若い配達員の過ちと見せしめ文化の問題点
郵便物を隠匿した配達員が、郵便法違反の容疑で問われています。
私たち配達員は、差出人からの郵便物を責任を持って受取人に配達するという気持ちで業務にあたっています。
“放棄・隠匿”は犯罪であり、社会的にも自分の家族や周りにも迷惑をかける、絶対にしてはいけない行為です。防止策の一環として、社内教育や抜き打ちの持ち物検査、ロッカー点検も行われています。
しかしながら、定期的に全国どこかしらの郵便局で発生しているのが現実です。
今回の新聞記事の事件…朝のミーティングで周知されましたが、詳細は不明です。今回に限らず同じ郵便局組織なのに、そこに至った経緯や状況などが私たちに伝わってこない体質。
【新聞記事への違和感】
この記事を読むと「郵便配達員=悪人」としか感じられないですよね。
報道メディアですから仕方がないとは分かりますが、遠い地域の一人の悪事で、きっちりとやっている者までそう見られてしまいます。
日本人らしいですね^^; こんなに大きく掲載して、他に書くことがなかったからタイミングが悪かったのかもしれません。しばらくは地域社会の目が厳しくなる予感しかありません。
【10代の社会経験・ほったらかしの現場】
最初に感じたのは、なぜ10代の若者が?やってはいけない行為であり、当然それが犯罪だと認識していたと思います。
社会経験が少なかった時の自分に置き換えて考えると、行き詰まったときに周りに「助けて!」と声を上げられたでしょうか?「少しぐらい大丈夫だろう…」という悪の誘いがあるかもしれません。
狭いキャパシティで成長中の、小さなメンタルを持つ10代が正常な判断をできるでしょうか?
何も失敗したことのない若い時期を過ごした人はどこにもいません。
行為を大目に見ろということではなく、現場も弱者に寄り添う気遣いがあったのでしょうか。
デレデレとぬくぬくに育てるわけではありませんが、一声かける・労う言葉はあったのでしょうか。
ウブでピュアな若者だからこそパワーとエネルギーがあるだろう!!というノリで、一番過酷な配達地域を任せられていたのではないでしょうか?班長以上の管理体制も不十分だったと察します。
【この先も続く見せしめ文化】
いくら忙しくても、天候が悪くても、ムカつく配達先でも郵便物を捨てる行為は、自分自身のブランドにも傷をつけ、社会で生きていく上で不利になります。なぜなら『逮捕』され裁かれるからです。これがあるから防げる…統制を取るためには仕方がないのでしょうか。
逆に裁かれなければ、“紙切れ一枚なんてことない”という無法組織になってしまうのでしょうね。
以前勤めていた勤務先では、横領や詐欺がありましたが、会社から起訴されたことはありませんでした。車販売からの利益を抜いたり、売上金から少しずつ抜く…偽造請求書を作成し、入った額は一千万^^; みなさんさすがに解雇になっていますが、ちょろまかしたお金は返済するはずです。
【自分の取り組み・組織に必要な人材】
働く身として理不尽な法律だ!こんな組織辞めてやる!という行動を取るつもりは1ミリもありません、なぜならこの仕事が好きだからです。
今後このような犯罪が起こらないために、改めて考えさせられました。まずは自分の周りでの異変を感じるアンテナを立て、弱者に寄り添う強者であり、さらにほったらかしにしないことが重要だと思います。もちろん、悪のささやきに勝つために自分のメンタルも強くしていきます。
人手不足は今後さらに深刻になります。自分たちの職種は人海戦術であり、代わりは存在しません。
募集チラシを配り、来るもの拒まずで採用していますが…あれだけ撒いて1人か2人しか来ません。新卒を多く採るのも悪くないですが、犯罪リスクが高い若者が一度ハメを外したことで人生が終わってしまう。
社会人として成長する職種ではないと思うんですよね、見方によっては“犯罪者”かパワハラや天狗気取りの“モンスター”を作る組織。
それなりの社会経験のある中年以降の採用条件を厚くすれば、犯罪が減るんじゃないか⁈やばい人も居ると思うけど…(^^;;
組織としても、このような視点から人材採用を見直し、健全な環境を築いていく必要があると感じています。
最後までお読み頂きありがとうございました!