶店とこ)。
夕食をたくさんいただき(ぴっかりさんはつい食べ過ぎてダウン)、翌日朝早くからジムへ(朝食はコーヒーとミツハニーのミツサンドですませた)。
入ると後ろから声が。
「ヨーコー!」
ネモだった。
「ネモさん!」
「ジム入ってくの見えたから、走ってきちゃった! この前から勝負できなくてごめんね」
「ううん、こちらこそ手伝ってもろうてありがとう」
「いいってことよー!」
と、ネモ、ハッとし、
「あ、全然そんなんじゃないよ! 戦いたくて追いかけた訳じゃ……。でもちょっとだけ勝負はしたいな……。……いい?」
「もちろん!」
「やった! ヨーコと戦えるの嬉しい! なら今のヨーコにあったポケモンで戦いたいなー!」
ネモ、少し考え、
「ごめん! 少しの間、手持ち考える時間ちょうだい! その間、ヨーコはジムへの挑戦おさきにどうぞー!」
見送るヨーコ。ということでジム受付へ。
「こんにちは! ジムチャレンジお願いします!」
「ようこそチャンプルジムへ! 挑戦者のお名前を登録します……。北條陽子さんですね」
「はい」
「当ジムリーダー、アオキと勝負するには、ジムテストに合格する必要があります」
ごくり。生唾を飲むヨーコ。
「チャンプルジムのジムテストは……、秘密のメニューを注文せよ!」
「秘密のメニュー? 町ん中で何か言うとったような」
「合格条件は、チャンプルタウンで大人気のお店、宝食堂にて秘密のメニューを注文することです。
今、この町にはあなた以外に3人のジムテスト挑戦者がいます。参加者は秘密のメニューについてそれぞれ違ったヒントを知っています。挑戦者同士でポケモン勝負をして、勝った方が負けた方のヒントを教えてもらい、集めたヒントを元に、宝食堂の店員さんに秘密のメニューを注文してください。注文できた一名のみが、ジムテストの合格者となります。
ヨーコさんのヒントは、常連さんの食べ方、です!」
「常連さんの食べ方」
「宝食堂の常連さんに話を聞いてみるといいかもですね!」
「わかりました! ありがとうございます」
お礼を言って外に出る。食堂に向かう前に(ハッサク先生の授業で名前言うとったなー、とか思いつつ)、他の挑戦者を探すヨーコ。
「秘密のメニューを注文……」
ぶつくさ言っている女生徒(アキホ)発見。
「あのー、挑戦者さんですか?」
律儀に聞くヨーコ。するとバッ、と振り向いて、
「あなた、秘密のメニューのヒント知ってる?」
「ええ」
「それじゃ負かして聞き出すね!」
「キタカミ帰りのお手並み見せたる!」
勝負。相手はリングマ。ゴンさん行く。
「ゴンさん、お披露目じゃ!」
「ゴン!」
なかよくする、で攻撃をさげられる。ほしがるで攻撃。あまり効かない。
再びなかよくするをくらうも、いやな音攻撃で防御をがくっと下げる。
あまいかおりで回避率さげられる。しかしのしかかりで攻撃。きりさくをくらうものしかかりでとどめ!
「ゴンさん、よかったよ~」
「ゴ~ン」
「ヒントを奪い合うジムテスト……。いやらしいわ!」
「じゃ、教えてつかあさい」
「私のヒントは、『階段に囲まれた暗闇』! こんな町の中に暗闇なんてあったっけ?」
「暗闇……」
考えこむヨーコ。ふと後ろを見ると昔使われていたという舞台が。真ん中にぽっかり暗闇。
ひらめいて行ってみる。
奥にうっすらと文字が。
「『だいもんじ』。……すっごい炙り焼きの料理なんかね?」
離れてアイスの屋台近くへ。
「チャンプルジムチャレンジー、がんばるぞー」
と張り切ってる女の子生徒(カナコ)に声をかけられる。
「あ! ジムテスト受けてる人ですよね!?」
「ええ」
「秘密のメニューのヒント教えて教えて教えてー!」
「んー、じゃ勝負しましょか!」
相手デカグース、こちらゴンさん。
いかりのまえば。いやなおと攻撃。しかしとっしんでピンチ。のしかかるでワンパン。
次、ヨクバリス、ポンさん。
「ポンさん頼んだ!」
「ぽにお!」
さっそくローキック。しかしカウンターでピンチ。めげずにツタこんぼう! 勝利!
「やったぁ! さすがポンさん!」
「ぽに~」
「ポケモンみたいにヒントも交換できればいいのに」
「あんたのポケモンさんも強かったよ」
「ホント? ありがと。私のヒントはね、『アイス屋台の仲間外れ』。……負けて悔しいから、アイスやけ食いしちゃう!」
さっそく屋台の看板を見てみる。
ひとつめ、なんの変哲もない。ふたつめ、なぜか焼おにぎり。
「これじゃ!」
ついでにゴンさんにねだられ、ポンさんも含めてアイスを食べる。
最後のヒント、歩いてる途中で青いイキリンコを乗っけたドライバーさんを見かけるも、
「ジムテストの挑戦者いないか!?」
という呼びかけの方へ行くヨーコ。男生徒(ショウ)がいた。
「ここです!」
「ヒントを教えてもらおうか!」
「その言葉、そっくりそのままお返しします!」
ノコッチ、ゴンさん。
あくびをくらう。いやなおと攻撃。ハイパードリルに耐えてのしかかり。でも眠ってしまう。
ポンさんに交代。
ハイパードリルくらうも、ツタこんぼうで切り返してとどめ!
「負けたら自分のヒントを教えるんだっけ」
「ええ、お願いします」
「オレがもらったヒントは、『青いとりポケモンの声』だよ! 謎のワードが気になって勝負に集中出来なかったぜ……」
「青いとりポケモン……」
イキリンコを思い出す。直ぐに近くに言ってやくよく聞いてみるヨーコ。
「聞いてごらん! イキリンコがしゃべるよ!」
「シャベルヨ! シャベルヨ!」
「かわいいだろう! こんなの朝飯前さ!」
「アサメシマエ! アサメシマエ!
ニニンマエ! ニニンマエ!」
「!」
気づくヨーコ。最後のヒントを求め宝食堂へ。中に入り、常連さんっぽい人を探す。
美味しそうに食べているお客さん達の中で黙々と、でも何だか本当に美味しそうに食べているサラリーマンを見つける。
声をかけてみるヨーコ。
「あのう、常連さん、でしょうか……?」
箸を止め、こちらを見るサラリーマン。少しだけ目を見開いたようだが、すぐに何もなかったように、
「いかにも……、自分はこの店によく来ています。……ジムテスト挑戦者ですか」
「はい。北條陽子といいます」
「……ご丁寧にどうも。レモンをしぼると、さっぱりとしてうまいですよ。……大人にならないとわからんかもしれませんが」
「ありがとうございます」
ヒントはそろった。店員さんに声をかける。
「店員さーん」
「あ、ジムテストのお客さんですね! 宝食堂、秘密のメニューのヒント、集まりましたか?」
「はい!」
「それでは、ご注文をお願いします」
ヨーコ、深呼吸して、
「焼おにぎりを」
「何人前ですか?」
「二人前で」
「火加減にご希望は?」
「強火のだいもんじで」
「付け合わせに何かお持ちしましょうか?」
「レモンをお願いします」
「焼きおにぎり二人前! 強火だいもんじレモン添えー!」
すると厨房から、
「あいよー! 焼きおに2! だいもんレモンぞえ~!」
おばさんの元気な声。同時に真ん中のスペースにいたお客さんが奥に行き、そこが音を立てバトルコートに!
「えーっ!?」
思わず叫んでしまうヨーコ。
「おめでとうございます! ジムテスト合格です!」
「へ、合格……?」
「ヨーコさんには、ジムリーダーと勝負する資格が与えられます。勝負の準備が出来ましたら、もう一度お声がけください」
気を取り直し、ボールを見つめるヨーコ。うなずき返すメンバー。
「店員さん」
「非凡サラリーマン……、ジムリーダー、アオキに挑みますか」
「はい」
「それでは、バトルコートへお上がりください」
振り向く店員さん。
「アオキさーん! 出番だよー!」
「え」
するとさっきのサラリーマンが立ち上がる。
「──どうも」
「あなたは……」
目を見開くヨーコ。