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season1 8話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
8.『秘伝スパイス、岩壁にあり』
翌日、東門から出て岩場のポケモントレーナー達と勝負しながらヌシの居場所を目指すヨーコとぴっかりさん達。
ボウルタウン近くの崖まで来たところで、ペパーから連絡が。
『よう。ヨーコ、のスマホで合ってるよな?』
「うん、ペパーさん。少し遅くなった。ごめん」
『いや。ってことはちゃんと旅立ったんだな。
そうだ、この岩場のどっかに岩壁のヌシがいるらしい。このあたり探してみたんだが、全然見つかんねえんだよ! まさか高い壁にひっついてる……、なーんてことはないだろうし! そんなに深いところにはいねえはず……。だから探しすぎて崖から落ちんなよ!』
電話の後、普通のガケガニが岩壁に張り付いているのを見ながら歩く(図鑑も見る)。
その内目撃したという人に出会いヨーコ達もそちらに行くと、とんでもない大きさのガケガニがくっついていた。
「……大(おお)けー」
「……ピー」「……プル」「……ウパ」
安全のためぴっかりさん達をボールに戻して近付くと上に逃げる。ミライドンにライドして上ってみると、襲ってきたので勝負。
「ンガアアアニィ!!」
「わっぷるさん、あんたに決めた!」
みずの技で追い詰めるわっぷるさん。しかしあと少しというところで下に逃げられる。ミライドンに乗って落ちると、崖壁を壊してなにかを食べ始め……。
*
「あれは……」
「ヨーコ! ヌシを見つけたのか!?」
タイミングよくかけつけてきたペパー。
ヨーコ指差し、
「ペパーさん! あれ!」
「アイツが岩壁のヌシ……! でかすぎんだろ!」
「見た人も壁かと思うたって言いんさっとった」
なんか元気になってるガケガニ。
「スパイス食って強くなってるのか……?」
戦闘態勢に入るヌシのガケガニ。
「ヨーコ! 気を付けろよ!」
「うん! わっぷるさん!」
わっぷるさんを出すヨーコ。ペパーはシェルダー。
「ヤバそうちゃんだけど負けねえぞ! シェルダーではさみ揚げだ!」
がんせきふうじをはなってくるガケガニ。
にらみつけるで防御を下げるシェルダー。みずでっぽうを放つわっぷるさん。
「行けヨーコ、援護する!」
にらみつける&みずでっぽうでじわじわおいつめる。
しかしはさむ攻撃で身動きとれない。が、力を
あわせWみずでっぽう。離れるもガケガニの特性、いかりのこうらによりガケガニパワーアップ。ヨーコ、スマホロトムで調べる。
「いかりのこうら……!」
「おいおいおいますますパワーアップちゃんかよ……」
「じゃけど待って。体力半分ってことは、向こうも相当ピンチなはず。水攻めじゃ!」
「なるほど!」
「えっとそばえて! わっぷるさん!」
ヨーコ、わっぷるさんをテラスタル。
再びWみずでっぽう。そしてダメおしのアクアジェットで倒れるガケガニ。勝利をおさめる。
「やった……! ありがとうわっぷるさん!」
「ワプ~」
ぴっかりさんとまんじゅうも出てきて労う。
「ピチュピーチュ!」
「ウッパー!」
「ワプッ!」
わっぷるさん嬉しそう。
「うっし! ヨーコ、お疲れちゃんだぜ!」
「ペパーさんも援護ありがとう」
「にしてもヌシポケモン……。怒らすとすげー怖えんだな」
「うん。それに大けえし」
「よし、アイツが食ってた秘伝スパイスはこの中にあるはずだ。戻ってこないうちにちゃっちゃか調査しようぜ!」
「うん」
洞窟に入るふたりと3匹。
「薄暗いから気を付けろよ……」
と、広いところまできて、
「あーっ!」
叫ぶペパー。目の前には桃色に輝くスパイスが!
「これ、秘伝スパイスだ! 本で見たまんま!」
「これが……。なんか甘い匂いのする」
「ひでん・あまスパイスだきっと……!」
摘み取り、歓声を上げるペパー。
「うおー! やったぜヨーコのお陰だ!!
えーとなになに? 本によると……、胃を健康にして、食べ物を消化しやすくしてくれる! 腹痛や食欲不振にも効果絶大なんだとさ!」
「お腹壊した時とか熱出た時に良さようなねえ」
「はやく食わせてやりたいな……」
「え?」
誰にだろう、と思うヨーコ。一方はりきるペパー。
「よっしゃ! 腕によりをかけて料理してやるぜえ!」
ペパークッキング開始。みる間に出来上がっていく。
「うおおおおおお! ずりゃ! おりゃー!!」
(す、すごい勢い……)
サンドウィッチ完成!
「お待ちどうさん! スパイスたーっぷり、ペパーサンドウィッチ完成だ!」
「わぁ、おいしそうなね!」
「あとヌシポケモン倒してくれたお礼のバッジもやる! ジムバッジのレプリカ、アレンジしたんだ」
「ありがとう。それじゃいただき……」
「アギャ!」
ミライドンひとりでに出てくる。
「ミライドンさん!」
「げっ、コイツ。なんだよ! 自分で出てきたのか……?」
ヨーコのサンドウィッチの匂いを嗅ぐ。他のメンバーは既に細切れをパクパク。
「……おい、オマエのはないぞ」
グギュルル、と腹の虫が鳴るミライドン。
「……食べてええよ」
ヨーコ、サンドウィッチをあげる。ガツガツ食べるミライドン。
「あー! せっかく作ったのあげちまってさ!
もうヨーコの分ないからな……」
「ええよ。後で別の食べるけ」
「あーもうッ! なんかオレだけイジワルなヤツじゃん!」
サンドウィッチ半分に切り、ヨーコに渡す。
「ほら、オレの半分やるから、たーんと味わって食えよ」
「ありがとう。いただきます」
食べるヨーコ。ぱあっ、と笑顔になる!
「すっごく甘うておいしい! ムクロジのケーキ、いや、甘露煮みたあじゃ!」
「へへ、そうだろ!」
「ごちそうさまでした」
「お粗末様!」
「グアッ、グァッー!」
食べ終わったらしいミライドン。
「ん? もう食い終わったのかよ?」
「アギャアス!」
ミライドン、体が光る!
「は!? え!?」
「なんだあ!?」
元に戻る。どことなく凛々しい。
「んん?? なんかコイツ、パワーアップしてねえ……?」
「うーん、言われてみれば……!?」
「アギャ!」(その通り! といった感じ)
「うおーマジか! スパイスの力ってすげー!! こんなにも効果があるなら、きっと……!」
「きっと?」
ヨーコに聞かれ、ハッ、とした感じのペパー。
「きっと、宝探しに役立つんじゃないか? そうに違いねえ! うんうん!」
「まぁ、体にすごくええもんね」
「よっしゃ! 秘伝サンド食って腹いっぱい! 後片付けでもするか」
「うん」
立ち上がるヨーコ。慌てて止めるペパー。
「オマエはいいって! ヌシと戦って疲れてるだろ! あとはオレにまかせて、残り4つの秘伝スパイス、先に探しててくれよな!」
「うん、ありがとう。ごちそうさまでした」
「ワップ~!」
お礼を述べるわっぷるさん。ぴっかりさんとまんじゅうもペコリ。
「じゃあな!」
手を振って見送るペパー。
「──本当に、ありがとうな……」
黙ってボールを取り出すペパー。悲しそう。
「もういいぞ。──出てこい」
*
一方、外に出るヨーコ。すると電話が。
「はい、北條陽子です」
『ハロー、ヨーコ。こちらフトゥー』
「博士!」
『ミライドンが本来の力をひとつ取り戻したようだな』
「わかるんですか?」
『ボールから送られてくるデータでね。ライド状態で走るダッシュの速度が上がったようだ。
その調子でパルデアの広大な大地を駆け巡り、ミライドンと共に冒険を続けてくれ。
キミ達の旅に決められたルートはない。マップを確認し、キミ達自身で目的を発見したまえ。好奇心をそそられた場所を気ままに探索するのもよいだろう。様々な経験がキミ達を大きく成長させるはずだ。……引き続き、ミライドンをよろしく頼んだよ』
「はい」
電話切れる。ついでにマップ確認。
「……ボウルタウン。二番目のジムの場所……」