season6 8話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
8.『かわいいのがお好き』
道具を見直し、あらためてバトルコートへ。
「タロさん」
「ヨーコさん、勝負しますか?」
「はい。お願いいたします」
「はーい! ではでは! 位置につきましょっか!」
離れて位置につくヨーコとタロ。
「よいしょっと。……このへんかな」
ヨーコに振り向くタロ。
「あらためまして、四天王タロです。まさか他校のヨーコさんがブルベリーグに挑戦されるなんて正直驚きですけど……」
キリリとなるタロ。
「わたし、私情ははさみませんので!」
「ありがとうございます」
ヨーコ、ぺこり。
「えっと、わたしはフェアリータイプのポケモンを多くつれています。フェアリーでピンクだし、キュートでかわいいですよね」
「確かにです」
「その弱点はどくやはがね! ジュワ~やカチカチはわりと苦手……」
タロ、はっとして、
「あ、すみません、もちろんヨーコさんならご存知ですよね」
「はい、まぁ……」
「今回はわたし、本気でお相手しますので……」
にっこり笑った後、またまたキリリ!
「いっぱい知ってもらえると思うんですよ。……かわいいが最強ってこと!」
「……一部同感!」
タロ、ヘアピンをなおしエルフーンとグランブル出す!
「今回は四天王として、いつものポケモン使わせてもらいますね」
「では参ります! ツノじろう、さんさん!」
こちらはツノじろう&さんさん!
ツノじろう、さっそくフレアドライブでエルフーンに突撃!効果抜群&やけどを負うも倒れないエルフーン!
「強いですねえ」
「弱点を攻めるのは定石だけど……、こっちも攻め返しちゃいますよ!」
グランブル、さんさんにほのおのパンチ! 効果抜群だが倒れず。さんさんゆきげしきで雪をふらす。たたみかけるようにツノじろうのいわなだれ。エルフーン倒れる。ほのおのパンチかわすさんさん。
エルフーンの代わりにヤドランだすタロ。
ツノじろう、さんさんにてだすけ! さんさんグランブルにアイアンヘッド! グランブル倒れる。
ヤドランかえんほうしゃを放つが、さんさんかわす。そしてツノじろうの手助けでヤドランへつららばり。4回あてるもなかなか固い。
グランブルの代わりに出たアシレーヌがハイパーボイス。さんさんはかわせたがツノじろうは効果抜群。
「効果抜群!? ノーマルタイプの技じゃ……」
「アシレーヌの特性、うるおいボイス! 音に関する技のタイプをみずタイプに変えちゃいます!」
「やだキレイなのにこわい!」
ヤドランかえんほうしゃで畳み掛ける。ギリギリで持ちこたえるさんさん。ツノじろうのてだすけを得てアイアンヘッドをアシレーヌにくらわすも倒れず。アシレーヌのハイパーボイスで倒れるさんさんとツノじろう。
「ありがとうふたりとも」
お礼を言い、ヨーコ、ぴっかりさんとべとべとさんを出す。
*
ぴっかりさん、べとべとさんのてだすけを得ていかづちおろし! 倒れるアシレーヌ。
しかしぴっかりさん、ヤドランからシェルアームズをくらう。
タロ、アシレーヌの次にマホイップ出す。
べとべとさんダストシュートくらわせようとするがかわすマホイップ。みわくのボイスをくらう。
入れ代わりにぴっかりさん、ヤドランにはたきおとすくらわす。倒れないヤドラン。だがオボンのみは落とせたが、シェルアームズを受け倒れるぴっかりさん。
ポンさん代わりに出る。ツタこんぼうでヤドランを倒す! それを受けたべとべとさん、みわくのボイスをポンさんに放った隙を狙い今度こそダストシュートをマホイップにくらわす! 倒れるマホイップ。そしてついに登場するドリュウズ!
「かわいい鬼の力見せよう、ポンさん!」
「ぽにー!」
「面影宿して、ポンさん!」
ヨーコ、ポンさんテラスタル!
「テラスタルハートに注目! もーっとかわいくなーれー!」
タロ、ドリュウズをテラスタル! ドリュウズ、さっそくじゅうまんばりきでべとべとさんにしかけるが、べとべとさんきわどくかわす!
ポンさんツタこんぼう! かするも急所でダメージ!
「変なとこ当たっちゃった! そういうのよくないと思います!」
タロ、バッテンマーク。
「失礼! 勝負なもんで!」
べとべとさんのてだすけで、ポンさんツタこんぼう!
「ドリュウズやっちゃえー! はじけてキュートな破壊力!」
ドリュウズ、テラバースト! 強力な爪攻撃! かち合う2匹!
「べとべとさん、きのみ食べれる?」
「べっとん!」
「それなら……」
ヨーコ、べとべとさんにささやきうなずくべとべとさん。べとべとさん急いできのみを食べ、毒入りじゃないげっぷでポンさんを後押し! 勢いで振り下ろしポンさん勝利!!
「やったー!」
「くやしい……、けど、かわいい」
しょんもりタロ。べとべとさんとポンさんをねぎらいながらボールに戻し、回復させていると、
「ヨーコさん、ヨーコさん!」
駆け寄ってくるタロ。
「わたしたちのポケモン、戦ってたの見ましたー!? もう本っ当かわいかったですよね!!」
「はい! みんな強うてかわいかったです!」
「うふふっ! ですよねえ! 後ろから見てるとあの子たち、お尻がとってもキュートで……」
タロ、ちょっとハッとして、
「ヨーコさんのポケモンたちもとってもとーってもかわいかったです。相棒のぴっかりさんの新技、こっちまでメロメロになりかけて危なかったですよ~」
「わあ、ありがとうございます!」
ヨーコとっても嬉しい。タロ、感嘆のため息。
「ハァー……、こんなにかわいいの二人占めは罰が当たりますね。みーんなで集まってかわいいをシェアしちゃいましょっか!」
と、
「ピカピカ!」
傷が癒えたぴっかりさんが出てくる。
ふたりで笑いあってパシャリ! ぴっかりさんとグランブル、コンパンも交えスマホをしみじみ眺める。
「よかった上手いこととれた~」
「ピカチュ!」
「はぁー、この写真永久保存版ですね……!」
タロ、はたと気付き、
「あ、かわいいの証に、こちらもお渡ししまーす」
みわくのボイスのわざマもらう。
「マホイップさんの技じゃ!」
「そのターンで能力があがったポケモンを混乱させちゃう技です!」
「か、かわいいけど怖い……」
「本気で戦ってもお強かったです。ヨーコさんがこの学園でどこまで勝ち進めるのか……、みんなと見守ってますね!」
タロ、グランブル&コンパンと去っていく。
「ありがとうございましたー!」
ヨーコ、ぴっかりさんとお辞儀。
*
それから少ししてカキツバタが来た。
「おーす、未来のチャンピオン」
「あ、カキツバタさん」
「もう四天王2人目撃破ときたかい。……持ってるねえ」
「相棒たちが頑張ってくれてますけえ」
「ピッカチュ!」
ぴっかりさん、どや顔。
「ははっ、そうかいそうかい」
「タロさんお強かったです」
「だろ? タロはかわいい好きが高じてポケモン強くなってんだよ」
どことなく嬉しそうに語るカキツバタ。
「好きだから、努力を努力と思ってねえのがすごいのさ」
「なるほど。うちの親友兼ライバルみたあね」
ヨーコ、ネモを思い浮かべる(ネモ、くしゃみのカット)。
「……ま! ヨーコも似たようなもんだろうけどな」
カキツバタ、しょんもりして、
「強さを求めて、まわりも自分も犠牲にしちまってる……、そんな誰かさんには見習ってほしいぜ」
少し黙るヨーコ。カキツバタ、後ろを向いて腕を組み、
「そういや、タロってなんでかオイラだけ呼び捨てなんだよ。……なんでだ?」
「え、うーん……」(汗)
と、
「ブルベリーグ、順調みたいだな」
声がして誰かやってきた。
「ヨーコ」
スグリだった。
「スグリさん」
ヨーコ、顔を向ける。ぴっかりさん、黙って腕組みして見上げる。
「おっと、チャンピオンさま、敵情視察ですかい?」
スグリ、カキツバタを無視し、
「……俺、心配だったんだ」
ニヤリ。あの笑み。
「ヨーコが弱くなってたらどうしようって」
少し身構えるヨーコ。ぴっかりさんは軽くにらむ。しかしスグリは前の面影が残る笑みを向ける。
「でも……、変わってなくてよかった」
目の下に隈があることに気付き、少し息を飲むヨーコ。
「ヨーコ、途中で負けないでな」
と言いながら踵を返すスグリ。
「俺の力……、見せられないから」
そのまま去っていく。
「へっへっへ、いい感じにうずいてらあ」
カキツバタ、ヨーコを向いて、
「……おっと! 時間とっちまったな」
手を振り去っていく。
「……そいじゃ、残り半天王、がんばってくれーい」
「お疲れ様です」
ヨーコぺこり。しかしぴっかりさん、いけすかない感じ。
「ピカピカ、ピッカチュ」
なんかヤな感じよねー、という風のぴっかりさん。
「うん……」
と、今度はスクエアのみんながやって来て、
「四天王タロちゃんに勝利、おめでとう!」
「君のポケモンたちも強くてかわいいね!」
なんだかんだで認められて嬉しいヨーコ。ぴっかりさんと笑い合うのだった。
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