警察は必ずしも正しいわけじゃない

財布と一緒に免許証を紛失した。

免許証は仕事でどうしても必要だったので、速攻で再発行してもらった。

数日、警察から連絡があり、財布が拾われて届けられたとのこと。
全て無事に帰ってきたのだが、問題はここで起きた。

免許証は再発行が済んでいたため、そのまま処分をしてもらうか、ポンチで穴を開けて返却されるものだ。

しかし、ポンチで穴を開けることなく 返却をされたのだ。

特に意識することもなく、財布に 古い免許証と新しい免許証を入れたまま生活をしていた。

ある日、引っ越しの荷物を運ぶためレンタカーを借りることになった。
その時に古い免許証でレンタカーを借りてしまった。

引っ越しの最中に駐車違反で警察に切符を切られた。
その切符を切られる時に、古い免許証を出してしまっていた。当人が古い免許証を使ってしまったということにもちろん原因はあるのだが、当人としては全くもって悪意なく、単に免許証が2枚入っていることをすっかり忘れており、出しやすい目についた方の免許証を自然に出していただけだった。

翌日、高速道路でスピード違反をして 覆面パトカーに捕まってしまった。

その時にも古い免許証を出してしまった。

数週間後、いつもの仕事の用事で高速道路に乗った。

すると3台のパトカーに追いかけられ 高速道路で止められた。

かなり威圧的な態度で、有無を言わさずパトカーに乗せられ手錠をかけられた。

現行犯逮捕だ。

警察署に連れて行かれ、取り調べ がある。
隠し事をするつもりもなく、全て正直に話すつもりでいた。
最初はわけわからず、なぜ自分がこのような状態になったのか不思議でならなかった。

警察が言うには、無効になっている免許証を使い、レンタカーを借り、スピード違反でも無効な免許証を提示した 非常に悪質な運転者だということのようだ。

そのまま勾留をされるが、わざとやったわけでもなく何かの勘違いだったということで、すぐに解放されると思っていた。

警察としては、わざと古い免許証を使い、レンタカー屋さんや警察を騙したということを認めさせたいようだ。

実際に効力のない免許証を使い、車を借りたことも、駐車違反の時に古い免許証を出したことも、スピード違反で古い免許証を出したことも事実ではあるのだが、意図的にそれをやったわけではない。

取り調べの中で警察官がついポロッと言ってしまったのが、最初の免許証を紛失して返却をする際、ポンチで穴を開けなかったという警察のミスもあるということが頭の中に残っていた。

そもそもで言えば、免許証を返却する際ポンチで穴を開けなかった警察が悪いのではないか。

ポンチで穴を開けてさえいれば、仮にそれを財布の中に入れていてレンタカーを借りる時に免許証を出した時に、穴が開いていれば無効になったものを出したことに気づく。

駐車違反やスピード違反の時も同じだ ということを一生懸命に話すが、その ポンチで穴を開けなかったことについては警察は一切触れてこないし、聞き入れようともしない。

ただただ レンタカー、駐車違反、スピード違反をした時に、無効になっている古い免許証を使った極悪人だという扱いだった。

長い勾留期間、めいっぱい取り調べをされ、仕事にも復帰できず、このまま クビになるか、意図的にそれを自分がやり、反省をしているということで書類送検を行うのか、という選択を迫られた。

理不尽だとは思いながら、2週間も3週間も勾留されているわけにもいかず、不本意ながら意図的に古い免許証を使ったということを認めざるを得なかった。
警察としては、書類送検を行い、仮に裁判になったとしても、ポンチの件をどうしても主張したいのなら、そこで主張すればいい。

ここでは1日も早く釈放されるために本意であろうが不本意であろうが、自分の罪を認めること。ただそれだけを詰められてしまっていた。

釈放になり全ての事情を上司に話した。

会社はそれを全て理解をしてくれ、懲戒処分にすることもなく、そのまま会社に残らしてくれた。

しかし自分としてはどうしても納得がいかず、警察と裁判で戦うことを決めた。

そのために仕事を辞めざるを得なかった。

警察に対する不審な思いというのはその後どんどん広がり、遵法精神で生きることなんて無意味だということを悟った。

だから自分は正しく法律を守るということを気にする必要もなく生きていくことを決めた。

そんな話を聞いたことがある。
とても身近で信用のできる人の出来事だった。

もう25年ほど前の話だ。

今も違反切符を切られたその場では免許証の効力が切れていることはわからないのだろうか？

どーでもええけど