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【3/25追記】がんと治療、そして深い海へ

(3/25)書籍『がん外科医の本音』、2023年がんセミナーのお知らせを追記しました。
▼目次をご確認いただけると幸いです。

⚠️諸注意
海は大変深くなっています。戻ってこられなくなる危険性があります。特に夜は危険です。
昼間の砂浜や浅瀬あたりまでがオススメです。
とはいえ、油断するとあっという間に波にさらわれて気づいたら海にいることも。
溺れてしまわぬよう、ネットを張り巡らせておきました。どうかお越えにならないようお願いします。

はじめに

遠くから、砂浜から、浅瀬から、海から。
皆さんはどの場所から、がんと治療をお知りになりたいですか。お調べになりたいですか。

各プランをご用意しました。
ご自身の性格や思考傾向、置かれた状況によって、あるいはその日の気分によっても変わってくるかもしれません。▼目次からお気に入りの場所へどうぞ。

遠くから

こちらを選んだ方、知的好奇心の探求でしょうか。「がん」に興味をお持ちになった理由は気になりますが。ごゆっくりお過ごしください。

遠くからbyちゅらさん

2021年に出版された翻訳本ヒトはなぜ「がん」になるのか(河出書房新社)です。ややクセはありますが、教養本として何か一冊と問われたらこちらになります。個人的には第10.11章が興味深かったです。

▼目次
はじめに
第1章 地球に生命が生まれたところから話は始ま

第2章 がんは生きるための代償である
第3章 がんはどこからやってくる?
第4章 すべての遺伝子を探せ
第5章 いい細胞が悪い細胞になるとき
第6章 利己的な怪物たち
第7章 がんの生態系を探索する
第8章 世にもけったいながんの話
第9章 薬が効かない
第10章 進化を味方につけてゲームをする
第11章 がんとのつき合い方

『ヒトはなぜ「がん」になるのか』より


砂浜から(3/25追記)

こちらを選んだ方、とてもバランスが良いかもしれません。普段の生活だけでも何かとバタバタしますよね。新書となっておりますので、持ち歩きに大変便利です。合間のお時間にどうぞ。

ビーチからbyちゅらさん

2018年に出版された新書「がん」はなぜできるのか(国立がん研究センター研究所)です。「そのメカニズムからゲノム医療まで」という副題のとおり、ひととおりの知識が身につくはずです。「正しい」がんの知識を身につけたい方に最適です。

▼目次
第1章 がんとは何か?
第2章 どうして生じるか?
第3章 がんがしぶとく活きる術
第4章 がんと老化の複雑な関係
第5章 再発と転移
第6章 がんを見つける、見極める
第7章 予防できるのか?
第8章 ゲノムが拓く新しいがん医療

『「がん」はなぜできるのか』より

2019年に出版された新書がん外科医の本音(SB新書)です。『「がん」はなぜできるのか』が医学的な観点だとすると、本書は医療的な観点(臨床現場)からの内容です。より実践的な内容を理解したい場合には、こちらもおすすめです。

▼目次
第1章 医者から見る「がん」とはどんな病気なのか
第2章 がん治療と薬の本音
第3章 主治医と病院の本音
第4章 がん予防の本音
第5章 がん検診の本音
第6章 患者生活の本音
終章 がんにかかるということ

『がん外科医の本音』より

フォロワーの小野勝広さんがご紹介されていたことから、追記させていただきました。本書の筆者のお父様のエピソードも書かれており、価値観が出てしまうなあと考え込んでしまいました。


浅瀬から

こちらを選んだ方、情報という波にやや翻弄されていませんか。少しだけ弱気になってしまっているかもしれません。海から離れる日も作ってくださいね。

浅瀬からbyちゅらさん

◆サイト
毎年開催されているジャパンキャンサーフォーラム(JCF)のサイトには、様々ながん種について専門医が解説した動画がアーカイブになっています。2022年開催の動画をご覧になることで、8月時点での最新の情報を知ることができます。
✳︎
導入としては、上記サイト内のこちらの動画がオススメ。波にさらわれないためです。今いる場所は浅瀬ですからね。動画の概要は下記のとおり。

【全体講演概要】
「限られた診療時間で医師に聞きたいことをどうやって聞いたらよいか」「医師の気分を害してしまうといい治療をしてもらえなくなるのではないか」「信頼している医師に負担をかけたくないので質問は控えています」… 相談場面で患者さんご家族から伺う声のひとつです。医師から伝えられた情報を理解するために、インターネットや書物で、沢山の情報を集め、理解を深めようとする懸命な姿と出会います。また、インターネット等で情報を集めて、不安な気持ちが増したり、混乱をしている方とも出会います。得た情報から信頼できる情報をどのように選択していったらよいか、正しい情報の集め方、見極め方のヒントを考えていく場所にしたい、そんな考えから、本企画を考えました。
主治医は大切な情報源です。
医師はどんなことを考え、患者さん・ご家族に病状説明をしているのか、腫瘍センター医師、外科医師の立場からお話しをし、主治医を味方につけるための工夫を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

2022年 ジャパンキャンサーフォーラムHP
「がん情報の集め方」より

◆書籍
患者さん向けガイドライン(ガイドブック)
です。イラストが多用されており、大変わかりやすいです。書籍になっているのは限られたがん種のみですが、該当するものがあればオススメです。

※新刊・新版は、病院の情報センターや診察室のそば、入院患者さん用図書館などに「参考図書」として置かれているかもしれません。お散歩しながら探してみてくださいね。


海から

こちらを選んだ方、なにか食事は取りましたか。散歩にも行ってくださいね。そして、今が夜更けだとしたら、翌日になさってください。治療は人生の一部であって、全てではありません。主治医もいます。迷ったときは必ず頼ってくださいね。

海からbyちゅらさん

サイト
がん情報サイト「オンコロ」で毎月実施されている夜間学校」「OMCEです。こちらも様々ながん種について専門医が解説した動画がアーカイブになっています。「夜間学校」と「OMCE」でがん種は一部重なっていますが、解説する時期・専門医ともに違います。そして、臨床試験の情報にも触れているのが特徴です。
✳︎
浅瀬でご紹介した動画ジャパンキャンサーフォーラム(JCF)と比較してご覧になるのもいいかもしれません。

◆書籍
2021年に出版されたがんがみえる(メディックメディア)です。「みえる」シリーズの腫瘍学版です。他のシリーズ同様、イラストや写真がたくさん使用されており、とても理解しやすい構成です。定価4,290円と高めの設定ですが、内容が充実していますので、あれこれ買うよりもこれです。まずは何度か「立ち読み」してからのご購入をオススメします。
✳︎
診断されたがん種の章以下の★を読むことで、より理解が深まるのではないかと思われます。

▼目次
がんの基礎知識★
がんの治療★
がんと社会生活・予防★
呼吸器のがん
消化器のがん
乳房のがん
婦人科のがん
泌尿器のがん
脳のがん
頭頸部のがん
骨のがん
血液のがん
転移性のがん★

『がんがみえる』より


…これ以上はいけません。
海は大変魅力的ですが、あっという間に引きずり込まれてしまい、人生そのものになってしまいます。お戻りになってください。


【補足資料】

患者さん向けガイドライン(ガイドブック)は、ネット上で全文読めるものもあります。しかし、情報が古い可能性があります。特に薬物療法は、最新のもの(ジャパンキャンサーフォーラム(JCF)」「夜間学校」「OMCEの各動画)で確認してくださいね。

参考までに、各学会のサイト内にあるガイドブックの一例です。

✳︎✳︎✳︎

あとがき

ご紹介したサイト内の動画ですが、一度ご覧になっただけでは、なかなか理解できないと思います。

まずは大きな流れだけで大丈夫ですので、何度も繰り返しご覧になってください。

そして、薬物療法の説明ではカタカナがたくさん登場して混乱するかもしれません。少し前に投稿した記事【「医師の呪文」〜】で、何とか回避していただけると嬉しいです。

思考に浸潤する。

ただひたすら個が同じ行動を繰り返す歴史。ウイルスと異なり周囲や次の世代に感染しない。世代を超えて進化することもない。知の承継すらできない。

なのに思考には浸潤してくる。
時代を超えて浸潤してくるのだ。

by思考に浸潤された一人


【2023年セミナーのお知らせ】(3/25追記)

はじめに

ご案内するセミナーですが、積極的にご覧になっていただきたいわけではございません。むしろ、ご覧にならなくても大丈夫です。信頼している主治医がいるはずですので!

家族のことが友人のことが心配、主治医と会うのはまだ先でどうしてもいま知りたいという方が、「情報の海」で翻弄されないでほしいという趣旨です。


お知らせ

最新がん医療情報のオンラインセミナーが、2023年も毎月開催されます。リアルタイムでなくとも、後日アーカイブ配信にてご覧になれます。
詳しくは、以下のリンク先からご確認ください。

がん医療のエキスパートによる最新のがん医療情報を提供 2023年、年間40回に及ぶがん医療情報オンラインライブ配信セミナーを共同開催

①大阪がん医療セミナー夜間学校

(毎月第2金曜日午後7時より)※8/10のみ木曜日



②ONCOLO Meets Cancer Experts

(毎月第4金曜日午後7時より)



③大阪がん医療セミナー on the WEB

(毎月第3水曜日午後8時より)


以上、お知らせでした。

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