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season12 2話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

2.『キラーメは見た』


 翌日、今年度最後の学校最強大会開催! ブルベリで鍛えた技で相手を圧倒&観客を魅了するヨーコ!
(メンバーはぴっかりさんとわっぷるさん、ポンさん、ツノじろう、アメぼうとさんさん)
 そして午後16時。

『さあ、チャンピオン・ネモ! 学校最強の座、防衛なるか! それともチャンピオン・ヨーコが返り咲くか!』

 実況叫ぶ!
 決勝戦、ヨーコとネモの対決が始まった!



 一方のリーグ。ポケモン達の健康診断が午後も滞りなく行われている。最後、オモダカのポケモン達の番。執務室にて仕事をしながら待っているオモダカ。
 一瞬、セキュリティのバグが起こるリーグ。しかしすぐ元通りになり、みんな気にもとめない。
 オモダカへ書類を届けに行く周作(ハネすけ達はデスクで休んでいる)。医務室の前を通りかかると、健診スタッフとキラフロル達が困り顔をしていた。理由を聞くと、社内電話で執務室にかけているのに連絡がないとのこと。自分も行くところだから、とキラフロル達のボールを預かり執務室へ。
 ノックする周作。しかし返事はない。
 首をかしげつつ、

「失礼します」

 言いながら入る周作。
 椅子にかけられた上着。机の上の書類。
 しかしオモダカの姿は、どこにもなかった──



 時刻は午後17時30分。
 学校最強大会は激戦&接戦の末ヨーコの勝利に終わった。ちょっとしたお祭り騒ぎになっているところ、リーグから呼び出しがかかるパルデアカルテット。オモダカの執務室へ行ってみると、沈痛な面持ちの四天王とクラベルが。

「ありゃ、クラベル先生」
「いったい何があったんですか?」

 聞くヨーコとネモ。チリが口を開く。

「ヨーコのお父さんが知らせてくれたんやけどな」

 少しためらい、

「──トップがおらんくなった」

 沈黙の後、

「「「「──ええええーっ!!??」」」」

 当然ながら全員絶叫。
 ハッサクが落ち着かせ、アオキが事のあらましを話す。周作の知らせでリーグ職員全員で探したのだが見つからない。
 監視カメラにも出入りした様子はない。どうやらセキュリティにバグがおきたその一瞬の隙にいなくなったらしい。現在、警察とジムリーダー達に密かに連絡をとって探してもらっているという。
 呆然とするヨーコ達。チリは不安げなポピーを抱き締めている。
 と、そこでぴっかりさんとポンさんが出てくる。ふたり共何かの気配に気づいたらしく、揃って執務室の机の裏へ。陰を指差すので近づいてみると、怯えた様子のキラーメがいた。
 ペパーがおいしいみずときのみを与えて落ち着かせ、ぴっかりさんがキラーメの話を身振り手振りで解説。通訳するヨーコ。

「『たまたまオモダカさんの髪に絡まってたんだけど、よくわかんないポケモンが突然出てきてオモダカさんを連れていった。オモダカさんはわるあがき出来ないまんま、そのポケモンと一緒に消えちゃった。ぼくは間一髪で抜け出した』だそうです」
「よくわかんないポケモン……?」

 首をかしげるペパー。

「パルデアではあまり見かけんポケモンってことなんじゃ?」

 ボタンの言葉にうなずくキラーメ。ぴっかりさんも同じことをヨーコに伝える。

「じゃあ、誘拐ってこと!?」
「強固なリーグのセキュリティに対して、一瞬とはいえバグを起こし、その隙にオモダカさんを連れ去った。かなり強い力を持ったポケモンを連れたトレーナーが裏で手をひいている、ということでしょうか」

 考えつつ言うネモとクラベル。
 チリ苛立ったように、

「ったくどこの誰やねん。こんな真似しとんのは」

 すると、執務室のテレビが突然ついた。

『ほう、こんなに良い部屋を使っているのか』

 写ったのは、フーディンを連れた男。その背後にいるのは──
「オモダカちゃん!」「「トップ!」」

 同時に叫ぶポピーとヨーコ、ネモ。
 椅子にしばられ、ぐったりとした様子のオモダカがいた(上着は着ていないのでノースリーブシャツ姿)。



「あなたは……、確かシクータさん」

 画面を見て目を見開くクラベル。

『いかにも』

 大袈裟にうなずくシクータ(スペイン語でドクニンジンの意)。

「クラベル先生、お知り合いですか?」

 聞くネモ。クラベル、眼鏡をなおしながら、

「オモダカさんの前の、アカデミー理事長です」
「り、理事長!? うちらの時もいたの!?」

 なぜか驚愕のボタン。

「いやアカデミーは私立なんだしいるだろ。なんでそんな驚くんだ?」

 腕を組むペパー。

「や、オモダカ理事長と違ってめっちゃ影薄かったから」

 ボタンの言葉に少しだけ青筋を立てるシクータ。画面に向き直るクラベル。

「しかし、シクータさんはいじめ問題で理事長を辞任なさって以来、行方がわからなくなったとイヌガヤさんからお聞きしましたが」

 シクータ、涼しい顔で、

『まあそれはいいじゃないか。それよりも、取引をしよう』
「あ?」
「取引?」

 ガン飛ばすチリ(足トントンしてる)。聞き返すアオキ。

『諸君も見ての通り、我がフーディンの力を借りてオモダカを預かった。返してほしくば遵奉の冠を持ってこい』

 その言葉を聞いた刹那、反応するオモダカ。

『なぜ貴方がそれを!』

 シクータ、オモダカを無視し、

『場所はクスノキシティ、サンカク屋敷。クスノキ時間で翌日午前0時だ』
「クスノキシティ!?」

 思わず叫ぶヨーコ。

「こちらが現在午後6時ですから、向こうは午前1時……」
「ほぼ24時間後、ですか」

 冷静に計算するハッサクとアオキ。
 シクータ、ヨーコ達に目を向け、

『そこの学生4人だけで来い。四天王やジムリーダー、教職員は同行させるなよ。させたらオモダカの命はない。あと遅刻も厳禁だ』
「注文ばっかつけよってからに……」

 思わず毒づくチリ。足をひたすらにトントンしている。

『では、宝物(ほうもつ)が来るのを楽しみにしている』

 そこでテレビが切れたのだった。

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