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【12/12追記】日本最大級のがん情報収集イベント(患者さん・ご家族・一般市民向け)
はじめに
「ジャパンキャンサーフォーラム(JCF)」は、患者さん・ご家族・一般市民向けとして日本最大と言い切っても良いと思われます。
2023年は、8月5日(土)と6日(日)の2日間で開催されます。詳しくは、以下のリンク先「今年のプログラム」からどうぞ。
臓器別の講演
2023年も臓器別の講演はありますが、メジャーながん種とごく一部の希少がん、小児がんで例年どおりです。もし関心のあるがん種がないようでしたら、「過去のJCF」から遡っていくことでご希望の講演が見つかるかもしれません。
他の希少がんについては「希少がんセンター」(国立がん研究センター)が最も充実した情報サイトとなります。
◆キャンサーネットジャパンが発行している冊子
こまめに改訂されており、さり気なく重要な情報も掲載しているため、オススメです!
※ここ2年で発刊・改訂された臓器別の「冊子」
2023年…膵がん、乳がん、慢性骨髄性白血病
2022年…前立腺がん(放射線治療)、大腸がん、急性骨髄性白血病、小児がん、膀胱がん
https://www.cancernet.jp/category/publish
その他の講演
臓器別よりは、その他の講演に注目しています。
「どうする?他にも病気があるとき」、「がんと運動」です。
前者は、がんと併存疾患(持病)、特に糖尿病がメインのようです。腎臓病や心臓病にも軽く触れそうな紹介文にはなっています。糖尿病に限らず併存疾患がある場合の「病院選び」などについても言及があると良いなあと期待しています。
後者は、すべてのがん種に共通する「運動」について。お時間があれば視聴をおすすめします(運動する習慣がある方は大丈夫ですので、飛ばしてください!)。講演内でも紹介されている『患者さんのためのがんのリハビリテーション診療Q&A』(金原出版)は2023年6月に刊行されましたので、院内図書館や情報センターなどにもあるかもしれません。
本書の「序文」が本当にそのとおりなので、一部引用します。ぜひ、リンク先から全文お読みいただきたいです。とても重要な指摘ですし、講演の後半でも言及されています。
…(略)…
運動療法はリハビリテーション学にもとづいて病院では診療・治療として行われています。脳卒中、心臓病の患者さんには多大な恩恵があることが証明されており、がん患者さんにも同様に非常に有効な治療です。しかし、がん患者さんへのリハビリテーション診療は他の疾患と異なり病院では入院でしか保険が使えません。なぜか、外来にて行う治療ではないと評価されています。自己負担でがん患者さんがリハビリテーション診療を受けなければなら[な]い現状を踏まえると、まずは患者さんやご家族にリハビリテーション診療の意義をご理解いただくことが重要です。
…(略)…
※太字、[ ]は加筆
外来での薬物療法がスタンダードになっています。その場合は保険が使えないことになりますが、臨床現場ではどう運用しているのかについても講演内で言及されています。
個人的な意見
臓器別の講演は、無理に視聴しなくても…というのが正直なところです。一般的な内容ですし、主治医もいますので(なお、臨床試験の情報も盛り込んでくるがん情報サイト「オンコロ」の講演よりは、今回のJCFの講演のほうが全体的に易しい内容になっている印象です)。
もちろん、治療法の選択として参考にできることはあります(「がん情報サービス」よりも分かりやすいのではないかと思います)。また、最新の標準治療全体を把握したい方にも、役に立つかもしれませんね。
◆患者さん向けガイドライン(解説書)
各学会編集としてこれまで刊行されてきたものについては、ここ1〜2年で改訂されました。医師向け診療ガイドラインの改訂に合わせた形です。
ご覧になるときは「最新版」でご確認ください。
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https://note.com/tasty_therapy315/m/mffda0d794ed9
2023年に改訂された医師向け『前立腺癌診療ガイドライン』『腎盂・尿管癌診療ガイドライン』に合わせて、2024年以降に患者さん向け解説書も発刊される予定です。泌尿器腫瘍の領域では、初になります。
さいごに
他にも、リアルタイムでないと視聴できない講演や患者会・患者支援団体の展示ブースもあります。展示ブースでは、「ひと言紹介」とともに参加団体のリンク先が貼られています。たくさん支援する組織が存在するんだなあと感じます。
過去のイベント報告書を見ると、参加者(視聴者)の7割が女性、年齢別だと50代がボリュームゾーンのようです。
連日暑くて外出するのが嫌になりますが、今回のイベントは涼しい室内で参加できます。ご興味があればぜひ!
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