season10 17話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
17.『カチコめブルベリ』
ポケモン勝負の勉強をするついでに手伝いをさせてくれ、とボタンが申し出てくれたため、ボタンを呼んだヨーコ。
*
「うーっす、ヨーコ」
ボタン来た。
「ここが部室? カチこみにきたよ」
「いらっしゃいボタンさん」
「ブルーベリー学園ってすご。こんなとこに留学とかヤバい」
「まあ今は先生しとるけどね」
「ってか、この部屋……、知らん人がいっぱい。なんか息苦しい……」
「大丈夫! うちもここで授業の準備しとるし、ゼイユさんもスグリさんも来るし」
「うーん、うーん……。みんながみんなヨーコみたいにコミュ力高いわけじゃないし……」
ボタン、悩んだ末に、
「まあ、リハビリってことで、ちょっとだけ……、がんばるか……」
「うんうん!」
「でも、知らん場所であんまひとりにせんでよ」
ということで翌日、ボタンのため久々にブルベリの制服を着て一緒に授業を受けるヨーコ(ドーム内でのステータス研究授業)。スグリも一緒でホッとするボタン。
「テラリウムドームヤバいな。外っぽいけど室内なんよね。外とかどうやって映してんだろ?」
「ああ、プロジェクターで映しとるって」
授業ではステータス計算を暗算でやってのけ、みんなを驚かせるボタン。スグリもびっくり。
「わやじゃ! 頭ん中ですましちまった!」
「ボタンさん理科系コースじゃけえね」
なんやかんやで放課後、ボタンはドームの休憩所でスグリとおしゃべりする。
「え、えーと……、天気? いいね……」
「そ、そうだっけか? 海の中にいるから、正確な天気わかんねけど……」
「あ、あー……、そうなんよね! 間違えた!」
ボタン、ちょっとため息。
「タイマンでしゃべるんは、まだちょっとはやかった……」
「にへへ……、ん……、んだな」
照れ笑いなふたり。
「で、でもでも! なかよくはしたいと思ってるから!」
「俺も……! と……、友達だし!」
「友達……、だしね!」
スグリと笑い合うが、慣れない場所で少し疲れている様子のボタン。それを見たヨーコ、
「ボタンさん」
「もしかしてヨーコ、うちにカチこみ?」
「そん通り!」
ボタンも笑って、
「売られたケンカは、必ず買わんとね」
ということでバトルコート!
ヨーコの久々のブルベリ姿に驚くみんな。そしてブイズを巧みに使いヨーコと互角の勝負を繰り広げるボタンに歓声を送る。
「やー、まいった。最後のブイを出さざるを得んー」
「星よきらめけテラスタル! なりたい自分になれるんよ!」
「降りそそげ星の光! ブイブイパワーでカチこみ!」
ニンフィアのつぶらなひとみと特性メロメロボディに翻弄されるも勝利!
「ブイブイたち、目も当てられん……」
*
部室に戻り、
「あーもう意味わからーん。ブイブイたちいてこまされたー」
と、ここでタロに詰められるボタン。
「あの! さっきニンフィア出してましたよね! とってもかわいいですね!?」
「わっ! だ、誰!? うち……!? えっ!?」
「す、すみませんいきなり! わたしはタロっていいます。ブルベリーグ四天王でフェアリー担当しています」
慌てて頭を下げるタロ。
「かわいいものに目がなくて、その……」
「あ、ごめ、急に来たから……。ビックリした……、だけ……」
おずおずと謝り、
「え、えっと! うちのニンフィア、ほめてくれたんよね。あ、ありがと……」
「いえいえ! かわいいはみんなの共有財産ですから!」
「意味わからんけど……、ほかのブイもかわいいよ。み、見る……?」(汗)
「わーい! ぜひ!」
「知っとる人、また増えたねえ」
ヨーコ、にっこり。
「うん……!」
ボタン、照れ臭そうに、
「団のみんな以外とこんなになかよくなれるなんて、ヨーコと会えて……、よかった」
ヨーコ、ぱちくりしてから、
「──うん! うちも!」
「あ、突然の自分語りごめん! なんか言いたくなったんよ!」
ボタンあわあわして、
「……そ、そういうことで、お疲れさまでスター」
「お疲れさまでスター」
それからタロにブイズを紹介するボタン。ヨーコはにこにこで見守っている。
このやりとりを微笑んで見ているスグリとゼイユ。