season10 21話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
21.『絶対零度の王子さま』
実家のパーティーのためにやっぱり泣く泣く帰るネモ。ポピーはもう少し残る。
元気になったので、雪原で授業をするべくグルーシャを呼ぶヨーコ。
美男子なので当然黄色い声が上がる。当然ポピーからも……。
「わー! おにーちゃん、おうじさまみたいですー」
「え、なに……、ぼくのこと?」
「はいですの! どうしておくちをかくしているんですのー!?」
「これは首もとの防寒や保温のために……」
「おくちだしたらいいですのに」
「いや、ここ、サムいし……」
「おくちだしたらいいですのにー!」
ポピー、謎の圧。
「……一瞬だけ」
グルーシャ、口元チラリ。
「きゃー!! おくちもおうじさまですー!」
歓声を上げるポピー。グルーシャ、軽く頭を抱え、
「なんでこう、リーグの人ってあれなんだか……」
*
(回想)
「チリさんは……」
「チリちゃんで ええで」
「……そういうのサムいから。で、聞きたいんだけど、チリさんはポケモンリーグで……」
「お!? チリちゃんはポケモンリーグで……!?」
「……もう いいよ」
「なはは! ごめんて!」
(回想終わり)
*
ここでヨーコ来る。
「……あんたか。ドームのポーラエリアには 行った? あれすごいね。人工雪とは思えないほど、やわらかくてまるで天然みたい。直線も曲線も充実してて、ボードに乗るにはうってつけだ」
「え、グルーシャさん今でも乗りんさるんです!?」
「……あ、そういう意味で言ったんじゃない。雪山見ると観察するクセ、直ってないだけ。
あんな山を校内に作るなんて。……すごいとこだね、ここ」
授業をするヨーコを見て、コルサと話したことを思い出すグルーシャ。
*
(回想)
「あんた、怖くないの? 才能が枯れること……」
「もちろん、昔は怖かった。……が! 今は何も恐れていない」
「……どうして?」
「ワタシは一度、芸術家として死んだのだ。そのときを思えば、生きているだけで儲けもの。どのような失敗をしたとて、もはや微塵も響かん」
「ふーん」
「よくわからんが、グルーシャよ、キサマも同じではないか?」
「知ったような口……。ありがたサムいよね」
それでも柔らかい。ヨーコのことを思い出したから。
(回想終わり)
*
その後グルーシャと周作が少し話したり、ゼイユがどや顔したり。
「ふーん? 確かにきれいな顔よね。あたしほどじゃないけど!」
ヨーコたち、(汗)。
なおポピーから無慈悲なツッコミが来たり。スグリは笑いこらえるのに必死。