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ジャズ曼荼羅の世界


─ ジャズによる感性と悟性の順化を求めて ─

新装・増補改訂版「ジャズる縄文人」より
合掌土偶・国宝と村の風景
イラスト金子大輔
#縄文ジャズ
#心理脳科学


脳卒中で4年前に倒れてから、脳科学に関心が移ってきた。
と言っても、ネットで探した論文や関連書籍と脳科学の達人という、「日本神経科学学会」のユーチューブ「脳科学の達人」拝聴程度である。
 ジャズ曼荼羅って奇妙なタイトルかと思う。
一般的には密教の「真言曼荼羅」が知られている。
「大日如来」が中心に諸仏が取り囲むものだ。
さて、「ジャズ曼荼羅」は誰が中心に座るだろうか?
ビバップの生みの親、モダンジャズの原点チャーリーパーカーか?
私的にはジョンコルトレーンを中心に据えたい。
生きることに絶望していた15~16歳頃、ラジオから流れてきた、ジョンコルトレーンジャズに生きる希望を与えられたからだ。以来、ジャズ喫茶行脚が始まった。地元横浜から都内制覇。私の身体は「金太郎飴」状態になった。どこを切ってもジャズが出てくる。
ジョンコルトレーンを精神的支柱にしているジャズ演奏家は多い。
マイルスディビスを忘れていないかという声も聞こえてくる。
マイルスはジャズ演奏の仕掛け人でもある。
意図的にコードミスをさせることにより、エモーショナルに結びつける。ハービーハンコックのビデオで見た記憶がある。
ハービーがミスり、頭真っ白にさせられるも、マイルスにより最高の演奏ができたというものだ。マイルスはミスとは捉えず、想定外と、臨機応変に対応した。人生の教訓だとハービーは語る。(ユーチューブで探すことできると思います)
 優れたジャズ演奏家の大脳は、新皮質の新脳の働きと旧脳とのニューロンが活性化している。
五感が優れ、知性豊かで、旧脳運動野の連結もスムーズである。
真面目な人こそジャズを聴けというコラムを見つけた。
なるほど。
ストレスで前頭葉が萎縮しているという。前頭葉は前頭連合野と呼ばれ、脳内他領野にニューロンが行き渡っている。

大脳辺縁系にある海馬や扁桃体は生物としての記憶や情動をつかさどっている。ストレスが掛かると、大脳辺縁系歯状回からアドレナリンやドーパミンが下垂体を通じて出て、脳内をリフレッシュさせようと働くも旧脳の自律神経がバランスを崩しており、セロトニンが働き調整をとるのだが、セロトニンは脳に再取り込みする性質があり、厄介である。大脳前頭葉が疲弊感し、ミスが多くなる。扁桃体や海馬には不快な記憶が蓄積され、情動に負け、疲弊し、前頭葉の働きが鈍くなる。
 ジャズ鑑賞は、リズムやスイング、メロディといった音楽の三要素であり、ピタゴラスのいうように宇宙のリズムでもある。
リズムが狂うことを病気又は不調という。
就中、ジャズはアフリカの大地の鼓動が独自のリズム感を生む。
野生のエネルギーでもある。
ジャズ演奏家から精神科医に転身したノブロックは著書「精神療法という音楽」でつぎのようにいう。
ジャズはビブラートが全細胞を動かすと。
ビブラートつまり、「ゆらぎ」である。
人の細胞も、粒子で出来ている。
量子論でも証明されている。
音楽はフォノンという振動媒体を必要な粒子波である。
音波は媒体を介したゆらぎでもある。
空気の振動であるから。故に「準粒子」という。
「鬱病」等、精神疾患になると、心、精神を休め、回復を待つ。
しかし、海馬、扁桃体に記憶されたストレスは動物のように避難だけでは難しい。何故なら、人間は知的社会的生物であるからだ。
前頭連合野の活性化が求められる。旧脳を賦活化させるだけでは、前頭葉は働かず、現実の対応がスムーズにいかないことがストレスになる。
精神疾患からの回復はジャズ曼荼羅と向き合うことである。
 ここで、コヒーレンスについて一言。
脳内同期のことで、近赤外分光法という計器で測定するものだ。
ヘルメット状の機器を被験者の頭に被せ神経伝達を計測するもので、リーダーとフォロワーの同期は強いとの結果であった。
感応といった霊媒的な現象が化学的に証明された。
故に、曼荼羅としてのジャズと同期が可能と考える。
それも、ジヨンコルトレーンジャズを傾聴することにより、快癒の兆しが出てくると思う今日この頃である。
何故なら、コルトレーンは、「苦悩の存在者」であり、ジャズというパーソネルとの音の会話=ジャズで苦悩を昇華してきたからであり、ジャズ演奏は、精神分析の「自由連想」に通じる。ある意味、メタファー隠喩であり、換喩に通じる。
自由連想は、無意識層にあるものを表現する場である。
精神分析によると、底にイドといって、本能や欲望のエネルギーがあり、その上にエゴ(自我)があるが、社会に適応しようと、その上の超自我(スーパーエゴ)が下部を抑圧する。
自由連想法は抑圧を解放する治療法である。
自由連想はジャズでいえば、デュオである。医者と患者である。
しかし、医者といった権威が存在する。フロイト(精神分析家)
は、患者のベットに背を向けトークするも、質問攻めにせず、「間合い」を大事にし、思いつくものを吐き出させるものである。
ジャズも「間合い」の芸術といってよい。
間合いの空間はパーソネルの呼吸やノンバーバルから影響を受け、また、与える。観客や会場の雰囲気も音楽の創造を司る。
ジャズ演奏は、時間とともに進行するインプロビゼーションであり、共通する。パーソネルの失敗も、逸脱も創造に結びつけるジャズ演奏家の感性と悟性に裏打ちされた大脳の柔軟性且つ、秀でた身体能力であり、境涯も高い。
ジャズ演奏家に共通する思考は、本質を追求する指向性だろう。
芸術家に共通するものでもある。
若き俊英ジャズピアニスト魚返明未(31歳)は言う。
ジャズ演奏はトゲトゲの丸いものが、融合して形作っていくようだと。更には、個性の違う者たちが「共有の枠組み」のもと楽曲が創られていく、社会の縮図といってよいと。
ジャズを演奏することは、ひとつの社会モデルを作っていることであると思う。今いる場所でそのままのあなたでいてほしいっていうことをジャズを通じて一番伝えたいです。
自由を求めるというプロセスの結実ですし、ジャズの本質です。だから、演奏する人にも聴く人にも救いをもたらすと思う。(魚返)
 国籍も問わず、珠玉混合の世界でもある。ジャズ演奏家が人種や国籍に関係なく、初対面の相手とセッションしている事実。
「ジャズは国際言語」であると、米国上院・下院議会で決議される。(1987年)
まとまり無く書いてきた。思いのまま書いたので、最後まで読まれた方には感謝したい。
後期高齢者の爺です。
ジャズ曼荼羅世界体験したい方、当、縄文ジャズ療法研究所主催
ジョンコルトレーンCD鑑賞会のご案内です。
神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央ケアプラザ・ケアルームにて、
JR.京急鶴見駅徒歩5分。
通常毎月第三日曜日午後2時~4時開催中!
参加費、一般500円。障碍者手帳持参100円,
問い合わせ先、045-508-7800ケアプラザ
✱精神疾患の重い方は、医師にご相談の上ご参加お願いします。
縄文ジャズ療法研究所/鶴見中央ケアプラザ福祉保健協力認定団体2012号



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