主治医からフランス料理に誘われた私の意思決定を分析するあなた(『医療現場の行動経済学』)✳︎
はじめに
私はフランス料理のフルコースを経験したことがありません。そんなこと知ったことではありませんよね。すみません。
価値観と意思決定
主治医が素敵だから行く、はダメです。主治医は誘ってくれただけで、一緒に食事できるとは限りません。食事中は、人が入れ替わり立ち替わりすることが予想されます。また、食事代も自己負担です。主治医はご馳走してくれませんからね!
分析
主治医からの誘いを受けるべきか断るべきか。価値観がよく現れているのは、おそらく後者の「誘いを受ける私」だと私自身は考えていますが…。
「私」の価値観と意思決定をどう分析してくださいますか?
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まず、ひとつ前の見出しは「価値観(と意思決定)」としました。“フランス料理のフルコースを経験する前”の「現在の価値観」の分析をお願いします。
次に、前者「誘いを断る私」にも後者「誘いを受ける私」にも、「価値観以外の要素」が含まれている気がしています。私の気のせいでしょうか。たぶん気のせいではありません。色んなバイアスが含まれています。「バイアス」の分析をお願いします。
最後に、私はどちらを選んだら後悔しませんか?どちらを選ぶと後悔しますか?どちらでも後悔するのか、後悔しないのか。「意思決定」の分析をお願いします。
本の紹介
『医療現場の行動経済学ーすれ違う医者と患者』大竹文雄、平井啓編著(東洋経済新報社)
※AmazonのKindle版「試し読み」のリンク先です。以下の内容まで読むことができます!
実は、こちらの本の紹介記事です。
すみません、まわりくどいご紹介で。
しかも「フランス料理のフルコース」なんて話は一切登場しません!
フランス料理のフルコースは「標準治療」
生牡蠣は「抗がん剤」
食中毒は「副作用」
食事代は「治療費」
あたりに置き換えてみてください。
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とよく言われます。主治医は初めて治療法を提案する際に伝えますし、患者さんも伝えられるはずです。そして私がこれまで投稿した記事でも書いています。
でも、「価値観」ってそんな簡単ではありませんからね!「生活の質」って抽象的すぎです!と自覚しながら投稿してきました。
考えれば考えるほど深みにはまります。ですから、チラッと立ち読み程度でも構いません。
本書を読んでおくと、あらゆる意思決定の際にヒントになります。なぜ「あらゆる」か?それは命と健康がかかった究極の意思決定の場面を想定しているのですから、他の大切な場面でも応用できるに決まっています。
あとがき
フランス料理以外にもフルコースがあるのか知りませんが、私にはやはり無理です。披露宴に参列したときの食事でも、最後まで辿り着けませんでしたから。「もし良かったら…」と隣席の友人や親族に、その都度声を掛けてきたのです(挨拶と声掛けとおとなの礼儀は大切です)。
とはいえ、目上の方からのお誘いは断りたくありません。私ごときを誘ってくださるなら喜んで、どうしても無理なら空いている日を複数お知らせしますレベルです。
このとおり、たかがフランス料理に誘われた程度でも意思決定に悩むのです。医療現場でしたら、悩んで当然です。半日でも数日でも半月でも、悩んだ期間は関係ないと思っています。重要なのは、必死になって悩んで考えたという事実かも…
医療現場で医師が考える視点についても!
本記事が学問的な立場からのアプローチ、以下の記事は実臨床の立場からのアプローチ、と便宜上整理できます。とはいえ、前者の「行動経済学」は医療現場に限らず、様々な業界や現場でも導入されています。