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season1 26話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
26.『切った張ったはジムの競り』
カラフシティのポケセンでぴっかりさんを回復させジムに行くとハッサクが。
「ありゃ、ハッサク先生」
「ヨーコくんじゃありませんか」
ハッサク、笑ってくれる。
「よき調子でジムを巡っているそうですね」
「いやいや、相棒達が頑張ってくれとるお陰です」
と、ここで、
「なんや? もしかして噂の……?」
奥から謎のキレイな人が来る。ヨーコを見て、
「へー! 自分強さエグいらしいやん!?」
「えっ、いやそれほどでも……」
「よう言うわ! 自分謙虚やなぁ」
若干呆れたように言うキレイな人。ハッサクが紹介する。
「彼女の名はチリ」
チリ、にこやかに、
「まいど! チリちゃんやで。美人さんやけど、怖がらんといてな」
ヨーコも自己紹介。
「初めまして、北條陽子です」
「北條? ああ! 自分、確か法務部の北條さんの娘さんやったっけ?」
「はい」
「へー。チリちゃん、自分のお父さん遠くからしか見たことないけど、やっぱしどっか似とるなあ」
照れるヨーコ。
「少しふざけた女性ですが、小生と同じく四天王なのですよ」
「いやふざけてへんけど……?」
ハッサクにツッコみ、ヨーコに向きなおるチリ。
「それにしても、ふうん……。自分パッと見た感じ、なかなかおもろそうやんな?」
「は、はあ」
戸惑うヨーコ。ハッサクが、
「我らがアカデミーの優秀な生徒でありますからね」
「なはは、そらそーや」
笑うが、急に真顔になるチリ。
「けど、ジム巡るんは半分越えてからがキッツイねん」
「確かに、並みのトレーナーは、大半がこのあたりで脱落します」
「……でも、自分は違うやろ?」
まっすぐ見つめて笑うチリ。ヨーコ、周作の宝探しの話を思い出す。
──『わしはポケモン勝負苦手じゃけ、ジム巡りは頑張ってようやっと4つじゃった。けど、ヨーコとぴっかりさんなら、わしらの代わりにいけるかものう』
うなずくヨーコ。
「──はい」
「チャンピオンテストで待っとるさかい、残りのジムもせいぜいきばりやぁ」
「武運を祈っておりますよ」
「ありがとうございます」
ジムを出るふたり。見送るヨーコ。
という訳で改めて受付へ向かう。
「スタッフさん!」
「ヨーコさん! ハイダイにサイフを届けてくださったんですね! ありがとうございます!」
「はい!」
「ちょっと変則的ですが、ジムテスト合格とさせてください!」
「ありがとうございます!」
「いえいえこちらこそ。ではさっそくですが、激流料理人……、ジムリーダー・ハイダイに挑みますか?」
「はい、お願いします」
「それでは、バトルコートにご案内いたします」
バトルコートに着くと、ハイダイがやって来た。
「ハイダイさん、あそんであそんでー!」
「うちの店の新メニューもぜひ味見してってください」
町の人達がわいわいがやがやと、ハイダイの元へ集まってくる。
(わぁ、人気者じゃなぁ)
「悪いなみんな! これからジム仕事でな!
待たせとるもんで、ここは引いてくれないかい!」
ハイダイがわびると、
「はーい!」
「しょうぶみてまってるー!」
みんな見送ってくれた。
「お前さんか! ヘイラッシャイ! マリナードタウンでは世話になっとったな! お陰様で究極のワカメ料理が作れそうなんだい!」
「いえ、お役に立てて何よりです」
「だけども、勝負の場では手を抜かんからなあ!」
「はい!」
両者、位置につく。
「売った買ったは市の競り、切った張ったはジムの競り。技と駆け引き渦巻く海原! みずのポケモンフルコース! さあさあドドンと召し上がれえ!」
身構えるヨーコ。ハイダイ、ミガルーサを出す。
「んじゃ、うちらも波に乗りますかぴっかりさん!」
ぴっかりさんのボールを出すヨーコ。
「ピッカチュ!」
「お前さんにゃ恩義はあるが、どっこい手は抜かんからな!」
「わかっとりますとも! ぴっかりさん、エレキボール!」
ぴっかりさん先攻。効果抜群だが、ミガルーサ倒れず。アクアカッターに翻弄される。当たるとヤバいとわかる鋭さ。
「やっぱりこの技すごい。わっぷるさんのもじゃけど、ハイダイさんのは水がこがあに……!」
ついに当たる。何とかこらえるぴっかりさん。
エレキボールで撹乱し、穴を掘ったところにかみなりパンチ!
「ありがとうぴっかりさん」
ぴっかりさん戻す。次はまんじゅう対ウミトリオ。
ポイズンテール対ずつきの競り合い。しかしとうとうクリティカルヒットしまんじゅう勝利。
「潮は引いて満ちるもの! こっから怒涛の追い込み漁よ!」
ケケンカニ登場。
「さて、みずタイプ同士、暴れてくれんかね?」
「ウェルプル!」
ヨーコ側のトリはわっぷるさん。
「テラスタルじゃ! えっとそばえて、わっぷるさん!」
わっぷるさんテラスタル!
「そろそろぶっこみ大変身! 水もしたたるいいポケモン!」
ハイダイもケケンカニをテラスタル!
「男ハイダイの技さばき、流されんようしがみつけよ!」
ケケンカニ、クラブハンマーで攻撃! 急所に当たり追い込まれる。
わっぷるさん負けじとアクアカッターで牽制。急所に当てる。たたきつけるをかわしてローキック。そのまま拳と健脚のぶつけ合いに。
アクアカッターで拳を封じ込め、ローキックをヒットさせ勝利!
「ウオッ、ウオーッ! 活きがよすぎるトレーナーだい!」
町の人達からも大きな拍手。
「すごい、ハイダイさんに勝つなんて!」
「相棒達良かったぞー!」
ハイダイ、大きく笑う。
「ガッハッハ! 朝の市場のような爽やかな敗北だった! お前さんにとって、オイラはまな板の上のコイキング! お手上げ水揚げ大漁大漁だい!」
「いえいえ、こちらも危なかったです」
「競り合いに怯むことなく、よくぞ勝利を釣り上げた! お前さんがジムバッジを手に入れる瞬間を! 前々からオイラがやりたかった映え~なポーズで記念撮影だい!」
ということでパシャ。
「お前さんならこの技も使いこなせる、 出血大サービスで持ってってくれい!」
ひやみずのわざマシンをもらう。
「さあて、そろそろ店の下ごしらえをおっ始めんとな! またのご来店をお待ちしとるからな!」
「はい!」
ジムに報告へ戻ると、
「あ、ヨーコ」
ネモがやって来た。
「ネモさん」
「ちょうど終わったとこ? お疲れ様ー!」
「うん。ハイダイさん強かった~」
「すごい、ヨーコバッジ4つめだったんだ! もう半分だ、いいねー! すくすくグングン実ってる!」
「いやいや……」
「それじゃあ今すぐわたしと勝負しよっ!」
「え」
「……と言いたいところだけど、く~! 今のわたしの手持ちジムリーダー用に調整してるんだよね! ヨーコとは最高の状態で戦いたいし、だから勝負はお預けだよ……」
「はあ」
「うう、なんて間が悪いの! ごめんねヨーコ」
「え、あ、うん気にせんで……」
「あーん! 本当にごめーん!!」
苦笑いでネモを見送るヨーコ。
ジムを出ると、ミズキや街の人から誘われハイダイ倶楽部へ。たまたまジニア先生も来ており(近くのポケモンの調査に来ていた)、一緒にミズキが作ったダンダンミェンとチンチャをごちそうになる。
厨房の陰で下ごしらえしながら微笑んでいるハイダイ。
「次は……」
帰り際、マップを見るヨーコ(ジニア先生はもうちょい調査するとのことで、カラフシティで別れた)。
スター団、どく組のところ。