
season10 15話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
15.『8回目:サバイバル講座』
アカマツとタロの熱いリクエストに答え、もうひとりの料理人サワロ先生を呼んだヨーコ。
その間、ペパーはスグリと授業受けてる。
「ペパーにとって、マフィティフは大切な相棒なんだなー」
「おう! オレが小さいころからずーっと一緒に育ったんだ! マフィティフがオラチフのころからな!」
「俺も、カミツオロチとはカジッチュんときから一緒だ」
「なら、カミツオロチが一番の相棒なのか?」
「うーん、どうだろな。ニョロボンもニョロトノも大事だし、メガヤンマも好きだし……」
考え込むスグリ。
「うぅぅ……、オオタチだって大切だし、一番は決めらんね……」
スグリ、がっくし。でもペパーは笑い、
「いいんじゃねえの! みんな一番でも!」
「にへへ……、そんなの、ありなんだ?」
何かに気付けた様子のスグリ、にっこり。
ヨーコは、授業の終わったペパーと一緒にドームでピクニック(お好み焼きサンド作る)。
「キタカミの里はアイスがうまかったな。ここの食堂だと、学園ピザがなかなかイケるぜ!」
「あー、確かに……」
「ドームで海見てたら、ノノクラゲが泳いでてビックリしたぜ! アイツ別のポケモンらしいけど、すげー似てるよな!」
「ああー、メノクラゲさんね。毒あるけえ気をつけてね」
部室に戻るとサワロ先生来ていた。
「あ、サワロ先生!」
ペパーが授業行ってる間、サワロ先生と色々話すヨーコ。
「ヨーコさん、知っているかね?」
「何をです?」
「テラリウムドームにはマホミルというクリームポケモンがいるのだ。愛らしい姿もさることながら、その体より発せられるあま~い香りは、言葉にできぬほど魅力的なのだ……」
サワロ先生うっとりしてから、
「きみはマホミルの一風変わった進化方法を知っているかね?」
ヨーコ、道具研究の授業とタロの話を思い出し、
「ぐるぐると回る!」
「ヨーコさん、ご名答だ。すでに試していたのかな?」
「いえ、こっちでの授業とタロさんのお話で」
「なるほど。マホミルがマホイップに進化するには、手持ちに入れてぐるぐると回ってみることだ。さすればクリームがかきまぜられて、ふわっふわのマホイップになるだろう。そのとき、マホミルにアメざいくを持たせるのも忘れぬように。
持たせたアメざいくや回り方でマホイップの姿が変わるので注意だ。ワガハイのマホイップも、今の姿になるよう回転を調整したのだよ」
サワロ先生にっこりと、
「マホイップと出会えたのと、きみが学園に呼んでくれたからだ。各地をまわったきみは、特にいい出会いが多かったことだろう」
胸を熱くさせながら、大きくうなずくヨーコ。
*
ヨーコの授業にて、サワロ先生とペパー。
「ペパー青年よ。例の料理は順調かね?」
「ヨーコに手伝ってもらって、なんとかやりきったぜ!」
ペパー、サムズアップ。
「サワロせんせが教えてくれたから、とびっきりのサンドウィッチ作れたんだ!」
「それはいい知らせだ」
サワロ先生もにっこり。
「せんせが授業で言ってたこと、本当だったなー」
「ふむ? なんのことかね?」
「料理は誰かと一緒にやったほうがー、ってやつ……」
授業の回想。ペパーにっこり。
「親友とメシ食うのってさ、ひとりよりすっげーうまかった!」
「フフ、そうか……!」
ということでサバイバルの講義。
それからアカデミーの授業を受けるために帰るペパーを姉弟と見送る。
スグリ、切り出す。
「ヨーコ! 俺な! ブルベリーグから……、正式に除名……、してもらった!」
ネリネの話を思い出し、
「イヤに、なったん?」
「あっ、ヨーコのせいとかイヤになったとかじゃ、ねんだ」
慌てて否定するスグリ。
「今まで、俺、ヨーコみてえに強く……、強くなりたくて、勝負が楽しいってこと、忘れてた」
ヨーコをはっきり見て、
「だから、少しの間自分見つめなおしたい。仲間とも、ポケモンっことも、ありのままで接したいと思ったんだ」
「うん。ええ理由じゃ思う!」
「……うん! ありがとな」
スグリ、にっこり。
「俺以外、四天王以上の顔ぶれは変わんねから、アカマツも都落ちしなくて安心だ」
スグリ、キリリと、
「でもヨーコ! 気ぃ抜いたらダメだ!」
ヨーコも居住まいを正す。
「ヨーコが帰るまでに区切りつけて、チャンピオンさ、狙いにいっからな!」
「……うん、楽しみにしとる!」
ヨーコにっこり。
「にへへ……、うん!」
スグリもにっこり。ゼイユも優しく見守っていた(この時点で残り1月)。